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血液アルコール濃度の規制値変更と飲酒運転予防効果 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
アルコール濃度と飲酒運転予防効果.jpg
2018年のLancet誌に掲載された、
血液アルコール濃度の基準値の変更が、
飲酒運転予防に与える影響についての論文です。

飲酒運転による自動車事故は、
日本でも最近大きな問題となっていますが、
海外でもその状況は同じで、
個々の国においてそれぞれの、
飲酒運転の規制の法律が施行されています。

ただ、検査においてどのレベルを超えるアルコールが検出されれば、
それを飲酒運転と見做すかという基準値には、
各国において少なからず違いがあります。

日本では血液のアルコール濃度が、
0.3mg/mL以上が飲酒運転(正確には酒気帯び運転)
の基準として使用されていますが、
これは世界でも厳しいレベルの基準値で、
欧米では0.8mg/mLを基準としていることが多く、
それが最近0.5mg/mLに厳しくなって来ている、
というのが実状であるようです。

基準値を厳しくすることには、
どのような効果があるのでしょうか?

一般的には法律で基準値を厳しくすることにより、
より少量のお酒でも捕まるということがある、
という認識が広まって、
飲酒後の運転により気をつけるようになり、
飲酒運転が減るという抑止効果があると、
そうした効果が期待をされています。

しかし、そうした効果は実際に証明出来るものなのでしょうか?

スコットランドにおいては、
2014年に血液アルコール濃度の基準値が、
0.8mg/mLから0.5mg/mLへと厳格化されました。

今回の研究では基準値厳格化前後の、
飲酒運転による事故や飲酒量などの疫学データ、および、
コントロールとして基準値が0.8mg/mLのまま固定されている、
イギリスやウェールズの疫学データも比較して、
基準値厳格化の影響を検証しています。

その結果、飲酒運転の基準厳格化の前後において、
バーやレストランでの個人の飲酒量は若干低下が認められましたが、
交通事故の頻度には明らかな違いはなく、
イギリスやウェールズとの比較では、
むしろ事故数は基準が厳格化したスコットランドで多い傾向がありました。

これはトータルな事故の件数を見たものですから、
これだけで基準値の厳格化が無意味とは言えませんが、
単純に基準を厳格化すれば、
それだけで飲酒事故が減ると考えるのは誤りで、
「飲んだら乗るな」の啓蒙活動を含めて、
飲酒運転の撲滅のためには、
その効果を含めて科学的かつ多角的な検証が、
必要であるように思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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