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カルシウム不足とうつ病との関連について [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
カルシウムとうつ病.jpg
2012年のNutrition Research and Practice誌に掲載された、
カルシウムの摂取量とうつ傾向との関連を検証した論文です。

カルシウムが不足するとイライラが強い、
というのは良く聞くことがある、
健康情報の1つです。

ただ、最近では「それは嘘の医療知識だ」
と言う解説がネットなどでは記載されていることが多いと思います。

そのことについて最近聞かれる機会があり、
「あれは嘘の情報なんですよね」
と言われたので即答出来ずに調べてみたのですが、
確かに「カルシウムが不足してもイライラすることはない」
というような記事は見られても、
その出典が明確に示されているようなものは、
なかなか見つかりません。

概ねその説明としては、
カルシウムというのは血液濃度が一定になるように、
身体が調整をしているので、
少しばかりカルシウムの摂取量が減っても、
それで身体に変化が起こる訳がない、
というような内容になっています。

しかし、それは確かにそうではあるのですが、
それを言えばナトリウムだってカリウムだって同じですが、
それでも極端な欠乏や過剰があれば、
身体の状態や病気のリスクが変動することは、
その影響の大きさについては議論があっても、
これはもう広く実証されている事実ですから、
特別科学的な説明とは言えないように思います。

カルシウムが不足するとメンタルに影響する、
という言説はどの程度の根拠のあるものなのでしょうか?

それで調べて引っかかって来たのが上記の論文です。

上記文献およびそこで引用されている過去の多くの知見によれば、
カルシウムの不足がイライラの原因となるというのは、
主に月経前症候群の女性で得られている知見で、
カルシウムの摂取量が少ないと、
月経前の気分の変調やイライラが強く、
それがカルシウムの摂取により緩和された、
というようなデータは過去に複数存在しています。

一応の理屈としては、
動物実験において視床下部の神経細胞は、
細胞外のカルシウム濃度に敏感に反応して、
その興奮や神経伝達に変化が生じるという報告があり、
低カルシウム濃度がうつや衝動性などの原因となる、
というような報告もあります。

上記論文では韓国において、
41から57歳という閉経前後の女性105名の、
カルシウムやマグネシウムの摂取量と、
SDSという指標で見たうつ状態の程度との関係を見たところ、
血液のカルシウム濃度にはSDSとの関連は認められなかったものの、
カルシウムの摂取量が少ないほど、
うつ状態の程度は強いという一定の相関が認められています。

従って、
主に閉経前後の女性に限った話として、
カルシウムの不足がイライラや不安やうつなどの、
メンタルな異常を助長しやすい、
という点については一定の根拠があると、
そう考えて大きな間違いはないようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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