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気温と死亡との関係(2018年中国の疫学データ) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
気温と生命予後.jpg
2018年のBritish Medical Journal誌に掲載された、
気温と死亡との関連についての論文です。

人間は住宅や乗り物、
衣服や装備などの機能を高めることにより、
極寒の地から灼熱の地まで、
幅広い気温の場所で生活しています。

ただ、それでも極寒の低温の場所や、
灼熱の高温の場所での生活は、
健康に様々な影響を与えることは間違いがありません。

したがって、この居住地の気温というものと、
そこに住む人間の健康状態や病気や死亡には、
一定の関連があることもまた間違いはありません。
どんなに防御していても、
凍てついた極寒の地では凍死などは多いでしょうし、
灼熱の砂漠では熱中症による死亡は多いのも確かなことです。

ただ、気温と病気や死亡との関連を、
まとめて解析したような疫学データは、
それほど多くはありません。

今回の研究は中国全土の272の地域において、
その気温と死亡リスクとの関連を検証したものです。

その結果、総死亡においても、
心血管疾患や脳卒中などの個別の病気の死亡においても、
そのリスクは22℃くらいが最も低く、
それを上回っても下回っても、
死亡リスクは増加していました。

そして0℃を下回るような低温においては、
その5日目まで死亡リスクは増加し、
その後は低下に転じていました。
一方で29℃を超えるような高温においては、
その初日においては死亡リスクが増加するものの、
2、3日後には通常の気温と同じに戻っていました。

温度と個々の病気による死亡リスクとの関連を見ると、
29℃を超える高温や0℃を下回る低温よりも、
やや低い気温において、
最もその影響は大きくなると算出されました。

この現象を的確に説明することは困難ですが、
低温の影響は高温より持続することと、
低温の持続が感染症などのリスクを増加させることが、
その一因ではないかと推測されます。

現代のような環境の調節が可能となった社会でも、
実際には気温の与える健康への影響は意外に大きく、
病気の予防という観点からも、
この知見は重要な意味を持っているように思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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