So-net無料ブログ作成

日本人における脂肪肝とインスリン抵抗性との関連 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は別件の仕事で都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
脂肪肝とインスリン抵抗性.jpg
2019年のJournal of the Endocrine Society誌に掲載された、
脂肪肝とインスリン抵抗性との関連についての論文です。
順天堂医院の研究グループによる研究です。

欧米の2型糖尿病は肥満による内臓脂肪の蓄積が、
その主な原因とされていて、
殆どの患者さんは高度の肥満ですが、
日本を含むアジアにおいては、
やせ形でインスリン抵抗性を主体とする2型糖尿病が、
欧米より大きな比率を占めている、
という特徴があります。

ただ、その原因は未だ不明です。

そこで1つの仮説としては、
アジア人では食事から得た過剰なエネルギーを、
皮下脂肪に溜める力が弱く、
そのため肥満に至る前にあふれ出した脂肪が、
内臓脂肪や肝臓、筋肉への脂肪の蓄積に結び付いて、
それがインスリン抵抗性に繋がっているのでは、
という考え方があります。

しかし、肝臓への過剰な脂肪の蓄積である脂肪肝と、
胃や腸の周りに蓄積する内臓脂肪の、
どちらがより強くインスリン抵抗性と関連しているのかについては、
あまり明確なことが分かっていません。

そこで今回の研究では、
肥満がなく(BMIが25未満)、糖尿病のない、
日本男性87名に、
人工膵臓を用いたインスリン抵抗性の厳密な検査を行い、
同時にMRIとMRスペクトロスコピーという手法を用いて、
内臓脂肪の蓄積と脂肪肝の有無を診断。
両者の関連を検証しています。

その結果、
内臓脂肪の蓄積はなくても、
脂肪肝があるとインスリン抵抗性が認められたのに対して、
内臓脂肪の蓄積はあっても、
脂肪肝のない場合には、
インスリン感受性は良好であることが確認されました。

つまり、日本人の肥満のない男性に限った場合の話ですが、
内臓脂肪の蓄積とその目安の1つである腹囲の増大より、
脂肪肝の方がより強くインスリン抵抗性と関連していた、
という結果です。

現状は世界的に見ても、
腹囲を基準としてメタボを判定することが主流ですが、
特定の人種や集団においては、
むしろ脂肪肝の方がより病気のリスクの、
指標であるのかも知れません。

今後の更なる検証を期待したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
nice!(6)  コメント(0)