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ω3系脂肪酸の不安軽減効果のメカニズム [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は別件の仕事で都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
ω3脂肪酸による抗不安効果のメカニズム.jpg
2014年のNeuropsychopharmacology誌に掲載された、
青身魚の脂の成分であるω3系脂肪酸の、
抗不安効果のメカニズムについての動物実験による論文です。

昨日のメタ解析の論文でも認められているように、
青身魚の脂に含まれるEPAやDHAに、
外傷後ストレス障害などの不安を和らげるような効果のあることは、
臨床的にも確認をされている事項です。

しかし、それは何故でしょうか?

今回の研究ではそのことを明らかにする目的で、
ネズミに様々な比率で、
EPAやDHAというω3系脂肪酸を、
アラキドン酸などのω6系脂肪酸より、
強化した食事を摂取させて、
恐怖体験の抑制効果を比較検証しています。

その結果、
ω3系脂肪酸の多い飼料で飼育したネズミは、
そうでないネズミと比較して、
恐怖体験によって惹起される反応を、
より強く抑制していました。
(実際には電気ショックを与えて、
その後の同じ環境下での反応を見ています)

そして、この恐怖体験の抑制効果は、
カンナビノイドCB1受容体を遮断することにより、
消失することが確認されました。

カンナビノイドというのは脳内麻薬で、
情動の中枢である偏桃体において、
この経路の刺激が脳内麻薬を放出して、
心的外傷などの強いストレスを抑制していると考えられています。

どうやらω3系脂肪酸の摂取増加は、
この経路を刺激することによって、
不安を緩和するような作用を持っているようです。

何故脂肪酸が脳内麻薬を刺激するのか、
その詳細はまだ不明ですが、
ただの脂が感情をコントロールしているという、
この知見はとても興味深く、
この後のこの分野の進歩に、
大きな期待を寄せたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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