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「家(うち)へ帰ろう」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
うちへ帰ろう.jpg
アルゼンチンのパブロ・ソラルス監督による、
珍しいスペイン・アルゼンチン合作映画が今公開されています。

これは東京はシネスイッチ銀座の単館ロードショーなんですよね。
昔はハリウッド映画中心の名画座だった館で、
「ひまわり」や「ドクトル・ジバゴ」、
「時計仕掛けのオレンジ」などを観たことを覚えています。
古くて居心地がかなり悪いのと、
ネット予約が出来ないのが難点です。

今時、ロードショーでネット予約不可というのは、
相当面倒ですよね。

ただ、頑張って観た甲斐はありました。

12月公開ですが、
昨年のうちに観ていれば、
間違いなく2018年のベスト5に入れていました。

背景にホロコーストを絡めた、
ユダヤ人の老人が、
ポーランドを目指して1人旅をするロードムービーで、
大甘の話ですが、
これは抜群にラストがいいですよね。
客席では高齢者中心の観客が、
皆オイオイと泣いていました。

泣かせなんですけど、
ド直球で、
今の映画というより、
「自転車泥棒」や「禁じられた遊び」のような、
古典的なテイストなのです。

ラスト以外の部分も、とてもシンプルな演出で、
語り口が明晰で柔らかいので、
重くて暗い話ではあるのですが、
とても自然に観ることが出来ます。
また、主役の俳優さんがとても自然で魅力のある芝居をしていて、
老人映画に特有の臭みがなく、
鑑賞後の気分をとても爽やかにしているのです。
日本でこうした映画を作ると、
上手くいって山田洋次作品みたいになるでしょ。
あのわざとらしさや不自然さが嫌ですよね。
この映画のように、
リアルで自然なテイストには絶対ならないと思うのです。
この自然さが素晴らしいですよね。

この映画はラストが抜群ですが、
それ以外にもじんわり胸が熱くなるような、
印象的な場面が幾つもあります。
その全てがストレートな表現で小気味よいのです。
以前最初の「ロッキー」を観て、
映画ってこんな単純でいいんだ!
と目から鱗の思いがありましたが、
それに近い新鮮さを感じました。

単館ロードショーで観るのは面倒ですが、
映画ファンであれば観て損はない、
観終わった後で心が少し綺麗になった気分になる傑作です。

とてもお薦めです。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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「斬、」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前午後とも石原が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
斬.jpg
鬼才塚本晋也監督の新作で時代劇の「斬、」を観て来ました。

幕末を舞台にした80分くらいの短い作品ですが、
画面は暗く全編異常な緊張感で、
救いの欠片もないダークな物語が展開され、
ラストは3人のメインキャストが、
泥と雨と血に塗れて殺し合いを演じるという、
観終わると気分がどん底になること必定の、
イヤな映画です。

何となく「鉄男」にも似たところのある物語なのですが、
活劇の面白みやビジュアルの遊びなど、
息の抜けるような要素はこの作品には微塵もないので、
娯楽性という面では天と地ほどの開きがあります。

暴力を憎み、平和を希求するような思想が、
根底にはあってこうした映画が作られたのだと理解は出来ますが、
それなら「たそがれ清兵衛」みたいな作品であっても、
充分その役目は果たしたと思うのです。
ここまで無残で残酷で暗い映画を、
作る必要はなかったのではないかと思いますし、
監督の心の中では、
こうまでしなければ暴力の本質を描けない、
という思いがあったのではないかとも思いますが、
仮にそうだとすれば、
それはかなり病的でそれ自体平和や非暴力とは、
距離のある思想ではないでしょうか。

作品は「七人の侍」の反歌のような構成を取っています。

貧しい村に暴力で強奪する夜盗の集団がやってくるのですが、
官兵衛を彷彿とさせる坊主頭の剣豪は、
夜盗の多くを斬り殺してしまい、
復讐に再来した夜盗の残党によって、
村人は更に殺されるなど悲惨な目に遭ってしまいます。
つまり、「七人の侍」の方法論では、
暴力の連鎖を生むだけで村人は幸福にはなれない、
と言っている訳です。

そんなにひねくれなくてもいいのに、
と思わなくはありませんが、
そこまではまあ発想を理解は出来ます。

しかし、それならそれに変わる方法論を、
映画は提示してくれるのかと思っていると、
平和主義者の侍は、
ただ苦悩するだけで何の助けにもならず、
結局仲間内で殺し合いをして終わり、
というような感じになってしまいます。
蒼井優の演じる女性も、
人間というより獣のように暴力的で淫乱なので、
なおさら意図が分からなくなってしまいます。

そんな訳で勘弁してよ、と言いたくなるような怪作で、
映画を見て気分が落ち込むのが大好き、
という変わった嗜好をお持ちの方以外には、
お薦めはしにくい作品のように思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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「スマホを落としただけなのに」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
スマホを落としただけなのに.jpg
昨年11月公開の映画ですが、
見落としていたので新年に劇場で観て来ました。
原作は先に読んでいました。

若い男性がスマホをタクシーに落としてしまい、
それをある人物に拾われてしまうところから、
次々とトラブルが、
その男性の恋人の身に降りかかります。

原作は多視点の構成で、
事件の犯人と、ヒロインと、警察の捜査、
という3つの視点が切り替わります。

基本的には猟奇殺人犯を巡るミステリーですが、
そこにスマホの情報を乗っ取られたり、
なりすましで被害に遭ったりといった、
現代的な情報が盛り込まれているのが特徴で、
印象的な題名も相まって、
ベストセラーになったのだと思います。

ただ、スマホの情報が悪用されるのは、
物語の中でそれほど大きな位置を占めてはいないので、
題名に偽りあり、という印象も少しあります。

映画版はほぼ原作に忠実で、
原作の怖さや面白さは、
比較的そのままに活かされていたと思います。
犯人の設定は悪くないと思うのですが、
その点もキャスティングを含めて、
上手く映像化されていたと思います。

ただ、中田秀夫監督の映画なのですよね。

まあ少し前にも「劇場霊」という、
仰天するような駄作を見ているので、
もうそう驚かないのですが、
かつてのジャパニーズホラーの神様が、
一体どうしてこんなことになってしまったのでしょうか?
今回の演出も極めて凡庸で、
作家性の欠片もありませんでした。
作家性を出さないことを決めて仕事をされているのかしら?
今回もクライマックスは閉園した遊園地が舞台なのですから、
幾らでも遊べそうなのに、
何1つ面白いこともしていませんし、
魅力的なカットもありません。

今回の作品など得意ジャンルだと思うので、
とてもとても不思議でした。

それでも、監督の情報がなければ、
「まあこんなものかな」という程度には仕上がっていて、
ラストの処理はかなり杜撰で不自然でしたが、
それ以外は娯楽ミステリーの水準作として、
まずは楽しく見ることが出来ました。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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2018年の映画を振り返る [映画]

新年おめでとうございます。

北品川藤クリニックの石原です。

今年もよろしくお願いします。

今日は昨年観た映画を振り返ります。
昨年映画館で観た映画がこちらです。

1.ビジランテ
2.バーフバリ 王の凱旋
3.プラハのモーツァルト
4.南瓜とマヨネーズ
5.希望のかなた
6.ルイの9番目の人生
7.スリー・ビルボード
8. 花がたみ
9.RAW 少女のめざめ
10.デトロイト
11.犬猿
12.シェイプ・オブ・ウォーター
13.ビガイルド
14.15時17分、パリ行き
15. ゆれる人魚
16.祈りの幕が下りる時
17.しあわせの絵の具
18.ラッキー
19.娼年
20.グレーテスト・ショーマン
21.ハッピーエンド
22.パシフィック・リム アップライジング
23.女は二度決断する
24.レディ・プレイヤー1
25.君の名前で僕を呼んで
26.サバービコン
27.ウィンストン・チャーチル
28.蚤取り侍
29.虎狼の血
30.友罪
31.ファントム・スレッド
32.ビジョン
33.万引き家族
34.羊と鋼の森
35.ハン・ソロ
36.アローン
37.もりのいる場所
38.パンク侍、斬られて候
39.男と女の観覧車
40.未来のミライ
41.ジュラシック・ワールド 炎の王国
42.菊とギロチン
43. コード・ブルー
44.人間機械
45.カメラを止めるな
46.サマー・ウォーズ
47. おおかみこどもの雨と雪
48. 検察側の罪人
49. ペンギン・ハイウェイ
50. 寝ても覚めても
51. かさね
52. プーと大人になった僕
53. クワイエット・プレイス
54. アントマン&ワスプ
55. バッド・ジーニスト
56. 来る!
57. ボヘミアン・ラプソディ
58. アリー スター誕生
59. くるみ割り人形と秘密の王国
60. ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
61.羊の木(後から追加。実際には8と9の間で鑑賞)

以上の61本です。
昨年より減っていて、
これは時間が取れなかったで仕方がありません。
特に10月と11月は殆ど映画が観られませんでした。
去年は正直色々なことがやりきれずに、
嫌なことも多くて辛い1年でした。
今年はもう少しいいことがあると良いのですけれどね…。
結構見逃している作品も多いので、
特に年の後半はかなり補足が出来ていません。
昨年も日本映画をなるべく多く観たいと思っていて、
26本観ているので、
これは昨年より少し多くなっています。
ただ、マイナーな作品でガッカリすることが多くて、
今年はあまり邦画は観ないかも知れません。

良かった5本を洋画と邦画とに分けて、
エントリーしてみます。
2018年に公開された新作に限っています。

それではまず洋画編です。

①スリー・ビルボード
https://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2018-02-04
アイルランドの天才劇作家マクドナーの監督作品で、
現代社会の暴力の連鎖を、
彼ならではの切り口で描いた素晴らしいアメリカ映画でした。
イーストウッド監督の最盛期に匹敵する切れ味で、
役者も良く本当に感銘を受けました。
アイルランドの感性が紡いだ新時代の西部劇、
アイリッシュ・ウェスタンと称すべきかも知れません。
2018年のベストは揺るがないところです。

②しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス
https://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2018-03-25
カナダの国民的画家で、
リウマチの持病のあるモード・ルイスという女性の生涯を、
何の取り柄もない粗暴な男との、
とてもささやかな愛情の物語として描いた、
人生の素晴らしさに満ちた見事な傑作です。
本当に良い映画を観たという感動に、
心から浸らせてくれる絶品です。
主役のサリー・ホーキンスが抜群に良く、
夫役のイーサン・ホークも絶妙です。

③ハッピーエンド
https://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2018-04-15-1
オーストリアの一筋縄ではいかない名匠、
ミヒャエル・ハネケ監督の新作で、
彼が老人の目から、
SNSでしか世界と対話出来ない少女を描いた作品です。
ラストは真の意味で衝撃的でした。
ハネケでしか描き得ない世界観に没入する映画です。

④ボヘミアン・ラプソディ
https://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2018-12-16-1
今年は音楽映画の当たり年と言って良いと思います。
中でもこの作品はその熱量では一番で、
クイーンを知る人にも知らない人にも、
その魅力が十全に伝わる素敵な作品でした。
かなり荒っぽく、俗っぽいドラマではあるのですが、
ラストのライブを再現した場面は、
間違いなく映画史に残る圧倒的なクライマックスでした。
大画面と大音響で是非。

⑤アリー スター誕生
https://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2018-12-23-1
5本目は「グレーテスト・ショーマン」とどちらにしようか悩みました。
2作品ともなかなかレベルの高い音楽映画でした。
年末に観たこの作品は、リメイクですが、
アメリカ映画の良さがよく出ていて、
なかなか感銘を受けました。
音楽も良かったですし、
主役2人の芝居もなかなか良かったと思います。

今年はそれ以外に、
アカデミー賞の「シェイプ・オブ・ウォーター」や、
ヨーロッパ的変態映画の「ファントム・スレッド」が印象的でした。
ウディ・アレンの「男と女の観覧車」も、
彼ならではの完成度で良かったですね。
ホラーでは「RAW 少女のめざめ」というのが、
度肝を抜く悪趣味の極地のような変態映画で、
これには相当驚きました。
それでいて意外に良く出来ているのです。

それでは次は邦画の私的ベストです。

①万引き家族
https://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2018-06-16
今年の邦画と言えば矢張りこの作品だと思います。
是枝監督の作品としても抜群の完成度で、
現代社会を活写すると共に、
かつての日本映画のエッセンスのようなものも含まれています。
役者も皆良かったですね。
今年観た邦画の中で完成度はピカイチです。

②パンク侍、斬られて候
https://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2018-07-14-1
町田康さんの筒井康隆テイストの時代劇を、
宮藤官九郎さんが脚本を書いて石井岳龍さんが演出した作品です。
これはクドカンが本人で監督する、
というのもありだと思うのですが、
石井さんが監督したことが結果としては成功だったと思います。
石井さんはこの前の「蜜のあはれ」も良かったですし、
物語の通底音に独特の「闇」があって、
それが今回の作品にはマッチしていたと思います。
後半に喋る猿が出て来る辺りの不気味さと、
あれよあれよと秩序が崩壊してカオスとなる壮絶さは、
時代劇でありながら、
まさに現代の恐怖を描いた映画でした。
個人的には2018年の邦画の中で一番好きです。
ただ、クライマックスのCGシーンは、
ちょっと完成度に問題があったと思います。

③カメラを止めるな!
https://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2018-08-05
今年一番話題になった邦画と言えば、
矢張りこの作品です。
演劇的なワンアイデアのチープな作品なのですが、
素材とアイデアが絶妙にマッチングしていて、
安っぽいので却って面白いという、
とても計算しても得られないような、
不思議な怪作が誕生したのです。
三谷幸喜さん的な世界ですが、
三谷さんの映画より数段成功していて、
三谷さんはくやしがっているだろうな、
と勝手に想像しています。

④羊と鋼の森
https://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2018-06-24
これはとても繊細である意味地味な原作を、
ほぼ忠実に原作をリスペクトする感じで映像化した、
愛すべき作品だと思います。
山崎賢人さんを始めとするキャストがまた素晴らしくて、
しっとりと心に残る映画に仕上がっていたと思います。
唯一駄目だったのは久石譲さんの主題曲でした。

⑤虎狼の血
https://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2018-06-03-1
これは白石和彌監督による、
正調東映ヤクザ映画で映像的には非常に見応えがありました。
ただ、原作が主人公が途中であっさり殺されてしまう、
という映画としては如何なものかな、と思うストーリーなので、
映画はもう少し派手にしてはいるものの、
原作の弱さが出てしまったかな、
という感じはありました。
また「仁義なき戦い」や「アウトレイジ」などの、
引用のようなパクリのような場面が多く、
もっとオリジナルな雰囲気のものが、
観てみたかったな、というようには思いました。

日本映画は洋画以上に昨年は見落としているので、
これ以外にも良い作品はあったと思うのですが、
数少ないうちでも、
ガッカリするような映画が多かった、
というのも実感でした。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良いお正月をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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「くるみ割り人形と秘密の王国」 [映画]

あけましておめでとうございます。

北品川藤クリニックの石原です。

今年もよろしくお願いします。

クリニックは年末年始の休診中です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
くるみわり人形.jpg
ディズニーがバレエの「くるみ割り人形」を、
実写映画化しました。

これはディズニーとしては、
かなりマニアックな部類の作品で、
ディテールの凝り方は、
ティム・バートン作品のようですが、
そこまでねちっこく拘り抜いた、
という感じではないので、
誰に見せたくて作ったのか、
ちょっと不思議な感じもする作品です。

子供向きとは思えず、
子供が喜ぶような気もしませんが、
かと言って大人が見るのは、
物足りなく観終わって切なくなるような、
空しい気分もあるからです。

元々バレエの「くるみ割り人形」自体、
ほとんどストーリーらしいストーリーはないので、
音楽を使用して、くるみ割り人形が登場すれば、
何でもありなのですが、
一応ドイツのお金持ちの少女らしい設定を元に、
亡くなった母親が幻想の中で作り上げた世界が、
その死により崩壊寸前となるのを、
少女が救うというオリジナルストーリーを展開しています。

この荒廃したネズミの国などのビジュアルが、
廃墟と化した遊園地であったり、
「イット」のような不気味なピエロや、
巨大化したブリキの人形の軍隊など、
なかなか上手く出来ています。
またからくり時計や水車の仕掛けなどの、
メカニックがマニアックで好みでした。

内容は最近のディスニーの常で、
古典的な善悪を反転させるようなひねりがあるのですが、
毎度のことなので特別意外性がある、
という訳ではありません。

中段までは結構ワクワクしながら見ていたのですが、
後半の活劇からラストに掛けては、
物足りなくちょっと空しい感じがありました。

そんな訳で結果的には今ひとつでしたが、
ビジュアルには一見の価値のある、
ディスニーとしてはマニアックに振れた作品でした。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良いお正月をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

クリニックは年末年始の休診中です。

今年1年お読み頂ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
ファンタスティックビースト.jpg
ハリー・ポッターの新シリーズとして、
2016年に公開された「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」の続編が、
今ロードショー公開されています。

全部で5部作の2作目に当たるという構想であるようです。

このシリーズは前作がとても良くて、
本家のハリー・ポッターより個人的には好印象でした。
次々と出て来る不思議動物がなかなか良く出来ていましたし、
物語もなかなか綺麗にまとまっていました。

それで今回の続編も、
とても楽しみにしていたのですが、
いかにもシリーズ物の繋ぎ作品という感じで、
登場人物ばかりゴチャゴチャと出て来て、
面倒くさい設定があるので、
お話は分かりにくいですし、
大した展開なく次に続くという感じに終わってしまうので、
とてもガッカリしました。

こういうものは、
1作ずつ映画として公開する以上、
1作毎の盛り上がりと、
一定の完結性がありながら、
次に続くという感じにならないといけないと思うのです。

今回の作品は本当の繋ぎという感じで、
この作品のみの盛り上がりという点が希薄です。
ビジュアル的にはなかなか凄いことをしているのですが、
「凄いな」と思っていると、すぐに終わってしまう感じで、
見せ場が連鎖してゆくというところがありません。
とても勿体ないと思いました。

前作は、小さく始まって、
意外に物語が後半大きく膨らんで行くのが良かったのですが、
今回は最初に悪い魔法使いの脱獄という、
なかなかの大盛り上がりで始まるので、
どうしてもそれ以上のものをその後に期待してしまうのですが、
実際にはその後ダラダラ人物紹介ばかりが続き、
肝心の主役は気持ちがまだ定まらずに右往左往、
という感じになるので、
構成の失敗であったように思いました。

そんな訳で駄目なスター・ウォーズと同じような、
シリーズ中だるみ、内輪受け的な作品で、
期待が大きかっただけに、
脱力した気分で劇場を後にすることになりました。

キャストは良かったので次には期待をしたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い年の瀬をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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「アリー スター誕生」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
アリー スター誕生.jpg
「スター誕生」のリメイクとして、
レディ・ガガが新人歌手を、
ブラッドリー・クーパーが彼女を見いだす、
カントリーロックのスターを演じて、
製作と監督も兼任した映画が、
今ロードショー公開されています。

その初日に劇場に足を運びました。
観客は20人くらいだったと思います。

「スター誕生」は、
1937年から何度も映画化されている、
アメリカ映画の古典的なプロットで、
元々は映画スターの話ですが、
1976年のバーバラ・ストライサンド版で、
音楽業界の話としてリメイクされ、
今回の映画は基本的にはその1976年版のリメイクです。
ただ、そのプロットの内容や構成などは、
オリジナルの1937年版にかなり忠実になっています。

その業界の大物の手によって、
名もない新人の少女が見いだされてスターになるのですが、
2人が結婚した後で、
元々アルコール依存症であった大物は没落し、
むしろスターの少女の足を引っ張る存在となってしまいます。

ちょっとあざといけれど巧みに構成されたプロットで、
男女の機微と力関係、そして純粋な愛情が、
華やかなショービジネスの世界と連動しているのが上手いのです。
オリジナルの当初から、
アルコール依存症という社会問題を取り入れ、
最後は少女がスターとして自立する、
という誰もが納得するラストに着地しています。

ただ、少女の自立とか、何を今更という感じもあるので、
古めかしく感じて違和感のある方もあるかも知れません。
「権力者の男が自分が好きになった少女をスターにする」
というお話自体が、
今の社会では反発を感じる部分もあるように思います。

この辺りをより現代に合わせて作り替える、
という考え方もあったと思うのですが、
今回の映画はオリジナルの良さをリスペクトして、
ほぼ忠実に再現するという方法を取っています。

個人的にはそれで正解だったように思います。

良くも悪くもこれがアメリカ映画だ、
と開き直ったような感じがあり、
スター誕生のアメリカンドリームに、
心浮き立つような気分になるからです。

主役の少女(?)を演じたレディ・ガガは、
最初にトイレで1人芝居みたいなことをやっていて、
それがへたくそなので、
「こりゃ駄目じゃん」という感じになるのですが、
さすがに歌の場面になると抜群のオーラがありますし、
基本的に自分自身と重なるような役柄なので、
説得力のある演技になっています。
途中のデュエットも良かったですし、
ラストの歌唱も素敵でしたね。

対する大物歌手役のブラッドリー・クーパーは、
文字通りの熱演で素晴らしい芝居でした。
歌も悪くなかったですし、
後半は彼の1人舞台の感じもありました。

総じてこれぞアメリカ映画というテイストの作品で、
演出など技術的にも優れていましたし、
楽曲も良かったですから、
古いアメリカ恋愛映画のお好きな方でしたら、
とても楽しめると思います。

なかなかお薦めです。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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「ボヘミアン・ラプソディ」(伝記映画) [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ボヘミアン・ラプソディ.jpg
大人気のクイーンの伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」を観て来ました。
平日でしたが新宿のアイマックスが完売でした。

クイーンは高校生の時に、
「ジャズ」というアルバムが発売されて、
これはカセットテープですり切れるくらいに聴きました。

日本の場合最初はビジュアル的な人気が先行で、
その後音楽的に評価が高まって、
僕が高校生の頃には、
音楽ファンでほぼけなす人はいない、
というくらいの存在でした。

高校生の時に一度武道館の来日公演があって、
とても行きたかったのですが、
チケットは取れませんでした。

同じクラスに有名な音楽評論家のご家族の人がいて、
「チケット押さえたからみんなで行こうぜ」
みたいな話をしていて、
僕はその「みんな」には入っていなかったので、
とてもうらやましいなあ、
と思っていたことを、
何故か今でも鮮明に覚えています。

詰まらないことだけ、
リアルに覚えているのが嫌ですね、
人生って!

さて、この映画は、
1985年のライブ・エイドのコンサートの場面を、
忠実にほぼ全編再現した映像がラストにあって、
そこがともかく抜群に素晴らしく興奮する出来映えです。

ライブの映像化としては、
間違いなく歴史に残るものではないかしら。

ドラマの部分は意外に薄味で大雑把なのですが、
ライブにそっくりさんによる再現ドラマがくっついている、
というような構成になっているのです。

この拘りのそっくりぶりはかなり凄くて、
主人公のフレディ・マーキュリーも良いですが、
ブライアン・メイがまたそっくりですよね。
最後に実際の映像が出て来ますが、
フレディの恋人のマッチョの男性や、
両親がまたそっくりでビックリします。

ドラマはライブ・エイドをクライマックスにするために、
フレディがエイズになるのも、
父親と和解するのも、
生涯の恋人と再会して、
女性の恋人とは親友となるのも、
こじれたメンバーと和解するのも、
全てライブ・エイドの直前、
という設定になっています。
そんなことは明らかになさそうなのは、
それほどのクイーンズ好きではない僕でも、
おおよそ分かりますが、
その大雑把な再現ドラマ的クオリティが、
この映画には合っていて、
ラストのライブが涙なしでは観られなくなりますし、
歌自体もドラマと全て重ね合わせてしまうのです。

この強引さが、
この映画に関しては成功しています。

題名は「ボヘミアン・ラプソディ」ですが、
その創作の場面は意外にあっさりとしか描かれていません。
あれは当時としては画期的な楽曲だったのですが、
今聴いて面白いような曲ではないですよね。
ライブで再現も出来ないし、
知らない人が映画を観ても、
どんな曲なのか分からないと思います。
それを含めてもう少し音楽的なメンバーの葛藤とか、
そうした部分があっても良かったかな、
というようには思います。
後、ライブではギターとドラムのソロと、
でっかい原色の照明ボードが、
ステージの上で動くのが有名でワクワクするのですが、
それが映画ではほぼ出て来ませんでした。

ただ、それもこれもラストのライブの場面を、
圧倒的なクライマックスにするための、
引き算的な演出なのだと思うので、
繰り返しになりますが、
この映画としてはこれで良かったのだと思います。

何度も観たくなる映画ですよね。

僕ももう一度くらい体感したいです。

別にドラマ部分は小さな画面でも良いのですが、
ラストだけは大画面の大音響がマストですね。

皆さんも是非。
すっきりしますよ。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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「来る」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前午後とも石原が外来を担当する予定です。

今日は土曜日なので趣味の話題です。

今日はこちら。
来る.jpg
2015年に日本ホラー小説大賞を受賞した、
澤村伊智さんの処女小説を、
映像の鬼才中島哲也監督が演出に当り、
岡田准一さんや妻夫木聡さんら、
主演級のキャストがずらりと顔を揃えた映画版となって、
今公開されています。

もう上映館も少なく、
朝のバルト9の客席は僕を入れて3人でしたから、
それほどヒットはしていないようです。

原作は異界からの怪物と、
普通の市井の人達や霊能者が対決するという話で、
感じとしては「リング」のタイプに近いと思います。

ただ、外見を取り繕って中身が空虚な家族などの人間関係が、
なかなか面白い部分があり、
中島監督はむしろそうした部分に興味があったようで、
原作の人間ドラマをより膨らませて、
「告白」でも試みた多視点の原作を映像で再構成する手法で、
厚みのある家族劇に仕立てています。

ホラーなのですが、
ショッカー演出をそれほど重視していないので、
さほど怖くはありません。
クライマックスは大除霊大会みたいになって、
これは原作はただ、霊能者が1人でマンションでお祓いをするだけなので、
映画の創作なのですが、
発想は堤幸彦作品に似たテイストになり、
またガンガン音と映像でたたみかける感じは、
韓国ホラーを意識しているような演出です。

何と言っても見応えのあるのは豪華なキャスト陣で、
単なる顔見せではなく、
皆なかなかテレビなどでは見せない、
良い芝居をしています。

妻夫木聡さんは、
中身のない軽薄男というちょっと気の毒な役回りですが、
開き直っての熱演で、
この役にまず妻夫木さん以外は考えられない、
という気がします。
妻役の黒木華さんが振幅の大きな芝居で面白く、
今村昌平の映画みたいな役柄が素晴らしく嫌らしく素敵です。

小松菜奈さんの霊能力のあるキャバ嬢というのも、
彼女ならではの魅力全開ですし、
岡田准一さんの渋さも勿論良いのです。
そして、ラスボスのように登場する松たか子さんが最高で、
抜群に格好良くて惚れ惚れします。

脇にはまた柴田理恵さんや青木崇高さんなどの曲者が揃って、
見逃せない芝居をしています。

そんな訳でなかなか面白い映画ではあるのですが、
正直ホラーとしては怖くもなく衝撃的でもない、
ちょっとモヤモヤする感じになっています。
ホラーとしての決定的な場面がないですよね。
原作は顔に口だけあるような怪物が、
もう少し具体的に出て来るのですが、
映画版は「来る」とは言いながらも、
子供が白目で喋ったりする程度のことしか起こらないので、
「今更これじゃなあ」とガッカリしてしまいます。
「リング」だってあれだけ思わせぶりで押していって、
最後になって原作にもないあんな印象的なお化けが、
堂々と出て来るでしょ。
ああいうのが矢張り大事ですよね。
謎の噛み傷と言っているのに、
その噛みついた怪物が登場しないのですから、
それじゃ駄目だよね。

ただ、多分中島監督としては、
普通にホラーにはしたくなかったのかな、
というようには思うのです。
でも、人間ドラマだけで押すのであれば、
別にクライマックスをあんな風に韓国ホラーにしなくてもいいですよね。
もっと静かに不気味に終わっても良かったのじゃないかしら。
何にせよバランスが悪く、
欲求不満で終わったな、
という感じは否めません。

そんな訳でホラー好きの方には、
一見の価値はあるのですが、
頑張って観に行くほどのテンションにはならかなったのは、
少し残念ではありました。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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「銀魂2 掟は破るためにこそある」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で、
午前午後とも石原が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
銀魂2.jpg
昨年好評だった「銀魂」の続編が、
前回のキャストがほぼ全て登場する形で、
にぎにぎしく公開されています。

少し遅ればせに映画館に足を運びました。
金曜日の朝だったので観客は3人でした。

江戸時代に異国ではなくエイリアンが日本を侵略し、
共存するようになったというパラレルワールドが舞台で、
史実とは少し違う歴史上の人物もどきが、
微妙に史実もなぞりながら、
奇想天外な物語を紡ぎます。

このコミック原作の、
ドラマとギャグが絶妙にブレンドされた世界が、
福田雄一さんの世界とかなり相性が良くて、
とても楽しく乗り乗りで観ることが出来ます。

今回は岡田将生さんや長澤まさみさん、
堂本剛さんの出番は少なく、特別出演的な感じで、
メインは史実にもある新撰組の内紛劇(伊東甲子太郎)に、
将軍暗殺の陰謀が絡みます。

裏主役は三浦春馬さんの伊東鴨太郎で、
このパートはほぼギャグなしのドラマですが、
そこがなかなか良く仕上がっているので、
ドタバタやパロディやギャグとのバランスが良いのです。
沖田総悟の吉沢亮さんの磨きの掛かった格好良さなども抜群です。

前作でもそうでしたが、
アクションや殺陣のリズミカルな編集がなかなかで、
CGパートもハリウッド製には及びませんが、
日本映画としてはかなり頑張っていて、
インド映画の「バーフバリ」辺りとは遜色がありません。
その辺りの適度なスケール感と、
極めてチープなギャグとのバランスがまた良いのです。

そんな訳で福田雄一さんの世界に一旦馴染むと、
この世界は非常に心地よく、
頭を空っぽにして楽しむことが出来ます。
まだまだ続編がありそうですから、
今後もとても楽しみです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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