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赤身肉の摂取と生命予後との関係について [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
赤身肉の摂取と死亡リスク.jpg
2019年のBritish Medical Journal誌に掲載された、
赤身肉の摂取が生命予後に与える影響についての論文です。

肉を多く食べることが健康にとってどのような影響を与えるのか、
というのは多くの議論のある問題です。

肉を多めに摂ることが健康に良い、
という趣旨のデータもある一方、
特に赤身肉やソーセージなどの加工肉の摂取が多いと、
心血管疾患のリスクや総死亡のリスクが増加する、
という複数の報告が存在しています。

赤身肉全体というのはともかく、
サラミやソーセージのような加工肉が、
どうやら健康に悪そうだ、
というのはほぼ一致している見解です。

ただ、これまでのデータは、
概ね1回だけの聞き取りで、
肉の摂取量を推測し、
それと病気のリスクや生命予後との関連を、
調べただけのものなので、
本当に肉の摂取量の差が、
病気や生命予後の悪化と、
結びついているとは断定出来ません。

そこで今回の研究では、
アメリカでの医療従事者を対象とした、
大規模な疫学データを活用して、
経年的な赤身肉や加工肉の摂取量の変化が、
生命予後に与える影響を検証しています。
複数回の食事調査を活用して、
それが減った場合や変わらない場合を、
区別して解析している、という点が、
これまでにないポイントです。

対象は登録の辞典で心血管疾患や癌のない、
トータルで535553名の女性と27916名の男性を、
長期間観察したとても大規模なものです。

赤身肉の摂取量は、
牛肉、豚肉、羊肉の85グラムを1サービング(1人前)として計算し、
加工肉はベーコンが13グラム(2枚)、
ホットドッグが45グラム(1本)、
サラミやソーセージは28グラム(1本)が、
1サービングとして計算されます。

その結果、
8年以上の赤身肉の摂取量が、
1日0.5サービング増えることにより、
総死亡のリスクは10%(95%CI: 1.04から1.17)
有意に増加していました。

これを加工肉とそうでないものに分けると、
加工肉の摂取量が1日0.5サービング増えることにより、
総死亡のリスクは13%(95%CI: 1.04から1.23)、
加工肉以外の摂取量が0.5サービング増えると、
総死亡のリスクが9%(95%CI: 1.02から1.17)、
それぞれ有意に増加していました。

この総死亡リスクの増加は、
経過の中で赤身肉の摂取量が1日0.5サービング低下しても、
有意な変動には結びついていませんでした。
ただ、赤身肉を、
皮以外の鳥肉や乳製品、卵、ナッツ、魚、豆類などに置き換えることにより、
その後の死亡リスクの、
4年および12年という観察期間における低下が認められました。

このように、
赤身肉を主な蛋白源として摂ることは、
生命予後に悪影響を与える可能性があり、
蛋白源は肉に偏ることなく、
バランス良く摂取することが大切であると考えられます。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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