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新薬師寺夜間拝観 [仏像]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日はもう1本奈良の話です。

新薬師寺は仏像好きには欠かせない名寺で、
本尊の薬師如来は貞観彫刻の傑作で凄みのある仏様ですし、
周辺で睨みを利かす天平時代の十二神将も、
東大寺戒壇院の四天王像や元法華堂の日光月光菩薩と並ぶ、
天平塑像の代表作です。

ただ、数年前までお堂の照明が、
全て蛍光灯という無粋なもので、
火災のリスクもあって昔のように蝋燭も殆ど点けませんから、
とても扁平な印象でガッカリでした。
それが1、2年前に遅ればせにLED照明となり、
面目が一新されました。

今年から更に夏の燈花会に合わせて、
夜間拝観が始まりました。

こちらをご覧下さい。
2018年新薬師寺遠景.jpg
本堂前に190個の燈火が並べられ、
本堂正面の3枚の扉が開かれて、
外からご本尊を直接拝むことが可能となっています。

これまであまり新薬師寺ではなかった、
とても幽玄で素敵な光景です。

もう少し近づいてみます。
2018新薬師寺近景.jpg
これはお寺の方に、
外からの撮影であればOKと、
確認して撮ったものです。

こうして見ると、
仏像というのは当たり前のことですが、
外からこうして拝むのが最も素晴らしい、
ということが分かります。

今回の夜間拝観では、
外からだけではなく、
いつものように堂内での拝観も、
同時に出来るようになっていました。

これは今回の奈良行きの中で、
最も感銘の深いひとときでした。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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夕日観音再訪(2018年夏定点観測) [仏像]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日までクリニックは夏期の休診となります。
明日からはいつも通りの診療になります。

今日は僕が最も好きな石仏の話題です。
今年もお逢いして来ました。

こちらです。
2018夏夕日観音1.jpg
奈良の北方柳生街道の滝坂道にいらっしゃる、
鎌倉期と思われる古い磨崖仏、
一般に夕日観音と呼ばれている仏様のお姿です。

この仏様には30年ほど前に初めてお逢いして、
間近に拝ませて頂いて非常な感銘を受けました。

それ以前に小学校の頃から、
カラーブックスの「柳生の里」を愛読していて、
いつかは柳生街道を歩いてみたいと思っていました。

それが初めて適ったのが大学生の時に春休みで、
それから大分時が経ってから、
2011年の夏に震災後で妻も入院して、
というようなタイミングで再訪することになりました。
それからは定期的に奈良に行くたびに再訪していたのですが、
2012年にはうっかり山道を駆け下りていて転倒し、
左肘の骨折と手首の靱帯損傷で、
生まれて初めて手術をすることになってしまいました。

それから数年はさすがに行かなかったのですが、
この数年は再び訪問を続けています。

もう1枚画像をアップで見て頂きます。
2018年夕日観音2.jpg
素晴らしいフォルムですよね。
この威厳と風格が、
室町以降の大量生産の石仏にはない、
古仏の味わいなのです。

ただ古い写真と比べると、
ここ数十年の間に、
岩自体に出来た亀裂や雨水の浸食による変色が増え、
風化自体も確実に進んでいることが分かります。

それ以上に深刻なのは、
ここ数年の豪雨による周辺の岩盤の崩落で、
この仏様が刻まれた岩のすぐ下でも、
新しい崩落が確認出来ました。

石仏特に岩に刻まれた磨崖仏というのは、
いつかはなく消えてなくなることが必定の、
はかなくも美しい藝術ですから、
これはもう仕方がないこととも言えるのですが、
最近の異常気象とそれに伴う多くの破壊や、
生活や文化、藝術の消滅については、
改めて暗澹たる思いに囚われざるを得ないのです。

最後にもう1つこの夕日観音と同じ岩の別の面にある、
もう1つの素晴らしい仏様を見て頂きます。
こちらです。
2014年地蔵菩薩石仏.jpg
鎌倉時代後期から室町時代の、
非常に完成度の高い磨崖仏です。
ただ、これは2014年の写真です。

今はこちら。
2018年夏地蔵菩薩石仏.jpg
周辺の木々が生い茂ってしまい、
おそらく2011年以降で、
最も街道から見えづらい状態となっています。

このように日々変わり続ける柳生街道ですが、
可能な限りこれからも再訪を繰り返したいと思います。

今日はもう1本奈良の記事が続きます。
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