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プロトンポンプ阻害剤と認知症との関連について [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
PPIと認知症リスク.jpg
2019年のClinical Pharmacology and Therapeutics誌に掲載された、
プロトンポンプ阻害剤の使用と認知症の発症リスクとの関連についての論文です。

プロトンポンプ阻害剤は、
ネキシウムやタケキャブ、ランソプラゾールやパリエット、
などがそれに当り、
強力に胃酸の分泌を抑制することにより、
胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎の治療として、
また抗血小板剤など、
消化管出血のリスクの高い患者さんの予防的使用としても、
広く使われている薬です。

この薬は最も有用性の高い胃薬ですが、
その一方で特に高齢者の長期の使用により、
消化管の感染症や骨粗鬆症、
急性の腎障害など、多くの有害事象が報告されています。

また、現時点で明確な結論が付いていない有害事象として、
認知症リスクの増加があります。

長期のプロトンポンプ阻害剤の使用者で、
認知症の発症リスクが高いというデータは幾つかありますが、
それほど精度の高いものではなく、
また関連がないという報告も同様に認められています。

今回の検証は台湾において、
1万人を超える高齢者のプロトンポンプ阻害剤の使用と、
認知症の発症との関連を検証しています。

その結果プロトンポンプ阻害剤の短期使用と比較して、
その長期使用による認知症リスクの有意な増加は認められませんでした。

今回のデータはこの問題については大規模なもので、
現状認知症とプロトンポンプ阻害剤との関連については、
まだ確実なものはないと、
そう考えておいた方が良いようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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