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睡眠不足が社会的に悪いイメージを与えるのは何故か? [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療や産業医活動には廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
寝不足と外見.jpg
2017年のRoyal Society Open Science誌に掲載された、
短期の不眠が、他人に与える自分の印象に、
大きな影響を及ぼすという現象を分析した論文です。

寝不足は疲労や集中力不足の原因となり、
外見的にも顔色は悪くなり、むくんで、
周囲に与える印象も悪いものとなります。

多くの人が睡眠不足の人とは、
距離を置きたいと思う心理が働くということは、
これまでの研究によっても明らかになっています。

ただ、その原因は必ずしも明確ではありません。

睡眠不足から生じる不健康な外見や態度は、
その人が病気を持っている、
という可能性を相手に与えます。

そのために、
「病気の人に近づくのは危険だ」という、
半ば無意識の危険回避の本能が、
働いてしまうのではないか、
という仮説があります。

また、睡眠不足の人は、
魅力が乏しく、疲れていて、信頼性に欠けるという印象があり、
それが恋愛にしろ仕事にしろ遊びにしろ、
その人と関係を持つことを避けるという行動と、
結び付いているのではないか、
という仮説もあります。

ただ、どういう要素がどの程度関連しているのか、
というような詳細については、
これまであまり明らかではありませんでした。

今回の研究では、
18から47歳の25名の被験者を、
8時間の睡眠を2日続けた状態と、
4時間の寝不足状態を2日続けた状態とで、
顔写真を撮影し、
それを先入観なく別の18から65歳の122名に見せて、
その人物と付き合いたいかどうかを、
一定の尺度で比較検証しています。

この研究は1日4時間2日という、
実際にも可能性の高い寝不足の条件を設定している点と、
顔写真のみの判定なので、
曖昧な印象や雰囲気などの情報が、
混入しにくいのが特徴です。

その結果、
睡眠不足の顔写真は、
見た人にこの人とは付き合いたくないと思わせていて、
個別の指標としては、
睡眠不足の顔は魅力がなく、不健康で眠そうと感じさせました。
ただ、その人が信頼出来るかという信頼度の指標には、
通常睡眠の写真と差はあまりませんでした。

これまでの研究では、
睡眠不足はその人の健康度と魅力の点で、
ネガティブな印象を相手に与え、
それがその人と付き合いたくない理由になっている、
と想定されていました。

ただ、今回の検証では、
健康度、魅力、そして眠そうな様子を併せても、
その人と付き合いたくない要因の、
3分の1程度しか説明は困難で、
そうした通常想定されるような要因以外にも、
睡眠不足がその人の顔に与える印象の中には、
「この人と接触することは良くない」と判断させる要素が、
潜んでいるようです。

不眠症のような病気の場合は別として、
習慣的な睡眠不足や、
仕事などの負担で強いられるような睡眠不足は、
本人が思っている以上に人間関係にネガティブな影響を与えるものなので、
円滑な人間関係の維持のためには、
充分な睡眠を取ることも、
1つのエチケットと考えておいた方が良いようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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