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睡眠中の照明と肥満との関係について [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日で診療は午前中で終わり、
午後は産業医の面談などで都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
睡眠中の人工照明の肥満リスク.jpg
2019年のJAMA Internal Medicine誌に掲載された、
寝ている時の人工照明と、
肥満リスクとの関連についての論文です。

睡眠時間が短いと太りやすいというのは、
これまでの複数の疫学データにおいて、
ほぼ実証されている事実です。

睡眠が不安定であるということは、
夜間に抑制されていないといけない食欲が、
抑えられないということでもありますし、
日内リズムの乱れ自体が、
エネルギー消費や脂肪代謝に関わる、
多くのホルモンや生体物質に影響を与えます。

それでは、
テレビを点けたままで寝ていたり、
部屋の照明を点けたままで、
眠っていることと、
暗い部屋で眠ることとは、
身体に与える影響に何か差があるのでしょうか?

動物実験においては、
明るい中で睡眠を取ることは、
体内時計を狂わせ、睡眠時間を短縮させて、
肥満などの代謝異常の要因となると考えられています。

しかし、人間においても同様のことが成り立つかどうかは、
まだ明らかではありません。

そこで今回の研究では、
アメリカとプエルトリコにおいて、
登録時に35歳から74歳の43722名を、
平均で5.7年観察し、
登録時及び経過中に発症した肥満や内臓脂肪の過剰と、
睡眠時の人工照明やテレビの有無との関連を検証しています。

その結果、
暗い中や室内灯での睡眠と比較して、
照明を点けたままやテレビを点けたままで睡眠を取ると、
肥満のリスクは有意に増加していて、
観察期間中の肥満発症リスクは、
19%(95%CI: 1.06から1.34)有意に増加していました。

この人工照明時の肥満リスクの増加は、
睡眠時間や睡眠の質などの因子を補正しても残っていて、
単純に部屋が明るいと睡眠時間が短くなる、
ということではなく、
もっと本質的な要因があることが示唆されました。

今回初めて大規模な臨床データにより、
睡眠中の人工照明と肥満との関係が示された意義は大きく、
今後そのメカニズムを含めて、
より詳細な検証に期待をしたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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