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「マローボーン家の掟」(ネタばれ注意) [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
マローボーン家の掟.jpg2017年製作のスペイン・アメリカ合作映画で、
新しい感覚をまぶした、
内容的には極めて古典的なホラー風味のスリラーです。
ネタばれ厳禁の性質の作品で、
勿論具体的なネタばれはしませんが、
予備知識なく鑑賞したい方は、
鑑賞後にお読み下さい。


1960年代のアメリカが舞台になっていて、
ある事情で母国のイギリスを逃れ、
アメリカの片田舎の一軒家に移住した母子5人の一家が、
母の死後4人だけでひっそりと生活しているのですが、
実はその4人には大きな秘密があり、
それが明らかになった時、
悲劇が起こるのです。

物語の見え方が、
ラストに大きく反転するという、
「意外な結末」が見所のスリラーで、
僕はこうした仕掛けのある話が大好きなので、
とても楽しく鑑賞しました。
こうしたジャンルの映画としては、
技巧的なレベルは高く、
映像も凝っていて見応えがあります。
かなり地味な話なので、
退屈に感じる人もいると思います。
また、こうした作品を過去に何度か観ている人の中には、
ラストが読めてしまった、
という人もいると思います。

ただ、僕が敢えて言いたいことは、
こうした「意外な結末」というのは、
あるレベル以上で実現するのは、
非常に難しいということで、
誰にも想像出来ない結末であれば、
唐突と言われてしまいますし、
伏線を張って分かりやすくすると、
今度は分かってしまって詰まらない、
と言われてしまうのです。

したがって、
一般の観客の半数がビックリして、
半数はおぼろげながら察しがつく、
というくらいが、
こうした作品の結末としては、
最もバランスが良く、
今回の映画は充分そのハードルは、
クリアしていたと思います。


ちょっとマニアックな話をすると、
この映画のような設定では、
意外な真相としては、
AとBという2つのパターンが想定されるのです。
僕はどちらかと言えばAパターンの結末になるのではないかしら、
と思って観ていたのですが、
実際には結末はBパターンになっていました。
このBパターンでは、
モンスターの正体がかなり強引なのが弱いのですが、
結末がハッピーエンドになる、という利点があります。
Aパターンでは結末がハッピーエンドにはなり得ないのです。
この映画の作り手はおそらく、
A、Bの両パターン及びその多種の複合型を検証した上で、
ラストの後味の良さを優先して、
シンプルなBパターンの単独の結末を、
選択したのではないかと推察しました。

ただ、ハッピーエンドにした分、
衝撃力は薄まった感じもありますから、
その辺はかなり微妙なもので、
個人の好みによって印象は異なる、
という気がします。

台本は大変良く練られていて、
設定が1960年代であった意味が、
ラストに分かるのも気が利いていますし、
大胆な設定を成立させるために、
家族の掟や屋敷の位置関係、人物関係などを、
細かく吟味しているのが素晴らしいと思います。
こうした映画に付き物の、
アンフェアぎりぎりの部分も、
とても上手く処理されていたと思います。
フレッシュなキャストも良かったですね。

そんな訳で、
こうしたクオリティの高い、
仕掛けのあるスリラーを、
映画館で観られたことはとても幸せで、
とても楽しい気分で劇場を後にすることが出来たのです。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い連休をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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