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HPVワクチンによる皮膚扁平上皮癌治癒効果 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
HPVワクチンの皮膚癌への有効性.jpg
2018年のJAMA Dermatology誌に掲載された、
HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンを、
高齢者の皮膚の扁平上皮癌に使用して、
著効と言って良い効果があったという、
興味深い1例報告です。

ヒトパピローマウイルスが、
子宮頸癌以外にも、
多くの癌の発生に関わっていることは、
広く知られていますが、
皮膚の扁平上皮癌も、
その1つです。

通常こうした知見はあくまで研究レベルのもので、
癌の治療にそのまま使えるようなものではありませんが、
今回の症例報告は手術適応のない、
90代の女性に発症した多発性の皮膚扁平上皮癌が、
ガーダシル9という国外では使用されている9価のHPVワクチンによって、
ほぼ完治と言って良い治療効果が認められたという、
かなり驚くべき事例です。

当該の患者さんに対して、
6週間の間隔を置いてガーダシル9を、
通常の接種量で2回の筋肉注射による接種を行います。
更に同じワクチン液0.5ミリリットルを、
生理食塩水2.5ミリリットルで希釈し、
皮膚にリドカインとエピネフリンによる局所麻酔をした上で、
直接皮膚の癌組織に注入します。
8ヶ月の間に都合4回の腫瘍内注入を繰り返したところ、
8ヶ月後には全ての肉眼的腫瘍が縮小し、
11ヶ月後には肉眼的には瘢痕を残すのみで、
組織学的検証でも、
軽度の細胞の異形成を示すのみで、
癌細胞は完全に消失していました。
そして、治療開始後24ヶ月の時点で、
再発の兆候は認められていません。

ちょっと信じられないほどの劇的な治療効果です。

治療前後の画像が論文には掲載されていますが、
ちょっとどぎつい刺激の強い感じのものなので、
あえて引用はしません。
無料で読める論文ですので、
ご興味のある方は本文をご一読下さい。

これはまだ1例報告なので、
仮に事実としても、
どのような症例に効果があるのか、
特定の事例のみの効果なのか、
など詳細はまだ不明ですが、
通常感染予防として使用されているワクチンに、
このような出来上がった癌の治療効果がある、
という報告は大変興味深く、
今後の検証に期待をしたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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