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CGRP受容体拮抗薬の群発頭痛予防効果 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
CGRPと群発頭痛.jpg
2019年のthe New England Journal of Medicine誌に掲載された、
群発頭痛に対する新薬の臨床試験結果をまとめた論文です。

群発頭痛というのは重症型の習慣性頭痛の代表です。

片側の目の奥に針に刺されたような激痛が、
一定期間集中して発作的に繰り返されるのです。
発作は未治療であれば15分から3時間渡り持続し、
1日に数回の発作が数週間から時に月単位で持続します。

通常行われている治療は、
発作時の高濃度酸素療法と片頭痛に使用されるトリプタン製剤で、
トリプタン製剤については通常注射薬か点鼻が使用されます。
予防目的では血管拡張剤のベラパミルと、
リチウム、バルプロ酸などが使用されていますが、
その根拠や有効性はそれほど明確ではありません。

片頭痛と同じく群発頭痛においても、
神経終末から分泌されるCGRPという炎症物質が、
その原因として大きな役割を果たしていると考えられています。

それでは、
群発頭痛に対するCGRP抑制治療の効果はどうでしょうか?

ガルカネズマブ(Calcanezumab)は、
CGRPに特異的に結合するモノクローナル抗体で、
結合することにより、
CGRPの作用をブロックする注射薬の新薬です。

今回の臨床試験においては、
18から65歳で群発頭痛と診断された106名を、
くじ引きで2つの群に分けると、
一方はガルカネズマブを1ヶ月間隔で2回300mg皮下注射し、
もう一方は偽の注射を使用して、
その効果を比較検証しています。

その結果、
注射後1から3週間において、
1週間の頭痛発作の頻度は、
偽薬群が5.2回減少したのに対して、
ガルカネズマブ群が8.7回減少していて、
ガルカネズマブ群で有意な頭痛発作抑制が認められました。

ただ、観察期間中の1週間当りの発作回数は、
ガルカネズマブ群が17.8±10.1回に対して、
偽注射群が17.3±10.1回で、
はっきりとした差はありません。

また、注射後3週の時点で、
週の発作回数が半分以下に減少した比率は、
ガルカネズマブ群が71%であったのに対して、
偽注射群は53%で、
これも差は付いてはいるものの、
偽薬でも5割以上低下しているので、
これもあまり明確な有効性と言えるほどではありません。

このように、
メカニズム的に考えれば、
もっと著効しても良いように思いますが、
実際には有効性はあるものの、
現状のデータはそれほどのものではなく、
今後その使用法を含め、
この薬の意義と有効性は、
より多角的に検証される必要があるように思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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