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少量の抗凝固剤の心不全治療効果 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
リバーロキサバンの心不全悪化防止効果.jpg
2018年のthe New England Journal of Medicine誌に掲載された、
直接作用型経口抗凝固剤と呼ばれる薬剤を、
少量で他の抗血小板剤に上乗せした場合の、
心不全に対する効果と安全性を検証した論文です。

リバーロキサバン(商品名イグザレルト)は、
直接作用型経口抗凝固剤と呼ばれる薬の1つで、
通常心房細動と呼ばれる不整脈の脳卒中予防のため、
などに使用されています。

その場合の用量は1日1回で10mgか20mg(日本では15mg)です。

その一方で1日2.5mgを2回という少量を、
他のアスピリンなどの抗血小板剤と併用することで、
急性冠症候群や虚血性心疾患の患者さんにおける、
心血管疾患の予後を改善したというデータが得られています。

しかし、心不全の患者さんの予後を、
リバーロキサバン少量の上乗せ使用が、
改善するかどうかは明らかではありません。

そこで今回の世界32カ国628の専門施設が参加した臨床試験では、
3ヶ月以上継続する慢性心不全があり、
3週間以内に急性増悪により入院した患者さんを、
くじ引きで2つに分けると、
患者さんにも主治医にも分からないように、
一方はリバーロキサバンの少量を上乗せで使用し、
もう一方は偽薬を使用して、
心不全の予後を比較検証しています。

対象者は5022名で、
観察期間の中央値は21.1ヶ月です。

その結果、総死亡と急性心筋梗塞および脳卒中を併せたリスクは、
リバーロキサバン群と偽薬群とで有意な差はありませんでした。
個別のリスクに関して見ると、
総死亡と心筋梗塞のリスクに関しては両群で有意差はなく、
脳卒中の発症リスクについては、
リバーロキサバン群で34%(95%CI: 0.47から0.95)、
有意な抑制効果が認められました。

このように、
心不全の急性増悪期において、
通常の治療に少量の直接作用型経口抗凝固剤を上乗せしても、
その予後にはトータルには明確な効果は得られませんでした。

ただ、事例によっては一定の有効性がある、
という可能性は否定出来ず、
この問題は今後研究を継続する必要がありそうです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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