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2014 年の演劇を振り返る [演劇]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。
現在年末年始の充電中ですが、
体調が悪いので専ら伏せっています。

今日は今年の演劇を振り返ります。

今年は以下の公演に足を運びました。

1.OFFICE SHIKA×Cocco「ジルゼの事情」(初演)
2.π*π「マーブル」
3.唐ゼミ「パノラマ」
4.柿喰う客「世迷言」
5.野鳩「村にて」
6.アル☆カンパニー「失望の向こう側」
7.三谷幸喜「国民の映画」
8.野田秀樹「障子の国のティンカーベル」(マルチェロ・マーニ演出版)
9.加藤浩二「イルネス共和国」
10.ノゾエ征爾「サニーサイドアップ」
11.TRASHMASTERS「虚像の礎」
12.官藤官九郎「万獣こわい」
13.イプセン「幽霊」(森新太郎演出)
14.ウェーバー「ラブ・ネバー・ダイ」
15.劇団☆新感線「蒼の乱」
16.木皿泉「ハルナガニ」
17.シベリア少女鉄道「あのっ、先輩…ちょっとお話が…(略)」
18.劇団東京乾電池「そして誰もいなくなった」
19.三谷幸喜「酒と涙とジキルとハイド」
20.赤堀雅秋「殺風景」
21.水族館劇場「嘆きの天使」
22.唐組「桃太郎の母」
23.イキウメ「関数ドミノ」
24.ラフカット2014 20周年スペシャル(松尾スズキなど)
25.野田秀樹「赤鬼」(中屋敷法仁演出)
26.劇団チョコレートケーキ「サラエヴォの黒い手」
27.ナカゴー「ノット・アナザー・ティーン・ムービー」
28.蜷川幸雄「海辺のカフカ」
29.三谷幸喜「抜目のない未亡人」
30.前川知大「太陽2068」(蜷川幸雄演出)
31.宅間孝行「夕ーゆうー」
32.ゲキバカ「0号」
33.サモ・アリナンズ「ビタジルダ」
34.三浦大輔「母に欲す」
35.唐十郎「黄金バット」(オルガン・ヴィトー版)
36.大人の新感線「ラストフラワーズ」
37.ジョンソン&ジャクソン「窓に映るエレジー」
38.カンコンキンシアター28「クドい!」
39.OFFICE SHIKA PRODUCE「山犬」
40.鴻上尚史「朝日のような夕日をつれて2014」
41.ぬいぐるみハンター「おせっかい母ちゃんリビングデッド」
42.大竹野正典「密会」(日澤雄介演出版)
43.三谷幸喜「君となら」
44.パルコミュージカルステージ「ショーガール」
45.ナカゴー「ベネディクトたち」
46.清水邦夫「火のようにさみしい姉がいて」(蜷川幸雄演出版)
47.井上ひさし「てんぷくトリオのコント」(浅草東洋館公演)
48.葛河思潮社「背信」
49.アンガールズ田中「田中が考え中」
50.劇団チョコレートケーキ「親愛なる我が総統」
51.劇団どくんご「OUF!」
52.野鳩「自然消滅物語」
53.OFFICE SHIKA×Cocco「ジルゼの事情」(再演)
54.川村毅「生きると生きないのあいだ」
55.革命アイドル暴走ちゃん「騒音と闇」
56.流山寺★事務所「どんぶりの底」
57.ナイロン100℃「社長吸血記」
58.近藤芳正「御ゑん祭」
59.維新派「透視図」
60.唐組「紙芝居の絵の町で」
61.シべリア少女鉄道「ほのぼの村のなかよしマーチ」
62.吹越満「ポリグラフ」
63.TRASHMASTRES「儚みのしつらえ」
64.岩松了「水の戯れ」
65.三谷幸喜「紫式部ダイアリー」
66.蜷川幸雄「皆既食」
67.三谷幸喜「吉良ですが、なにか?」
68.イキウメ「新しい祝日」
69.中島みゆき「夜会 橋の下のアルカディア」
70.別役実「かきくうきゃく」(ケラ演出版)
71.ミナモザ「見えない雲」
72.マクファーソン「海をゆく者」
73.松尾スズキ「キレイ」

以上の73本です。

それ以外に歌舞伎を今年は数本観ています。
1.スーパー歌舞伎Ⅱ「空ヲ刻ム者」
2.歌舞伎座7月大歌舞伎(昼の部)
3.歌舞伎座8月納涼歌舞伎(第一部)
4.新橋演舞場10月猿之助奮闘興業(昼の部)
5.歌舞伎座12月大歌舞伎(夜の部)
猿之助と海老蔵が興味の中心で、
他はあまり現時点で興味がありません。
玉三郎も吉右衛門も藤十郎も、
良い時に何度も観ているので、
もうあまり観たいと思えません。
勘九郎と染五郎はナルシスティックな毒気が、
僕には拒否反応を起こします。
体操の10点満点のような演技も苦手です。
8月は谷崎の「恐怖時代」が珍しいので参戦しました。

今年の私的なベスト5はこちらです。
同じプロダクションの再演は外しています。
①アル☆カンパニー「失望の向こう側」
http://blog.so-net.ne.jp/rokushin/2014-02-22
平田満の夫婦のユニットに、
三浦大輔が新作を書き下ろし、
小空間の3人芝居(メインは殆ど2人)としたもので、
台本も役者も演出も、
全てが最高で、
極めて濃密な演劇体験を味わうことが出来ました。
これは抜群です。

②OFFICE SHIKA×Cocco「ジルゼの事情」
http://blog.so-net.ne.jp/rokushin/2014-01-25
http://blog.so-net.ne.jp/rokushin/2014-09-21-1
劇団鹿殺しの丸尾丸一郎さんが、
Coccoとの共同作業で作り上げた名舞台で、
シブゲキの小空間で1月に初演されてから、
急遽9月にサンシャイン劇場で再演されました。
出来は再演の方が練り上げられていて、
Coccoの歌のスケールには、
サンシャイン劇場くらいの方が合っているのですが、
初演の小空間にも贅沢な魅力がありました。
Coccoがオリジナルを歌い、
それも勿論最高なのですが、
きちんと演劇になっているのもまた魅力です。
丸尾さんは間違いなくこれをきっかけにメジャーになると思います。

Cocco版「ロッキーホラーショー」です。

③劇団チョコレートケーキ「サラエヴォの黒い手」
http://blog.so-net.ne.jp/rokushin/2014-06-21
僕はなかなか初物に手が出ないので、
これまで観なかったのですが、
今年の最高の収穫は劇団チョコレートケーキを観たことです。
当代社会派の雄で、
昔から歴史ものみたいなものを、
資料を調べて戯曲にするような、
頭でっかちの学生劇団は沢山あったのですが、
ここまで本格的で、
しかもがっちり演出もされているものは、
これまでに僕の知る限りは、
あまり例がなかったと思います。

これは「サラエヴォ事件」という、
ちょっと日本人が今舞台化するのは、
非常に困難に思えるものを敢えて舞台化し、
敢くまで直球、正攻法で描いたもので、
その力強いエネルギーと心意気に魅了されました。
しかし、観終わって見ると、
誰も望まないのに戦争の始まる瞬間を描いているので、
極めて今に即したテーマでもあるのです。
このセンスは並ではありません。
小劇場の呪縛をうけてはいない役者の演技も、
新鮮に感じました。

④維新派「透視図」
http://blog.so-net.ne.jp/rokushin/2014-10-18
関西を主戦場に、
スケールの大きな野外劇を、
一種のプロジェクトとして立ち上げる維新派が、
久しぶりに大阪の、
東京からもアクセスの悪くない場所で公演すると言うので、
これは行かねばと、急遽大阪に向かいました。
正直以前の作品と比較するとスケールは劣るのですが、
演劇としての完成度は高く、
舞台全体が水路と化し、
黒い水面が彼方の実際の水面と合流する、
野外劇ならではの風景には魅了されました。

これを体験しないで死ぬのは、
詰らないと思います。

⑤別役実「かきくうきゃく」(ケラ演出版)
http://blog.so-net.ne.jp/rokushin/2014-12-13-1
これは新作ではないのですが、
別役の旧作に全く新しい演出を付けたもので、
新しいプロダクションとして候補に入れました。

ケラの新作は今年「社長吸血記」の1本で、
そちらを入れたい気持ちもあったのですが、
正直完成された作品ではなく、
まだ「途上」と感じました。
そこにも別役の引用があり、
彼の原点の1つに臨んだのが、
今回の仕事です。

元々は別役の新作を演出する筈でしたが、
別役氏の体調から旧作の新演出となりました。

これは小劇場演劇の鑑のような、
非常に端正で贅沢な仕事で、
ミニマルな世界に多くの英知が結集されています。

この舞台に登場する奥菜恵の「死の花嫁」の、
この世ならぬ美しさに魅了された後では、
「キレイ」の多部未華子は、
矢張り何処か物足りなく思えるのです。

ちなみに再演のべスト3も選びたいと思います。
鴻上尚史「朝日のような夕日をつれて2014」
http://blog.so-net.ne.jp/rokushin/2014-08-10
やっちまったな!、という感じもあるのですが、
矢張り懐かしくてたまらない気分になったのが、
世代的にはこれです。

先日の「キレイ」の再演を観ても思いましたが、
小劇場の劇作家の再演というのは難しくて、
何処か過去の自分を否定したくなるので、
若い時の作品を、
自分の手で老成させてしまうのが常のようです。

その点鴻上さんのこの作品への対応は、
極めてクレヴァーで感心します。

要はポイントとなる部分は、
演出も含めて「完コピ」し、
それ以外の部分は徹底して変えるのです。

ただ、それがどんな作品でもうまくいく訳ではなく、
この作品ならでは、
という点があるのが面白いところです。

再演を重ねても、
以前の良さが古びないで残っているという、
再演作の稀有の成功例です。

今回の上演は、
正直これまでのこの作品の輝かしい上演史の中で、
傑出したものではないと思います。
筧さんと勝村さんがいない穴を、
新たなキャストが埋められているとは言えません。

ただ、オリジナルキャストの大高洋夫さんは、
一世一代の感のある魂の熱演で、
会場の独特のノスタルジックな雰囲気と併せて、
バブル時代の演劇熱の同窓会、
という感がありました。

印象度と言う面では、
今年一番です。

②三谷幸喜「国民の映画」
http://blog.so-net.ne.jp/rokushin/2014-03-01-1
三谷さんは今年も大活躍でしたが、
残念ながら新作には、
見るべきものがありませんでした。

この作品は震災直後に公演された、
という不運がありましたが、
三谷さんの代表作の1つであることは間違いなく、
初演を越えようという、気概のこもった上演でした。

何度も書きましたが、
ナチの高官を主役にしてコメディを作る、
という荒技は三谷さんならではです。

主役の小日向さんは、
彼の長い演技歴の中でも、
ベストと言って良い名演です。

唯一ゲーリング役が、
いつも嵌らないのが惜しまれます。

③マクファーソン「海をゆく者」
http://blog.so-net.ne.jp/rokushin/2014-12-21
これは僕の嫌いな、
小田島訳、栗山演出の翻訳劇ですが、
キャストの5人が素晴らしく、
作品も展開は三谷幸喜さんのようなので、
キリスト教ベースの馴染みのなさはありますが、
特に後半は非常に楽しめました。

それぞれ今年はベストの芝居を見せたと思う、
平田満と小日向文世が共演する、
というだけでもたまりません。
小日向さんが○○役、というだけでも洒落ています。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い年の瀬をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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コメント 5

CountryBoy

本年は有難うございました
来年も宜しくお願い致します
どうぞ良いお年をお迎えください
by CountryBoy (2014-12-30 17:10) 

Silvermac

ご自愛下さい。
by Silvermac (2014-12-30 20:14) 

まみしゃん

石原先生、今年もお世話になりました。

今日受診した当番医は、ほぼインフル患者さんでワクチンをしている方がほとんどでした。

先生も、くれぐれもご自愛のうえ佳き新年をお迎えくださいね。
by まみしゃん (2014-12-31 00:11) 

fujiki

CountryBoyさんへ
今年1年ありがとうございました。
良いお年をお迎え下さい。
by fujiki (2014-12-31 09:56) 

fujiki

まみしゃんさんへ
すいません。
一足先に休みに入っています。
今年1年ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
by fujiki (2014-12-31 09:57) 

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