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ナッツの摂取と心血管疾患リスク [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は別件の仕事で都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
ナッツの摂取と心血管疾患リスク.jpg
2019年のCirculation Research誌に掲載された、
ナッツの摂取と心血管疾患リスクについて、
2型糖尿病の患者さんおいて検証した論文です。

アーモンドやカシューナッツなどのナッツ類は、
植物由来の不飽和脂肪酸や蛋白質、繊維やミネラル、
ポリフェノールなどの多くの栄養素を含み、
その摂取量が多いことで、
心血管疾患や高血圧などのリスク低下に繋がり、
生命予後にも良い影響を与えることが、
多くの疫学データにより示されています。

ただ、その多くは一般住民においてのもので、
糖尿病の患者さんでも同じことが成り立つかどうかについては、
あまり明確なデータが存在していません。

糖尿病の栄養指導においては、
高脂質、高カロリーの食品であるナッツは、
逆効果であるという可能性もあるからです。

今回の研究ではアメリカで看護師を対象として行われた、
大規模な疫学データを活用して、
2型糖尿病の患者さんにおける、
ナッツの摂取量と心血管疾患リスク、
及び生命予後との関連を比較検証しています。

その結果、
月に28グラム未満しかナッツを摂取していない場合と比較して、
週に140グラム(週5日28グラム摂取に相当)以上摂取していると、
心血管疾患のリスクが17%(95%CI: 0.71から0.98)、
虚血性心疾患のリスクが20%(95%CI: 0.67から0.96)、
心血管疾患による死亡のリスクが34%(95%CI: 0.52 から0.84)、
総死亡のリスクが31%(95%CI: 0.61から0.77)、
それぞれ有意に低下していました。
ただ、脳卒中のリスクや癌による死亡のリスクについては、
有意な関連はありませんでした。

ナッツをピーナツとそれ以外の木の実とで比較すると、
クルミやアーモンド、マカデミアナッツやピスタチオなどの木の実では、
その摂取量が多いほど、
心血管疾患リスク、虚血性心疾患リスク、
心血管疾患による死亡リスク、癌による死亡リスク、
総死亡のリスクの全てを有意に低下させていましたが、
ピーナツ単独は総死亡のリスクのみを有意に低下させていました。

このように糖尿病の患者さんにおいても、
毎日28グラム(アーモンドで20から25個程度)くらいのナッツの摂取は、
その生命予後と心血管疾患リスクを、
低下させる可能性が高く、
その効果はピーナツ以外でより明確であるようです。

ただ、ナッツはかなり高脂肪で高カロリーの食品でもあり、
その上限量も明確ではありません。
糖尿病の患者さんにどのようなバランスで、
ナッツを摂取してもらうことが一番適切であるのか、
今後より具体的でバランスの取れた、
食事指導の指針が作成されることを期待したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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