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思春期の脂肪肝炎に対する砂糖制限の効果 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
砂糖制限と脂肪肝炎.png
2019年のJAMA誌に掲載された、
食事の砂糖の制限が、
思春期の非アルコール性脂肪肝炎に与える影響についての論文です。

脂肪肝が侮れない、
という話は、
皆さんも最近しばしばお聞きになることだと思います。

脂肪肝というのは、
肝臓に中性脂肪が過剰に貯留した状態のことで、
肥満や糖尿病とは密接な関係があります。

脂肪肝の一番の原因はお酒です。

ただ、最近ではお酒を飲まない人の脂肪肝が、
実は結構多く、
悪化すると肝硬変や肝臓癌のリスクにもなることが明らかになり、
非アルコール性脂肪性肝疾患
(non-alcoholic fatty liver disease)
という特別な名称で呼ばれています。
これを略してNAFLDです。

この非アルコール性脂肪性肝疾患が進行し、
肝機能の悪化を来したものを、
非アルコール性脂肪肝炎
(non-alcoholic steatohepatitis)
と呼びます。
これを略してNASHです。

最近特に欧米で問題となっているのは、
子供のNAFLDです。
上記文献の記載によれば、
アメリカでは小児で最も多い肝臓病は、
このNAFLDであるようです。

子供の脂肪性肝疾患の治療は、
食事療法を柱とした生活改善ですが、
ガイドラインでは特定のダイエットが、
特に推奨されているということはありません。
これはその裏打ちとなる根拠があまりないからです。

その1つの候補として挙げられているのが、
砂糖を制限するというシンプルなダイエットです。

砂糖を多く含むジュースや清涼飲料水、
ケーキやお菓子などを沢山摂ることで、
脂肪性肝疾患が進行することは、
複数の疫学データで確認されています。

ただ、それでは砂糖を制限することで脂肪性肝疾患が改善するのか、
という点については、
お子さんにおいてはあまり実証的なデータがありません。

そこで今回の研究では、
年齢が11歳から16歳の少年で、
非アルコール性脂肪肝炎の診断されている40名を、
くじ引きで2つの群に分けると、
一方は通常の食事を行い、
もう一方は砂糖のカロリーを総カロリーの3%未満になるように、
砂糖の制限を行って、
8週間の治療の結果を比較検証しています。

その結果、
MRI検査による脂肪肝炎の程度や、
血液検査による肝機能の数値は、
通常のダイエットと比較して砂糖制限において、
有意な改善を認めました。

これはまだ少数例の検討に過ぎないので、
これで砂糖制限が脂肪肝炎に有効であるとは言い切れませんが、
その可能性が認められた意義は大きく、
今後のより厳密な検証に期待したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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