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高齢者入院時の早期運動療法の効果 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
高齢者入院時の運動療法の効果.jpg
2018年のJAMA Internal Medicine誌に掲載された、
高齢者の急性期入院時に定期的な運動療法を行うことの、
予後への影響についての論文です。

高齢者が短期間にせよ急性の病気で入院すると、
その病気自体は改善して退院となっても、
体力は格段に落ちて、
入院前には簡単に出来た日常生活が困難となり、
認知症も急速に進行することが多いことは、
多くの皆さんが実際に経験されていることだと思います。

入院ということ自体が大きなストレスですし、
毎日の当たり前に繰り返していた動作や習慣が、
短期間にせよ失われることが、
高齢者にとってはその身体能力や認知機能の低下をもたらす、
大きな要因となるのです。

病院としても、
そうした事実は充分理解をしているのですが、
肺炎での入院であれば、
肺炎の治療が優先されますから、
入院による身体機能や認知機能の低下を予防するために、
適切な措置をとるような余裕は、
とてもないというのが実状なのではないかと思います。

それでは、
忙しい診療や看護の中でも比較的実施が可能で、
患者さんの身体能力や認知機能の低下を予防するような、
具体的な方策は何かないのでしょうか?

今回の研究はスペインの単独施設のものですが、
急性の病気で入院した75歳以上の高齢者370名を、
くじ引きで2つの群に分け、
一方は通常の診療を行い、
もう一方はそれに加えて1日2回朝夕に20分ずつ、
歩行やバランス、筋力維持のトレーニングを、
個別の患者の体力に合わせて施行し、
退院時の運動機能や認知機能を比較しています。

その結果、短時間の運動によっても、
退院時の身体機能のみならず認知機能の低下が、
コントロールと比較して有意に抑制されていました。

これは身体運動によって認知機能の低下も予防された、
と言う点が興味深く、
個々の患者さんの身体状況や病状に配慮が必要ですから、
簡単に臨床に導入するということは難しいのですが、
現状有効な手段のないこの問題に対して、
1つの大きな示唆を与える知見ではあるように思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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