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アロプリノールの腎機能との関連について [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
アロプリノールと腎機能低下.jpg
2018年のJAMA Internal Medicine誌に掲載された、
尿酸降下剤のアロプリノールの、
腎機能への影響を検証した論文です。

高尿酸血症があって痛風発作を起こすと、
症状が治まってから尿酸降下剤が開始されます。
複数の尿酸降下剤の中で、
世界的に最も使用されているのは、
アロプリノール(商品名ザイロリックなど)です。

アロプリノールは尿酸合成酵素の阻害剤ですが、
稀ではあるものの重症薬疹の原因となると共に、
腎機能低下時にはその血中濃度の増加により、
腎不全などの有害事象のリスク増加に繋がると考えられています。

そのために医者は腎機能低下時には、
アロプリノールは少量からゆっくり増量するのが通常で、
またこの薬剤を使用中に腎機能が低下した時には、
アロプリノールの副作用であることを想定して、
薬は中止や変更される場合が多いと思います。

ただ、実際にはアロプリノールに腎毒性がある、
という根拠はあまり明確なものはなく、
少量から開始したからと言って、
それが防げるという根拠もありません。

今回の研究はその臨床的な問題を明らかにしようとしたもので、
イギリスのプライマリケアのデータベースを活用して、
高尿酸血症で1日300mg以上のアロプリノールを、
新規に開始したその時点で腎機能低下のない4760名の患者さんを、
年齢などの条件をマッチさせた同数のコントロールと比較して、
平均で4から5年の観察期間において、
腎機能低下の進行の程度を比較検証しています。

その結果、
1日300mg以上のアルプリノールの継続使用は、
その後のステージ3以上の慢性腎臓病の発症リスクを、
13%(95%Ci: 0.77から0.97)有意に低下させていました。
このアロプリノールの腎保護作用は、
1日の使用量が300mg未満では有意には認められませんでした。

今回のデータからは、
充分量のアロプリノールを使用することで、
むしろ腎機能低下は抑制される可能性がある、
という可能性が示唆されます。

これはあくまで腎機能が正常な状態で始めた場合で、
腎機能低下時のアルプリノールの使用に、
腎機能低下を抑制するような作用があるとは言えませんが、
腎機能低下のリスクを考えてアロプリノールを減量する、
というような処方は、
実際には有効に機能していない可能性があるという指摘は重要で、
今後より詳細な検証を期待したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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