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ほりぶん 第6回公演「牛久沼3」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は祝日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ほりぶん牛久沼3.jpg
ナカゴーの怪人鎌田順也さんの別ユニット、
ほりぶんの第6回公演として、
「牛久沼3」が本日まで上演されています。

ほりぶんはワンピース姿の女性しか登場しない、
というお芝居を上演し続けていますが、
はえぎわの怪女優川上友里さんがメインで、
周囲も大暴れ上等の肉体派の皆さんが揃っているので、
ある意味ナカゴーよりラディカルでシュールな世界が展開されます。

今回の作品は2017年に第4回公演として上演された、
「牛久沼」のシリーズ第3作で、
前作は牛久沼の最後のウナギを釣り上げた親子が、
それぞれの理由でウナギを求める女性達と、
壮絶なウナギ争奪戦を繰り広げるというお話でした。

今回の続編は第1作から3年後という設定で、
今度は母親のために子供が1人で、
もう絶対にいないと思われていたウナギを釣り上げるのですが、
同じように因縁のある女性達が次々と出現して、
再び仁義なきウナギ争奪戦が繰り広げられます。

今回のメインは最強の敵と称される、
ナイロン100℃の菊池明明さん演じる「疲れ知らずさん」で、
もう妖怪と言って良いような怪演で、
大バトルが何もない素舞台で展開されるのです。

当日渡される資料には、
何とまだ上演すら未定の「牛久沼4」まで網羅した、
あらすじ集が付いていて、
鎌田さんの独特の拘りが感じられます。

本当に子供の空想のように、
牛久沼の世界が拡大されて行く様が面白く、
是非末永い上演を期待したいと思いました。

さて、鎌田さんの劇作は、
そのシュールで奔放な想像力はそのままに、
最近の作品ではドラマの部分で成熟度が増しています。
今回の作品でも、
主人公となった文子という娘が、
追っ手が迫っているにもかかわらず、
絶対に走らないという母親との約束を守り、
そのために却って危機に陥るも、
最後にはトラウマを克服して走り出す、
というドラマとしての縦筋が明確にあり、
母親との対話が練り上げられていることで、
その部分の説得力が増している、
と言う点が大きな特徴です。

こうしたドラマに説得力があり、
かつしっかりと笑いの要素もそこに散りばめられている、
と言う点に劇作としての成熟があり、
鎌田さんの世界が、
新たなステージに昇りつつあることが感じられました。

キャストのエネルギー全開の大暴れはいつも通りでしたが、
今回はやや粘着でウェットな芝居の人が多く、
やや腹にもたれる感じがあったのと、
あまりに体当たりで皆さん傷だらけなのが痛々しく、
特に菊池明明さんはそのとぼけたキャラが、
個人的には大好きであったので、
今回の捨て身の妖怪演技は、
さすがにちょっとなあ、と、
これも痛々しい感じを覚えてしまいました。

もう少し女優さんの美しさもいかした、
素敵な感じもあると良かったですね。
肉体派ばかりでは少しきついな、と感じました。

たとえばですが、
菊池さんは前半はもっと乙女チックに登場して、
後半で妖怪化しても良かったのではないでしょうか?

いずれにしても、
鎌田さん以外ではなし得ない唯一無二のお芝居で、
初見の方なら呆然自失を約束する怪作です。
是非体力を付けてご覧下さい。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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「プーと大人になった僕」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
プーと大人になった僕.jpg
ディズニーが熊のプーさんの後日談を実写映画化しました。

これはディズニーの作品としては、
趣味的な感じのする小品で、
作り手が作りたい作品を作った、
というその意味では愛すべき映画です。
そもそもヒットを狙った感じではなく、
公開後1週間の映画館もガラガラでした。

元々アニメ化されたプーさんは、
かなりアメリカナイズされたもので、
公開当時には原作者サイドから批判のあったようです。

それを意識したものかどうか、
今回の実写映画は、
原作通りにイギリスを舞台にしていて、
時代も1949年に設定され、
非常にノスタルジックな感じのする物語になっています。

原作は7歳のクリストファー・ロビン少年が、
ぬいぐるみのプーさん達との生活に、
別れを告げることで終わるのですが、
今回の映画はその場面から始まって、
その後大人になり仕事人間となってしまったクリストファー・ロビンが、
20年ぶりにプーとその仲間たちに再会する、
というドラマになっています。

ロビンがなくした仕事の書類を、
彼の娘とプーさん達森の仲間が、
届けようと旅をするのがクライマックスですから、
とてもとても地味なお話しなのですが、
原作のキャラクターを忠実に再現した細部には、
かなりのこだわりが感じられます。

ロビンは総合商社のカバン部門を指揮している、
と言う設定で、
お金持ちのバカンス用のカバンを作っていたのですが、
戦後すぐという時代で、
お金持ちもバカンスをするような余裕はなく、
カバンが売れなくなってしまいます。

それでボンボンの2代目社長(?)からは、
コストを20%削減しなければ、
カバン部門を廃止すると宣告されてしまいます。

困ったロビンは家族との約束を反故にして、
旅行もキャンセルしてその削減案の書類を作るのですが、
プーさんとその仲間が書類を失くしてしまうのです。

書類もなしに会社の会議に行ったロビンは、
果たしてどのようなプランを出すのでしょうか?

皆さんはどう思いますか?

要するに、
「家族でディズニーランドで遊ぼう。そうすれば経済も廻って上手くいくよ」
というディズニーに都合の良い結論になるのですが、
その道徳的な結論が、
にわかに首肯出来ないものの、
「なるほど、これが1つの今の時代の正解とされることなのか」
とそう思うと興味深くも感じます。

原作を知らない方には、
汚れたぬいぐるみがそのまま動くビジュアルは、
ちょっと異様に感じるかも知れません。
ただ、これが原作の通りなのです。

まあ、ぬいぐるみが本物の動物と一緒に、
森で楽しく暮らしているという物語を、
そのまま実写で表現する、
というのはかなり無理がありますよね。

童話をそのまま実写にするというのは、
今のような高度の技術をもってしても、
基本的に無理のあることなのかも知れません。

そんな訳でかなり観客を選ぶ作品だと思いますが、
ディズニーとしては本気で趣味に走ったと思える1本で、
人によってはかつての「不思議の国のアリス(アニメ版)」のように、
偏愛の対象となる作品となるかも知れません。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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プッチーニ「マノン・レスコー」(2018年ローマ歌劇場来日公演) [オペラ]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前中は石田医師が、
午後2時以降は石原が外来を担当する予定です。

今日は土曜日なので趣味の話題です。
今日はこちら。
マノンレスコー.jpg
ローマ歌劇場の来日公演の演目として、
プッチーニの「マノン・レスコー」が上演され、
その神奈川県民ホールの舞台に足を運びました。

プレヴォーの小説「マノン・レスコー」は、
オペラやバレエとして、
これまでに何度も劇化されています。

今上演されている中で最も古いのが、
フランスのオーベール作曲によるオペラで、
これは日本で上演されたことは、
本格的にはほぼないと思います。
海外で上演された録画がDVDなどで観ることは出来て、
それを観るとロッシーニに近い、
超絶歌唱連続の楽しい作品です。

次にフランスで作曲されたのがマスネによる「マノン」で、
デセイ様やネトレプコなどの名歌手が上演したことで、
最近は上演されることの多いヴァージョンです。
如何にもフランスオペラらしい、
楽しく情感や切なさにも満ちた素敵な作品で、
場が多すぎて、やや長く繰り返しの多い点が難です。
僕は新国立劇場で上演されたものと、
英国ロイヤルオペラで、
アンナ・ネトレプコが演じたものを生で聴いています。
ネトレプコ版は同じ公演を2回聴きましたが、
これはもう抜群でした。
大興奮!

そしてもう1つのオペラ版マノンが、
このプッチーニの「マノン・レスコー」です。

プッチーニのマノンは彼の出世作ですが、
ドラマを重視したより新しいオペラとなっていて、
音楽を利用した情景描写が非常に長いということと、
ダイナミックで膨らみのある感情表現が魅力です。

こちらもこれまで日本で上演される機会は決して多くはなく、
僕は2012年に新国立劇場で上演したものを1回聴いているだけで、
今回が2回目の機会です。

今回の上演は主役のマノンを歌った、
クリスティーネ・オポライスの初来日が目玉で、
相手役のグレゴリー・クンデも、
オテロなどを得意とする名テノールです。

正直僕の聴いた舞台は、
まだオーケストラと歌手とのコンビネーションが今ひとつで、
とても良いところがある一方で、
オケと声とのタイミングが合わなかったり、
声が消されるような部分も多く、
やや欲求不満の気味の出来であったように思います。

大柄で恰幅の良いクンデが、
純真な学生役というのもちょっと違和感があります。

オポライスはさすがの迫力で、
2幕の二重唱の部分など、
もの凄くエロチックで肉感的であることに驚きました。
ビジュアルも抜群の美しさです。

これでもう少し音と歌のバランスが良ければなあ、
とは何度も思いましたが、
これはもう舞台は生ものなので仕方がありません。

演出もセンスのあるもので、
トータルにはさすがのクオリティであったと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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新規インフルエンザ治療薬パロキサビル マルボキシル(ゾフルーザ)の臨床試験データ [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
ゾフルーザの臨床データ.jpg
2018年のthe New England Journal of Medicine誌に掲載された、
インフルエンザの新薬である商品名ゾフルーザの、
発売前の臨床試験データをまとめた論文です。

インフルエンザの治療薬には、
世界中で広く使用されている、
オセルタミビル(商品名タミフル)、
吸入薬のザナミビル(商品名リレンザ)以外に、
使用が1回で済む吸入薬のラニナミビル(商品名イナビル)、
注射薬のペラミビル(商品名ラピアクタ)、
ファビビラビル(商品名アビガン)があります。

注射薬のイナビルは日本以外では殆ど使用されておらず、
注射薬のラピアクタは日本以外では、
重症時やハイリスク時のみの使用が一般的です。
アビガンはそれまでとはメカニズムの異なる治療薬で、
現状はパンデミック時など国がその使用を許可した場合のみ、
その使用が可能となる医薬品という特殊な位置づけとなっています。

そこに更に今回、
また新たなメカニズムを持つインフルエンザ治療薬として、
ゾフルーザが加わりました。

メカニズムから見ると、
タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタは、
いずれもノイラミニダーゼ阻害剤で、
感染した細胞内で増殖したウイルスが、
他の細胞に感染することを防ぐ仕組みの薬です。

一方でアビガンは、
感染細胞内でウイルスが増殖するのに必要な、
RNAポリメラーゼの阻害剤です。

そして今回のゾフルーザは、
アビガンとは別個の、
細胞内でウイルスが増殖するのに必要な酵素である、
キャップ依存性エンドヌクレアーゼの阻害剤です。

ゾフルーザは通常より早いペースで日本では承認が進み、
2018年の3月に発売されました。
当初はアビガンと同じように、
パンデミック時などの使用とする方針もあったようですが、
実際に発売されてみると、
特にそうした制限はなく、
製薬会社の担当の方のお話を聞いても、
現行どのような場合に使用するべきという指針はなく、
自由に処方して問題はないというお話でした。

この薬剤は感染細胞でのウイルスの増殖を抑えるので、
タミフルやリレンザより効果が迅速で、
体内で49から91時間という長い半減期を持っているため、
内服で1回のみの使用で充分という特徴があります。

今回発表された第3相臨床試験の結果では、
12から64歳のインフルエンザ症状の患者に対して、
ゾフルーザ使用群と、
タミフルを1日150mgの5日間使用群、
そして偽薬群の3群に分けて、
その予後を比較検証しています。
最終的に解析された人数は1064名で、
その8割は日本での登録者です。

その結果、
症状改善までに要する時間は、
偽薬で80.2時間であったのに対して、
タミフル群では53.8時間、
ゾフルーザ群で53.7時間となっていました。
つまり、ゾフルーザを使用することにより、
インフルエンザの発熱などの症状が、
タミフルと同様に1日程度短縮する効果があります。
ウイルスが検出されなくなるまでの期間は、
タミフルよりゾフルーザがより短くなっていました。

ただ、ゾフルーザの効果が減弱するような遺伝子変異も、
9.7%に認められていました。
仮にこうした変異のあるウイルスの感染に対して、
ゾフルーザをすると、
使用しない場合と比較して、
むしろウイルスの排泄に時間の掛かることが想定されます。

本来こうした薬剤の有効性は、
重症化予防や生命予後の改善効果などで判断されるべきですが、
通常健常者の感染の予後は良いインフルエンザの場合、
こうした臨床試験で当面の判断はせざるを得ず、
現状はその効果はタミフルと同等と、
そう考えるのが妥当であるようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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健康な高齢者へのアスピリン使用の生命予後への影響 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
アスピリンの高齢者へのリスク.jpg
2018年のthe New England Journal of Medicine誌に掲載された、
70歳以上の高齢者に低用量のアスピリンを使用した場合の、
生命予後への影響を検証した論文です。

低用量(1日80から100mg)のアスピリンには、
抗血小板作用があり。
心血管疾患の再発予防や、
消化器系の癌(腺癌)の進行予防効果が確認されています。
その一方で出血系の合併症のリスクは高めるので、
まだ心血管疾患や癌を発症していない、
健康な高齢者に使用を継続した時に、
果たして健康面にトータルでメリットがあるのか、
というのは未だ解決されていない問題です。

そこで2010年から2014年に掛けて、
オーストラリアとアメリカの70歳以上
(アメリカの黒人とヒスパニックは65歳以上)
の一般住民で、
心血管疾患や認知症などがなく生活上の問題のない、
トータル19114名を登録してくじ引きで2群に分け、
本人にも実施者にも分からないように、
一方はアスピリンを毎日100mgを使用し、
もう一方は偽薬を使用して、
中央値で4.7年の経過観察を行っています。

その結果、
アスピリンの使用は健康寿命の延長に、
有意な効果は認められず、
総死亡のリスクはむしろアスピリン群で増加する、
という意外な結果が得られました。

その結果は別個に論文として発表されていますが、
今回の論文では、
アスピリンによる総死亡リスクの増加について、
個々の死因を分析するなど、
より詳細な解析を行っています。

その結果、
アスピリン群では年間1000人当り、
12.7件の死亡が発症していたのに対して、
偽薬群では11.1件で、
アスピリンは総死亡のリスクを、
1.14倍(95%CI:1.01から1.29)有意に増加させていました。
この原因を死因毎に検索したところ、
この差の原因は、主に癌死亡の差によっていました。
ただ、特定の癌死亡が増えているということはなく、
出血系の合併症が、
癌の患者さんの予後を変えている、
という証拠も得られませんでした。

癌が進行したケースでは、
実際には多くの対象者が登録から外れてしまっているので、
アスピリンが癌の進行を早めた、
というメカニズムは考えにくそうです。

この結果はこれまでの同種の疫学データとは、
一致しないものであるのですが、
比較的健康な高齢者が、
一次予防や健康寿命の延長目的でアスピリンを使用することには、
より慎重である必要があるようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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