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BCGヒ素問題を考える [仕事のこと]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

今日は休み中に飛び込んで来た、
このニュースについてです。

BCGワクチン出荷停止 ヒ素検出、安全性問題なし
2018/11/3 18:11(日本経済新聞より引用)

子どもの結核予防のため乳児を対象に接種しているBCGワクチンを溶かすための生理食塩液から、定められた基準を超えるヒ素が検出され、製造業者の日本ビーシージー製造(東京)が8月からワクチンと共に出荷を停止していることが3日までに、厚生労働省への取材で分かった。 ごく微量で、この量以下ならば一生の間、毎日注射しても健康に悪影響が出ないとされる国際的な許容量の数十分の1だったため、ワクチンの安全性に問題はないという。食塩液を入れるガラス製の容器からヒ素が溶け出したのが原因で、11月中に別の容器に取り換えて出荷が再開される見込み。 厚労省は、今月5日に開かれる有識者の会合で報告する。「安全性に問題はなく、他に代替品がないことから回収はせず、すぐには公表しなかった」と説明している。 厚労省によると、8月9日に食塩液の基準の0.1PPMを超える0.26PPMのヒ素が検出されたとの報告がビーシージー製造からあり、ワクチンの出荷を停止した。 このワクチンは、国内では同社だけが供給。1歳未満の乳児が定期接種の対象となっており、毎年100万人近くが接種している。停止後も出荷済みのものが流通しており、基準値超えのワクチンが接種されている可能性がある。新しい製品での出荷が再開すれば、ワクチンは不足しない見込み。〔共同〕

BCGワクチンというのは、
牛の結核菌を元にした特殊な結核の生ワクチンで、
日本では特殊な「判子注射」という方法で、
生後5から8ヶ月の時期(標準)に、
乳幼児結核の予防目的で定期接種されています。

これは日本のみの特殊な接種法で、
その継続には色々と議論があります。
ただ、現状BCGに代わる結核ワクチンは世界的にもなく、
乳幼児結核の予防のためには、
一定の有効性があると考えられることから、
定期接種が継続されているのです。

ワクチンは日本ビーシージーという1社で独占的に製造されていて、
その会社はBCGの製造販売のみを、
その生業としている、という特殊性があります。

今回明らかになった問題は、
BCGの溶解液に基準を上回るヒ素が、
混入していたというもので、
今年8月から製造と出荷を停止しているという事実が、
11月2日に明らかになった、というものです。

ヒ素の含有量自体はごく微量で、
BCGワクチンは1回のみの接種ですから、
それがお子さんの健康上に害を及ぼすとは、
ほぼ考えられません。

ただ、今回の一番の問題は、
本来検出されない筈のヒ素が検出されたという事実が、
誰にも伝えられることなく事後処理が行われ、
現場で接種をおこなっている僕のような医師にも、
全くその情報は伝えられないままに、
接種が継続されていたという事実です。

今年の8月以降出荷が停止されている、
と記事には書かれていますが、
8月以降もBCGの入荷は安定していて、
保健所からも医師会からも、
それについての通知などは何1つありません。

現状流通しているワクチンに、
基準を超えるヒ素が混入されているのかどうか、
そのことすら全く明らかにされていないのですから、
これはあまりに現場の医療者に対して、
そして何より接種されるお子さんに対して、
不誠実な対応であるように思われてなりません。

どうやら日本ビーシージー社と厚労省の担当部署以外には、
情報は伝えられないままに処理されていた、
ということのようですが、
本来は健康被害はないような事例であっても、
そうしたことで忖度するのではなく、
基準値を超えた場合には、
きっちりと報告し、
末端の医療者にも情報を迅速に伝えることが、
医療行政のあるべき姿ではないでしょうか?

迅速かつ明確な情報開示を、
是非求めたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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