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歯科医の特発性肺線維症リスクについて [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は別件の仕事で都内を廻り、
それから短い連休に突入する予定です。

すみません。
またちょっと奈良に行きます。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
歯科医と肺線維症.jpg
これは2018年3月の、
アメリカ疾病管理予防センター(CDC)のレポートですが、
歯科医と歯科技工士に難病の特発性肺線維症が多く発症していた、
という興味深い知見を報告したものです。

特発性肺線維症というのは、
原因不明の間質性肺炎の中でも、
進行性でその予後が悪いことで知られています。

知らないうちに肺の間質と呼ばれる部分が、
慢性の炎症を起こして固くなり、
息切れや咳、痰などの症状を自覚する時には、
もうかなり病気は進行していることが通例です。

上記レポートにあるアメリカの疫学データでは、
診断された時点での余命の中央値は3から5年と推計されています。
治療は免疫抑制剤に一定の進行予防効果が確認されていますが、
現状予後の改善に満足の行くレベルのものではなく、
胚移植は有効な唯一の治療ですが、
実行可能なケースは非常に限られています。

この病気の原因は不明ですが、
喫煙やウイルス感染症、
埃を吸入する機会が多いような職業の従事などと、
一定の関連のあることが報告されています。

僕の経験の中では、
ある焼き鳥屋さんの従業員と店主の家族が、
次々とこの病気で倒れたという事例がありました。

ただ、これまでに歯科医師や技工士と、
この病気との関連が指摘されたことはありませんでした。

上記の報告によると、
アメリカはヴァージニア州の医療センターにおいて、
1996年から2017年に診断された特発性肺線維症の患者さん、
トータル894名のうち、
ほぼ1%に当たる9名が、
歯科医師もしくは技工士でした。(内訳は歯科医師が8名)
調査の時点でそのうちの7名は既に死亡していました。

統計的に見ても明らかにこの頻度は高く、
歯科材料などの研磨時に発生する金属の粒子の吸入などが、
そのリスクではないかと推測され、
今後その検証が必要ではないかと指摘されています。

日本でもこうしたケースがあるのかどうか、
現時点では不明ですが、
今後日本でも同様の検証が行われる必要性があるように、
個人的には思いました。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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