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低糖質は長期的にはどのレベルが最適なのか?(2018年のアメリカ疫学データ) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
低糖質ダイエットの予後論文.jpg
2018年のLancet Public Health誌に掲載された、
食事の糖質の比率と生命予後との関連についての論文です。

少なくとも短期的には、
低糖質のダイエットが、
体重の減少や血糖値の低下などにおいて、
良い影響を与えることは間違いがありません。

ただ、その長期的な影響については、
問題なく持続可能という意見がある一方で、
長期継続することはリスクがある、
という報告も複数見られます。

問題は糖質制限に伴い、
増加する蛋白質のカロリーと、
増加する動物性脂質と植物性脂質のカロリーとの、
バランスをどう考えるかという点にあります。

今回の研究はアメリカの大規模な疫学データを活用して、
どのくらいのレベルの糖質制限が、
最も生命予後に良い影響を与えるのかを、
検証したものです。

対象となっているのは、
アメリカの4つの地域の45から64歳の住民15428名で、
食事調査を行って、
中央値で25年の観察期間における、
総死亡のリスクと糖質のカロリーとの関連を検証しています。

その結果、
総カロリーにおける糖質の比率が、
50から55%が最も総死亡のリスクが低く、
糖質のカロリーが40%未満であるか、
70%を超えていると、
有意に総死亡のリスクが増加することが確認されました。

そして、これまでの同種のデータをまとめて解析したメタ解析においても、
同様の傾向が確認されました。

それを図示したものがこちらです。
低糖質ダイエットの予後の図.jpg
縦軸が総死亡のリスクで、
横軸は総カロリーに占める糖質の比率です。

オレンジ色のものは今回の研究のデータで、
青い色のものは昨日ご紹介したPURE研究のものですが、
ほぼ同質の結果が得られていることが分かります。

糖質以外からのカロリー摂取のバランスで検討すると、
糖質を動物性脂肪や蛋白質に置き換えると死亡リスクは増加し、
植物性脂肪で置き換えると死亡リスクが低下することが確認されました。

このように現状長期の死亡リスクという観点で見ると、
総カロリーの50から55%くらいを糖質で摂取することが、
最も生命予後に良い影響を与える可能性が高く、
糖質を制限する場合には、
それを植物性脂肪で置き換えることが、
一番バランス的に望ましい、
という結果になっています。

これはまだ確定的なものではありませんが、
長期の持続的なダイエットにおいては、
糖質の比率は40%を切らないレベルに維持することが、
現状は妥当であると考えて良いようです。

勿論これは年単位を超える長期の場合の話で、
短期的なより高度の糖質制限を、
否定するものではありません。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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