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インフルエンザワクチンの小中学生への有効性(日本の疫学データ) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は別件の仕事で都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
インフルエンザワクチンの小中学生への有効性.jpg
2019年のHuman Vaccines & Immunotherapeutics誌に掲載された、
日本の小中学生に対する季節性インフルエンザワクチンの有効性を、
2シーズンで評価した疫学データの論文です。

宮城県で行われた小児の疫学研究のデータを活用したもので、
東北大学の研究者らによる研究です。

今年も10月から季節性インフルエンザワクチンの接種が、
開始される予定です。

この季節性インフルエンザワクチンの有効性については、
色々な見解があります。

不活化ワクチンでアジュバントも含有しないという性質から、
あまり有効性は期待出来ないのではないか、
という意見がかつては強くありました。
ただ、2009年の所謂「新型インフルエンザ」流行の時には、
流行しているウイルス株から直接ワクチンを作成したので、
日本の調査でも6から7割という非常に高率の有効率を示しました。
この時にはより有効性が高くなることを期待して、
アジュバントを含有するワクチンも製造されましたが、
その効果は実際には通常のワクチンと違いがありませんでした。
一方で変異したウイルスの流行などがあると、
ワクチンの有効性は大きく低下します。

今回の研究では、
2012年から13年と、2014年から15年の2つのシーズンにおいて、
調査地域における小中学生(7から14歳)にアンケート調査を行い、
インフルエンザワクチンの接種歴と、
そのシーズンにおいてインフルエンザと医療機関で診断された履歴を、
比較検証しています。

トータルな対象児童は、
2012から13年シーズンで12742名で、
2014年から15年シーズンで18489名です。
そのうち回答の得られたのは、
2012年から13年シーズンで3912名、
2014年から15年シーズンで3902名でした。
そして、2シーズンとも59%の児童が、
1回以上のワクチン接種を行っていました。

そして、
1回以上のワクチン接種によりインフルエンザの発症リスクは、
2012年から13年のシーズンで23%(95%CI: 0.65から0.92)
と有意に低下していて、
2014年から15年のシーズンでは12%(95%CI: 0.75から1.02)
と低下する傾向は示したものの有意ではありませんでした。

これはインフルエンザ感染自体を確認したものではないので、
データの信頼性は割り引いて考えないといけませんが、
現行のインフルエンザワクチンの接種は、
小中学生において、
6割程度の接種率でも一定の有効性は認められますが、
それは流行ウイルスとのマッチングによって、
かなり差のある効果であるようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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