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シベリア少女鉄道「ココニイルアンドレスポンス」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

昨日からクリニックは夏季の休診中です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
シベリア少女鉄道.jpg
孤高の劇団シベリア少女鉄道が、
先日まで新宿THERTER BRATSで新作公演を上演しました。

この劇団の公演はネタバレ厳禁なので、
いつも公演が終わってから感想を書いています。

今回のキャストは手練れの4人で、
まず1人ずつ出てきて、
見えない相手に対して語り掛けるような、
1人芝居の小芝居をして見せます。

それが一通り終わってから、
今度はその4人が地下の喫茶店で一同に会するのですが、
そこに次々と見えない登場人物が出現して増えてゆき、
登場人物は20人を超えてしまいます。

おまけにその見えない人物の設定が、
「こう見えたが実はこうだった」というような反転があり、
見えている4人についても、実は…というような設定が連発するので、
いつものように世界は混乱しつつ膨張して、
観客の感覚と知能を全開にするクライマックスに至るのです。

今回もいつもの、
「演劇のお約束事を逆手に取る」というスタイルのもので、
見えない相手とお芝居をする、
というのは1人芝居などの演技の定番ですが、
それを逆手に取って、
見えない人物を作り出せるという演劇の異常さを、
存分に活用してスペクタクルに仕上げています。

いつもながらの鮮やかな手際です。

特に最近は昔とは格段に役者さんの演技レベルが向上しているので、
とても安定感がありますし、
作者のたくらみを十全に感じることが出来ます。
以前の作品では、
「多分こうしたことがやりたいんだろうな。でもこの演技レベルじゃなあ…」
というようなことも多かったのですが、
今回はそうしたストレスなく、
作者の企みと観客の理解が一致しているのです。

これでなくちゃね。

ただ、1つだけ最近のシベリア少女鉄道の不満を言えば、
以前はもっと虚無的なラストというか、
観客の甘い幻想に冷や水を掛ける、
というような感じがあったのですが、
最近の作品はやや楽観的な「オチ」としてラストがあるだけで、
虚無の感じはほとんどなくなっているという点です。
たとえば、今回の作品なら、
ラストで見えていた4人が消えてしまって、
見えない人の声だけが延々と聞こえていたりとか、
そんなラストでもいいでしょ。
昔はそうした方が普通だったんですよね。
でも、そうしたことを最近はやらなくなりましたね。
だから、昔はカーテンコールがないのが、
自然という感じがしたのですが、
今は普通のお芝居のようなオチになるので、
カーテンコールがないのが、
逆に不自然な感じがしてしまうよね。

おそらく、作者の土屋さんの心の中が、
以前よりはずっと安定し平穏になっているのが、
その原因ではないかと思われますが、
それが土屋さんにとって良いことであるのは百も承知の上で、
もう少し虚無的で不穏なお芝居も観たいなあ、
という我儘を言いたいのが、
ひねくれた1ファンの今の偽らざる思いでもあるのです。

それからもう1つ今回の不満としては、
あの劇場の前の方の席はひどいなあ。
せまくてきつくて、指定席であれはないのじゃないかしら。
再考をお願いしたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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