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「無限の住人」(2017年実写映画版) [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前午後とも石原が外来を担当する予定です。

今日は土曜日なので趣味の話題です。

今日はこちら。
無限の住人.jpg
人気コミックを実写映画化し、
木村拓哉さんの主演で話題のチャンバラ映画を観て来ました。

監督の三池崇史さんはともかく多作で、
完成度などには頓着しない、
娯楽大作であっても趣味的な映画を作る人です。
多くの皆さんと同じように、
僕も何度も「騙された!見なければ良かった!」、
と叫んだ覚えがあります。
ただ、たとえば「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」のように、
ちょっと他の監督であれば、
とてもこの規模で作ることは無理だろう、
というように思う怪作もあり、
あれはとても楽しめました。
日本なのにウエスタンで、
登場するのは魑魅魍魎ばかりで、
しかも全員英語でセリフをしゃべり、
大真面目に血みどろ荒唐無稽アクションに興じるのです。

今回の作品に関しては、
ビジュアルを見ても、
奇怪な風貌の剣客達がゾロゾロ出て来て、
不死身のキムタクと死闘を演じるというのですから、
これは「ジャンゴ」の再来で、
三池監督の一番良いところが出るのではないかしら、
と不安もありながら、
仄かな期待をもって劇場に足を運びました。

行ったのは品川プリンスシネマのシアター1でしたが、
観客は数えるほどで、
スクリーンは上下が切れてシネスコになるという、
僕の嫌いなタイプでした。

最初から元気は出ません。

映画としては「ジャンゴ」の路線に近いもので、
理屈はなくひたすら荒唐無稽なチャンバラの連続する世界で、
その意味では予想通りでした。

ただ、正直あまり血沸き肉躍る感じにはなっていません。

まず、主人公が不死身だというだけで強くはなく、
強い相手にはすぐに負けてしまうのですが、
それから復活してすぐ勝負がつくという感じで、
決闘の醍醐味がありません。
北村一輝さん演じる怪人は見かけは物凄いのに、
隙をついて殺してしまうだけで終わりますし、
滅茶苦茶強い戸田恵梨香さんに対しては、
最初からあまり戦意がなく、
「俺は死にたい」みたいな感じですし、
結局戸田さんの方が、
「戦うことに疑問を感じた」みたいなことを言って、
勝手に去っておしまいです。
海老蔵丈は同じ不死身という設定ですが、
もう死にたかったようで、
勝手にバラバラになっておしまいです。

なんじゃこりゃ!

とても元気が出ません。

トータルには角川映画の「魔界転生」みたいなタッチの映画で、
あれも実際に観るとかなりガッカリだったのですが、
もう少し対決の躍動感はありましたし、
徹底した「悪」がもっと登場して盛り上げてはくれました。
主人公は千葉真一さんの柳生十兵衛ですから、
こちらは強いのは当たり前ということで、
安心して観ていることが出来るのです。

それが今回のキムタクは、
不死身の身体を呪っていて、
死にたいというくらいに思っていて、
その上簡単に何度もやられてしまうので、
とても感情移入の仕様がないのです。
敵に対してもただ破れかぶれで立ち向かうだけで、
作戦というものは何もありません。
敵側も最初の方で「不死身」という設定が分かるのに、
それに対して効果的な対策をとるような姿勢がありません。
この頭脳戦の要素が全くないというところが、
この作品が盛り上がらない大きな理由です。

キャストは概ね頑張っていましたし
(特に徹底した悪党を演じた市原隼人さんが良かったです)、
過去の時代劇へのオマージュと言う感じの画面構成も、
悪くないと思いました。
次々と見せ場が繰り出されるので、
そう退屈はせず2時間20分を過ごすことが出来ます。
ハラキリ、ゲイシャ、コスプレと、
海外へ売るために日本の売り込みエッセンスを取り入れるのも、
さすが職人芸という感じはあります。
ただ、PG12が限界のレートだったと思うので、
三池監督としてはもっとバイオレンス描写は過激にしたかったと思うのですが、
比較的穏当なものにとどまっています。
三池監督のいつものスタイルで、
エロスの要素は極めて希薄です。

そんな訳でとても三池監督趣味の作品ではありながら、
そこここに中途半端な感じがあり、
それほど弾むような娯楽作にはならなかったことは、
とても残念に思いました。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

非アルコール性脂肪肝炎に対するピオグリタゾンの効果(2017年メタ解析) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
アクトスの肝硬変改善効果.jpg
今年のJAMA Internal Medicine誌に掲載された、
進行した非アルコール性脂肪肝炎での、
ピオグリタゾンという糖尿病治療薬の効果についての論文です。

非アルコール性脂肪肝炎というのは、
アルコール性の肝障害と非常に似通った病態が、
お酒を飲まない人にも生じるというもので、
従来の脂肪肝という概念とは異なり、
進行性で肝硬変に移行することも稀ではないのが特徴です。

その病態は内臓肥満やメタボと関連が深く、
高血圧や糖尿病、高脂血症などと高率に合併し、
インスリンの効きが悪くなってインスリンの濃度が高くなる、
インスリン抵抗性がその土台にあると考えられています。

非アルコール性脂肪肝炎というのは、
メタボの内臓に与える影響の1つの現れで、
単独でも肝硬変などの命に関わる病気に繋がる一方、
他の動脈硬化性疾患や糖尿病など、
メタボに関連する病気とも、
密接に結びついているのです。

さて、現時点で減量や運動療法などの生活改善以外に、
特効薬のような治療薬のない非アルコール性脂肪肝炎ですが、
ビタミンEなどと共に、
一定の有効性が確認されているのが、
ピオグリタゾン(商品名アクトスなど)です。

ピオグリタゾンはインスリン抵抗性の改善剤で、
主に糖尿病の治療薬として、
日本よりむしろ海外での評価が高い薬剤です。
ただ、その一方で浮腫や心不全のリスクがある、
というような報告もあり、
心疾患のあるような患者さんには適していません。

このピオグリタゾンの非アルコール性脂肪肝炎への使用については、
これまでに複数の精度の高い臨床試験のデータがあり、
そのいずれもが一定の脂肪肝炎の改善効果を認めています。

ただ、ある程度進行した肝硬変の状態になっても、
ピオグリタゾンに有効性があるかどうかという点については、
あまり明確なことが分かっていませんでした。

今回の研究はこれまでの介入試験と呼ばれる、
精度の高い臨床試験のデータをまとめて解析したメタ解析ですが、
肝生検における肝臓の線維化の改善があるかどうかを、
主な検証項目としています。

これまでに行われたピオグリタゾンを使用した8つの介入試験と、
同種の薬剤で今は使用をされていないロシグリタゾンを用いた3つの介入試験のデータを、
まとめて解析した結果として、
ピオグリタゾンとロシグリタゾンは、
肝生検でのNASHの線維化のステージが、
F3からF4という進行した線維化(明らかな肝硬変を含む)の状態から、
F0からF2というより軽度の状態へと、
改善を示した事例が有意に増加していました。
(指標はNASH Clinical Research Network Scaleによる)

また、治療によりNASHの所見が生検所見上なくなる治癒も、
ピオグリタゾンとロシグリタゾンで有意に増加していました。
治療期間は半年から24か月での判定です。

このように進行した肝臓の線維化が認められる状態であっても、
ピオグリタゾンには一定の有効性が認められ、
線維化自体が改善するという知見は、
非アルコール性脂肪肝炎の有効な治療がない現状では、
非常に意義のあるものだと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

下記書籍発売中です。
よろしくお願いします。

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PCSK9阻害剤による心血管疾患予防効果 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
PCSK9阻害剤の心血管疾患予防効果.jpg
今月のthe New England Journal of Medicine誌に掲載された、
昨年より日本でも使用されている、
新しいタイプのコレステロール降下剤の、
心血管疾患予防効果についての論文です。

コレステロール降下剤の代表は、
スタチンと呼ばれるコレステロール合成酵素の阻害剤ですが、
心筋梗塞などの病気を繰り返していて、
動脈硬化の病気の危険性が非常に高いような患者さんや、
家族性の高コレステロール血症で、
コレステロール値が非常に高いような患者さんでは、
スタチンを高用量で使用しても、
充分に病気の予防が可能なレベルまで、
コレステロールを低下させるのは難しいケースがしばしばあります。

こうした場合に併用で使用可能な薬が、
これまではあまりなかったのですが、
昨年から日本でも使用されるようになった、
PCSK9阻害剤というタイプの注射薬は、
LDL受容体を増やして、
細胞内へのコレステロールの取り込みを増やすという、
スタチンとの相乗効果が期待されるメカニズムを持つ、
強力なコレステロール降下剤として注目されています。

現状はスタチンへの上乗せとしての使用のみ、
日本では健康保険が適応されています。

さて、
コレステロールを下げることにより、
そうしたリスクの高い患者さんにおいて、
心筋梗塞などの心血管疾患の予防効果のあることは、
ほぼ確立された事実ですが、
これまでの多くの臨床試験はスタチンによる治療を、
その対象としているため、
スタチン以外の薬でコレステロールを下げた時に、
同じような予防効果があるかどうかは分かりません。

特にPCSK9阻害剤の場合、
充分量のスタチンに上乗せでの使用になるので、
それでスタチン単独と比較して、
心血管疾患の予防効果があるかどうかは、
まだ結論が得られていませんでした。

今回の臨床試験は、
世界42か国の1242の専門施設が参加した大規模なもので、
心筋梗塞や脳虚血性梗塞、閉塞性動脈硬化症などの心血管疾患の既往があり、
再発のリスクが高くでスタチンを使用している患者さん、
トータル27564名を、
本人にも主治医にも分からないようにくじ引きで2群に分け、
一方はスタチンに上乗せで、
PCSK9阻害剤であるエボロクマブ(商品名レパーサ)を、
2週間毎に140ミリグラム、もしくは月1回420ミリグラムで皮下注射し、
もう一方は偽薬を注射して、
平均で2.2年間の経過観察を行っています。

その結果、
治療期間48週間の時点で、
偽注射と比較してスタチンに上乗せしたPCSK9阻害剤により、
LDLコレステロール値は平均(最小二乗平均)で59%低下し、
中央値は使用前が92mg/dLで使用後は30㎎/dLまで低下していました。
要するに通常のガイドラインで推奨されるレベルより、
遥かに低値に下げています。

観察期間において、
心血管疾患による死亡と、心筋梗塞、脳卒中、
不安定狭心症による入院と心臓カテーテル治療を併せた発症は、
PCSK9阻害剤群では9.8%に当たる1344名で生じたのに対して、
偽注射群では11.3%に当たる1563名で生じていて、
PCSK9阻害剤によりそのリスクは15%(95%CI;0.79から0.92)、
有意に抑制されていました。

これを心血管疾患による死亡と心筋梗塞、脳卒中のみの発症でみると、
PCSK9阻害剤では5.9%に当たる816名で生じていたのに対して、
偽注射群では7.4%に当たる1013名で生じていて、
PCSK9阻害剤によりそのリスクは20%(95%Ci;0.73から0.88)、
これも有意に抑制されていました。

個別に見ると、
総死亡や心血管疾患による死亡のリスク、
脳梗塞のリスクには有意な差はなく、
冠動脈疾患のリスクのみが個別では有意に抑制されていました。
心筋梗塞のリスクは27%有意に抑制されていて、
コレステロール降下の主な効果は虚血性心疾患にある、
というように考えて大きな問題はないようです。

有害事象については、
接種部位の反応やアレルギーが多く、
筋肉痛などの筋肉関連の有害事象や、
糖尿病の新規発症などは比較的多く見られましたが、
単独での差はなく、
スタチンの影響は主であることが推測されました。

このように、
冠動脈疾患の予後を改善するという意味においては、
このような強力なコレステロール降下療法に一定の意義があり、
ただ、死亡リスクの改善や、
他の脳梗塞などの心血管疾患の予後の改善につながるかどうかは、
まだ明確ではないようです。

PCSK9阻害剤は症例を選んで使用すれば、
スタチンへの上乗せとして有効であり、
心臓疾患に限定すればその予後をより改善することが、
明らかになった意義は大きく、
今後この薬の使用を単独使用を含めてどう考えるかの、
基礎となるデータの1つであると思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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よろしくお願いします。

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消化管手術後のステロイド投与の嘔吐抑制効果 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日で診療は午前中で終わり、
午後は産業医の面談で都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
ステロイドの吐き気抑制効果.jpg
今年のBritish Medical Journal誌に掲載された、
腸の手術後の吐気嘔吐の予防に、
ステロイドを使用する方法の効果を検証した論文です。

お腹の手術の後に最も多い合併症として、
術後の吐気や嘔吐があります。

このメカニズムは完全には分かっていませんが、
麻酔の合併症として生じることがあり、
また腸の切除などの操作とも関連が指摘されています。

その予防としてステロイドの使用が以前から行われていて、
一定の予防効果が報告されていますが、
あまり厳密なデザインの試験は少なく、
対象となっている手術の種別も様々です。

そこで今回の研究では、
イギリスの複数の医療機関において、
18歳以上で開腹もしくは腹腔鏡手術を施行予定の、
1350名の患者さんを登録し、
本人にも術者にも分からないように、
クジ引きで2つの群に分けると、
一方は手術の麻酔の導入時に、
ステロイドであるデキサメサゾン8ミリグラムを静脈投与し、
もう一方は偽の注射を使用して、
術後の吐気嘔吐への効果を検証しています。

その結果…

術後24時間以内の嘔吐は、
デキサメサゾン群では25.5%に当たる172名に発症したのに対して、
偽注射群では33.0%に当たる223名に発症していて、
13名にステロイド注射をして1名の嘔吐が予防される、
という効果が確認されました。

術後24時間以内に制吐剤の使用が必要となるようなケースは、
デキサメサゾン群では39.3%に当たる265名で発生したのに対して、
偽注射群では51.9%に当たる351名で発生していて、
こちらは8名にステロイド注射をして、
1名の制吐剤の使用が抑制される、
という結果になりました。
こうした制吐剤の使用抑制効果は、
術後72時間においても有意に認められました。

このように、ステロイド剤を麻酔導入時に使用すると、
その後の吐気嘔吐が抑制されることは間違いがなく、
その効果をどのくらい評価するかはやや微妙ですが、
今後のガイドラインにも少なからず影響を与える知見では、
あるように思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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コレステロールが低いと認知症が増えるのか? [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
コレステロールが低いと認知症が増えるのか?.jpg
今年のBritish Medical Journal誌に掲載された、
コレステロールの血液濃度と認知症などの神経疾患との、
関連についての遺伝子解析を用いた論文です。

スタチンというコレステロール合成阻害剤を用いて、
血液のコレステロール(主にLDLコレステロール)を低下させることにより、
その発症リスクの高い対象者では、
心筋梗塞などの心血管疾患の予防になることは、
多くの精度の高い臨床データで確認された事実です。

最近ではスタチンと併用という条件付きですが、
LDL受容体を増やして細胞へのコレステロールの取り込みを増やす、
PCSK9阻害剤という注射剤が発売され、
スタチンへの上乗せでより強力にコレステロールを低下させることが、
可能な状況になりました。

それでは、コレステロールは下げれば下げるほど良いのでしょうか?

心臓の血管に関して言えば、
それはほぼほぼ事実と考えて良いのですが、
脳や神経においてはまだ議論があるところです。

コレステロールを薬で下げると、
アルツハイマー病やパーキンソン病などの脳の病気が、
増加するのではないか、
ということを示唆するデータが、
複数報告されていることは事実です。

特定のスタチンでのデータもありますし、
PCSK9阻害剤の臨床試験においては、
使用群で有意ではないものの、
神経関連の症状が多かったというデータがあります。

ただ、その一方でそうした現象はない、
という意見も根強くあります。

一体どちらが正しいのでしょうか?

今回の研究では、
スタチンのターゲットである、
HMGCR遺伝子の変異と、
PCSK9阻害剤のターゲットである、
PCSK9遺伝子の変異を解析することで、
その検証を行っています。
遺伝性変異のあるなしは無作為に決められているとして、
その比較を行う、
メンデル無作為化解析という手法です。

オランダの一般住民111194名の遺伝子を解析した結果として、
コレステロールが高度に低下する、
HMGCR遺伝子やPCSK9遺伝子の変異があることは、
アルツハイマー病や脳血管性認知症、パーキンソン病のリスクを、
上げることはなく、
アルツハイマー病についてはむしろその変異によりリスクは低下することが、
今回明らかになりました。

こうした遺伝子の解析による結果は、
理屈の上では無作為介入試験に近い精度のデータなのですが、
実際には臨床データと乖離するケースもしばしば認められます。

今回の結果もしたがって、
これで実証されたとは言い切れないものなのですが、
HMGCRやPCSK9を阻害することによるコレステロールの降下療法は、
理屈の上では脳に悪影響を与えない可能性が高い、
という知見は、
臨床においても一定の意義を持つものだと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

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テプロツムマブの甲状腺眼症に対する効果 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
テプロツムマブのバセドウ眼症への効果.jpg
今年のthe New England Journal of Medicine誌に掲載された、
バセドウ病などに伴う目の異常に対して、
分子標的薬を用いた治療効果を検証した論文です。

バセドウ病において眼球が突出し、
目蓋が完全に閉じなくなったり、
視力が低下したりすることがあり、
これをバセドウ眼症のように呼んでいました。

それが、バセドウ病以外でも、
橋本病など甲状腺に対する自己抗体が存在していると、
同じような症状の起こることがあることが、
次第に明らかになり、
最近では甲状腺眼症として総称することが一般的です。

ただ、その大多数がバセドウ病であることは、
間違いがありません。

甲状腺眼症の原因は必ずしも明らかではありませんが、
眼の周囲の組織、
つまり眼瞼や涙腺、目を動かす筋肉や、
眼球周囲の脂肪組織などが、
自己抗体による炎症を起こして腫れることにより、
症状が起こっていることはほぼ間違いがありません。

この病気が問題なのは、
バセドウ病自体のコントロールは良好であっても、
甲状腺眼症は出現し進行することがあるということと、
一旦進行した眼症を、
確実に改善するような治療法が、
現時点では存在しないということです。

僕が以前大学の内分泌の教室に在籍していた時には、
バセドウ病の治療で甲状腺機能が急激に変動し、
機能低下を来したような時に眼症は悪化する、
というように教わりました。

実際にそうだと思われるようなケースもあるのですが、
間違いなく安定したコントロールであったのに、
ある時から急激に眼症が進行して、
目も閉じられない状態になり顔貌自体が大きく変化した、
というような事例も複数経験しています。

甲状腺眼症は甲状腺に対する自己抗体が、
目の周囲の組織にも炎症を起こしていることは、
ほぼ間違いのないことなので、
治療としてはパルス療法を含むステロイドの全身的な使用と、
目の後ろ側へのステロイドの注射、
また局所への放射線治療が、
以前から行われています。
ただ、その奏効率はそれほど高いものではなく、
副作用や有害事象も決して少なくはありません。

もっと抜本的な治療が強く望まれているのです。

今回の研究では、
インスリン様成長因子1受容体(IGF-IR)の阻害剤の注射薬を使用して、
その甲状腺眼症への有効性を検証しています。

インスリン様成長因子というのは、
その名前の通りインスリンに似た作用で、
組織の増殖や成長を促進する物質で、
この受容体は目の周辺組織に存在していて、
その過剰な発現がバセドウ病では認められることが確認されています。
バセドウ病の患者さんにおいて、
その受容体に結合する免疫グロブリンが、
増加していることも確認されています。

こうして知見からは、
甲状腺眼症がIGF-IRを介した反応によって、
全てではないにしても起こっている可能性があり、
それを選択的に阻害することが出来れば、
甲状腺眼症が改善するのではないか、
という可能性が示唆されます。

そこでまだ日本で実用化はされていませんが、
IGF-IRのモノクローナル抗体であるテプロツムマブを使用して、
IGF-IRの反応を阻害することにより、
甲状腺眼症が改善するかどうかの臨床試験が、
アメリカとヨーロッパの複数の専門施設で行われました。
その結果をまとめたのが今回の論文です。

対象はバセドウ病の治療中に、
中等度以上の甲状腺眼症を発症して9か月以内の患者さんで、
年齢は18から75歳の112名を登録して2から6週間の経過観察を行い、
甲状腺機能が正常などの条件をクリアした88名を、
患者さんにも主治医にも分からないように、
クジ引きで2つの群に分け、
一方はテプロツムマブの静脈注射を3週間に1回、
24週間に渡って継続し、
もう一方は偽の注射を同じように施行して、
24週の時点での眼症の症状の程度を評価します。
また治療終了後4週後の状態も確認されています。

病状の評価はClinical activity score(CAS)が主に用いられていて、
これは後眼窩の自発痛や違和感、上方視下方視時の痛み、
眼瞼の発赤、眼瞼の腫脹、結膜の充血、結膜の浮腫、
涙丘の発赤腫脹の7項目のうち、
3項目以上が陽性で活動性の眼症としているもので、
これが4以上であることが登録の条件となっていて、
治療後に2ポイント以上下がるか、
眼突が2ミリ以上改善することで有効と判断しています。

患者さんは抗甲状腺剤で治療をされているか、
放射性ヨードや手術による治療を受け、
甲状腺ホルモン剤の補充療法を受けている方が大部分です。

その結果…

治療24週で有効と判定されたのは、
テプロツムマブ群で42例中69%に当たる29例であったのに対して、
偽薬群では45例中20%に当たる9例で、
有意にテプロツムマブは眼症の症状を改善していました。
この差は治療開始6週の時点で既に有意になっていて、
治療終了後4週の時点でも、
リバウンドは認められませんでした。

重篤な有害事象はテプロツムマブ群で5例認められていて、
橋本脳症や炎症性腸疾患などとなっていますが、
例数が少ないのでここから安全性の判断は困難です。
ただ、免疫系への強い作用が、
リスクに結び付く可能性も否定は出来ません。

今回の有効率はかなり画期的なもので、
これまで確実に有効な治療が存在しなかった甲状腺眼症において、
非常に大きな意味を持つものです。

ただ、例数は少なく観察期間も短い点、
MRIなどの検査で病態の改善が確認されていない点など、
問題点も多い臨床試験であることも確かで、
今後の再検証を期待したいと思います。

今日はかなり画期的な、
甲状腺眼症に対する臨床試験の結果をご紹介しました。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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石峰寺五百羅漢(若冲作) [仏像]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日も奈良京都のお土産的な話題です。

こちらをご覧ください。
石峰寺.jpg
京都の伏見稲荷にほど近いところにある石峰寺(せきほうじ)の、
有名な五百羅漢の石仏の一部です。

これは写真撮影は不可なので、
お寺のパンフレットから取った写真です。

最近人気の高い江戸時代中期の画家、伊藤若冲が、
その晩年を過ごしたお寺で、
若冲が下絵を描き、
それを元に石工が刻んだ石仏が、
寺の裏山に500体以上パノラマのように配置されています。

ちょっと崩した輪郭の、
デフォルメされた石仏が、
ズラリと並んだ様子はなかなかの圧巻で、
写真で見るより実際に見るとその素晴らしさに感銘を受けます。

内容は幾つかのパートに分かれて、
山を一回りすると、
お釈迦様の生涯が辿れるという趣向です。
静的な感じではなく、躍動感があって、
この新緑の頃に拝観すると、
青葉の息吹のようなものと、
石仏の動きが一体となって、
生命の賛歌を奏でるような思いがありました。

元々は1000体以上の石仏が存在していたとされていて、
盗まれたりして残っているのが半分ほどです。
実際、パノラマを構成せずに、
打ち捨てられているような石仏もあり、
物の哀れもまた感じられるのです。

境内には若冲のお墓もあり、
静かなたたずまいには味わいがあります。
石仏好きにはなかなかのお薦めです。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

古知谷阿弥陀寺感得阿弥陀如来立像 [仏像]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は連休狭間の土曜日ですが、
午前午後ともいつも通りの診療になります。

今日は土曜日なので趣味の話題です。
今日はこちら。
阿弥陀寺 阿弥陀如来立像.jpg
古知谷阿弥陀寺というのは、
大原の三千院から更に少し北にある山寺です。

駐車場と山門が山の麓にあり、
そこから600メートルほど山道を登ります。
道はかなり整備されているので快適です。

こちらをご覧ください。
阿弥陀寺全景.jpg
山道を登り、お寺のお堂を見上げるくらいの位置です。
樹齢800年以上という、
大きなケヤキが見事です。

この古知谷阿弥陀寺は、
1609年に彈誓上人(たんぜいしょうにん)様という方が、
独自の宗派として開かれたお寺だということで、
要するに江戸初期の新興宗教の教祖様のお寺、
ということのようです。

上人様は独自の悟りを体得され、
後に阿弥陀様の化身となられたということのようです。
何かきっかけがあったのだと思いますが、
皇室との関わりが深くその信仰を集め、
また周辺の金鉱の情報を江戸幕府に伝えるという、
隠密のような仕事もされていて、
江戸城への登城も許されていたそうです。
その証である鉄の履が宝物として残っています。

何かただならない感じのする方ですよね。
歴史小説の素材にはもってこいの感じです。

このお寺のご本尊は上人が自らを刻んだ、
70センチほどの開山彈誓佛立像で、
これは上人様がご自分で彫った上に、
自分の髪の毛を植えこんだという珍しいもので、
その髪の毛もまだわずかに残っています。

そして、最後に上人様は即身成仏され、
ミイラとなってお寺の奥にある石室の中の、
石棺の中に安置されているということになっています。

その石室を実際に見ることが出来ますが、
上人様のミイラは、
明治年間に一度その存在が確認されているだけで、
その後は石棺が開けられたことなく、
誰もそのお姿は見ていない、ということです。

なかなか凄みのある話です。

さて、今回の特別公開では、
石室やご本尊と共に、
開山当時に謎の老爺(実は阿弥陀様)から、
上人様が頂いたという逸話のある、
開山当時のご本尊である、
感得阿弥陀如来立像が初公開されています。

それが上の看板にあるお写真です。

桜の霊木から彫り上げられたもので、
いわゆる壇像です。

それほど出来の良い仏像ではないのですが、
粗削りで霊的な魅力があります。
そのお顔には貞観彫刻を思わせる雰囲気があり、
平安期のものという説もあるのですが、
もっと新しいような感じもあり、
はっきりとはしていません。

当日は連休中ということもあって、
ひなびた山寺は観光客でごった返していました。

柄の悪いマニアのような方もいて、
正直嫌な気分での拝観となりましたが、
非常に不思議で奇妙な寺院であり寺宝の数々で、
貴重な体験ではあったと思います。

初公開という言葉に騙されて、
思わず僕も山の中まで足を運んでしまいました。

それでは今日はこのくらいで。

今日は皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

夕日観音(2017年5月再訪) [仏像]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は祝日でクリニックは休診です。
明日土曜日では午前午後ともいつも通りの診療になります。

先刻、奈良京都から帰って来たところです。

今日はこれまでにも何度かご紹介したことがある、
僕の最も好きな奈良の石仏を見て頂きます。

その仏様のお姿がこちらです。
夕日観音全景.jpg
奈良の北方柳生街道の滝坂道の岩に刻まれた、
夕日観音のお姿です。

これは仏像岩と呼ばれる、
別々の場所に幾つかの石仏の刻まれた街道脇の崖があって、
その岩の最も上の部分に刻まれています。
街道からはかなり上方の見えづらい場所にあるので、
見逃がされる方も多いと思うのですが、
崖をよじ登るとそばで手を合わせることが出来ます。

一番最初に拝んだのは大学生の時で、
とてもとても感銘を受けました。
それから2010年の妻が入院している時に再訪、
妻と一緒に2011年にも訪問し、
翌年の2012年のお盆に再訪した時に手首を骨折して、
それからは行くのをやめていました。

今回が5年ぶりの再訪になります。

観音という名前ですが弥勒仏と考えられています。
一種の立体曼荼羅として、
その頂点に刻んだようにも思えます。
もう少し近づきましょう。
夕日観音近景右.jpg
素晴らしいでしょ。
平安末期から鎌倉時代の作と考えられています。
描線やお顔の感じに古様があり、
確実に鎌倉は下ることがないと思います。
様式としてはおそらく鎌倉期の前半期かと推測されます。
古仏の風格があり、格調があり、
そして風化の途上にある儚さが漂っています。

夕日観音近景左.jpg
こちらは向かって左側から撮った画像ですが、
右のお顔には補修らしき跡があり、
水の浸食による痛みと岩の変色も見られます。

入江泰吉先生の昔の写真では、
お顔の傷みはなく、
右手の先の描線も綺麗に残っていましたから、
風化は着実に進んでいるようです。

奈良の摩崖仏の私的ベストスリーは、
この夕日観音と和束弥勒摩崖仏、
そして当尾の大門仏谷摩崖仏ですが、
和束は最近整備されて岩の強度も安定していますし、
大門仏谷はかなり前に岩の上にある桜の巨木を切り倒していて、
岩盤は固く安定しているので、
この両者は長く残ると思うのですが、
この夕日観音に関しては、
彫られた岩自体がそれほど固くはないもので、
仏様のすぐ上に老木があり、
そこからひび割れも生じています。
老木が倒れたり、大雨で岩が浸食したりすれば、
全体が剥落する恐れは極めて大きいと思います。

いつまでこのお姿を拝見することが出来るのかが、
極めて不安でもあり、
そこがまた物の哀れを感じさせて、
心を揺さぶるところでもあります。

今回再訪にして本当に良かったと思いますし、
また折に触れて参拝を続けたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

SPAC「真夏の夜の夢」(2017年静岡芸術劇場版) [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は連休でクリニックは休診です。
昨日から奈良にいて、
今起きたところです。

休みの日は趣味の話題です。

今日はこちら。
真夏の夜の夢.jpg
SPACのヒット作である、
野田秀樹さんの台本による「真夏の夜の夢」の再演を、
本拠地の静岡芸術劇場で観て来ました。
今年の3月です。

宮城聡さんのSPACは、
食わず嫌いであまり観ていなかったのですが、
昨年奈良の平城宮跡で上演された、
「マハーバーラタ ナラ王の冒険」は、
非常に幻想的で美しい舞台であったので、
東京でも見逃していて代表作の1つと言われている「真夏の夜の夢」を、
是非観ようと静岡まで出掛けて来ました。

静岡芸術劇場は複合施設として駅前にそそり立っていて、
バブルの残滓を感じさせる堂々たる劇場です。

主宰の宮城さんが1人1人観客のお出迎えをしていて、
プレトークもあるなど和気あいあいとした雰囲気です。

上演された「真夏の夜の夢」は、
シェークスピアの原作を、
野田秀樹さんが設定自体を変えて書き直したもので、
原案シェークスピア、作野田秀樹というくらいがちょうど良い、
ほぼ野田さんのオリジナルになっていました。

元々野田さんの日生劇場のシェークスピアシリーズの1本として、
書き下ろされて野田さんの演出で初演され、
再演はされなかった台本を、
2011年に宮城さんがSPC版として演出上演しました。
それが好評で東京公演を含めて何度か再演され、
今回の上演になりました。

この作品はともかく台本が素晴らしくて、
野田さんの才気がみなぎるという感じの傑作です。

原作には登場しないメフィストフェレスが、
妖精パックに拮抗する存在としてダークに活躍し、
少女の空想の中の森が、
想像力の枯渇によって死に瀕するという物語に、
書き換えられています。

前半の稚気あふれる諧謔と、
後半のカタストロフ、
そして喪失感を伴う切ないラストが印象的です。

野田さんはこうした世界が抜群で、
是非また幼稚な幻想世界に戻って来て欲しいな、
と思います。
政治ネタの芝居など本当に下らないです。

絶賛された舞台で原作は抜群の切れ味なのですが、
今回実際に観た舞台は、
正直少し落胆がありました。

最初に幻想の森が少女の背後に立ち上がるところなどは、
さすがSPACという感じがしたのですが、
中途半端に遊眠社的な要素があり、
それがあまりこなれていませんし、
役者さんの技量も、
高速度の台詞を耳に心地よく伝える点などにおいて、
あまり作品の求める水準を満たしているようには思えません。

今のNODA MAPはプロデュース公演的なものなので、
役者さんの台詞術や動きにもムラがあるのですが、
最盛期のかつての遊眠社は、
ともかく怒涛の動きと早口のメリハリの利いた台詞術が身上で、
それと比較すると、今回のSPACの芝居は、
動きも台詞も中途半端で、
それでいて遊眠社のスタイルと、
全く違うものを確立しているとも言えないので、
どうもそこに漂うある種の「偽物感」に、
居心地の悪い気分にとらわれてしまいました。

パックの役者さんやメフィストフェレスの役者さんは、
初演から同じ方のようなのですが、
演技の質が劇団四季の子供向けミュージカルのような感じでした。
中学生に見せる無料公演などもあるようなので、
要するに主なターゲットが中学生くらいなのかも知れませんが、
もう少し違うものを期待していたので、
個人的にはかなり落胆をしてしまいました。

ただ、これは僕が勝手にもう少し違う芝居を、
期待していたのが悪かっただけなのかも知れません。

また、途中で檻に閉じ込められたパックを、
観客の1人がクイズを解いて救い出すという、
ちょっと背筋がムズムズするような客いじりがあるのですが、
そこで手を挙げた観客が、
劇場の常連さんの地元のおじさんで、
クイズの答えを全部知っているので、
この地元感にも相当脱力する思いがありました。

駄目だよおじさん、そこで手を挙げるのは…
と心の中で叫びました。

そんな訳で牧歌的な体験でしたが、
期待が大きかっただけに落胆もそれなりに大きく、
しょんぼりした気分で静岡を後にすることになったのです。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。