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バルプロ酸の男性生殖内分泌機能に対する影響(2018年メタ解析) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
バルプロ酸と男性生殖機能.jpg
2018年のEpilepsy & Behavior誌に掲載された、
抗けいれん剤として広く使用されている、
バルプロ酸(商品名デパケンなど)の、
男性生殖機能に与える影響についての論文です。

バルプロ酸は最もポピュラーなけいれん止めの薬で、
てんかん発作の予防に広く使用されていて、
それ以外に偏頭痛などの慢性頭痛の予防や、
双極性障害などの感情障害の治療にも、
しばしば使用されている薬です。

この薬は有効な反面、
副作用や有害事象が多いことも知られています。

代表的なものは肝機能障害や眠気、
錐体外路症状や胃腸症状などですが、
女性の月経異常や多囊胞性卵胞なども報告されています。

男性の性欲減退や生殖内分泌型の異常も、
報告はありますがその頻度などは明確には分かっていません。

ちなみに現行の日本の添付文書においては、
女性の月経異常は頻度不明で、
男性の生殖機能については記載はありません。

今回の研究はこれまでの臨床データをまとめて解析した、
システマティック・レビューとメタ解析によるものですが、
6つの臨床研究のトータル316名のデータをまとめて解析した結果として、
バルプロ酸の使用により、
血液中のテストステロン濃度と、卵胞刺激ホルモン(FSH)濃度は、
いずれも有意に低下していました。

つまり、バルプロ酸の使用により、
男性ホルモンが低下し、
男性生殖機能が低下する可能性があることは、
間違いはなさそうですが、
この問題についてのデータは少なく、
その程度を含めて今後より大規模な検証が、
必要であるように思われます。

てんかんへの使用はともかくとして、
バルプロ酸は偏頭痛などに対しても、
若年層にしばしば連用されている薬なので、
この問題は軽視するべきではないように思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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