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ジム・シャーマンの「帽子からウサギの出現」 [マジック]

こんにちは。
石原藤樹です

今日は日曜日で診療所は休診です。
もう診療所での診察も、
15日を残すだけになりました。

休みの日は趣味の話題です。

今日は珍しくマジックの話題です。

マジックは一時は大分入れ込んでいたのですが、
才能がありませんでした。
ただ、今でも時々ムラムラと練習したくなったりもします。

カードひと組だけを武器に、
マジックを見せながら世界を放浪することが夢でした。

僕がマジックに入れ込んでいた当時は、
マリックさんはまだ松尾さんという本名で、
手品の通販をしたりしていました。
ビデオはあっても1本3万円とか非常に高価で、
マジックは本で覚えるのが本道でした。
日本の本にはあまり良いものがなく、
洋書を専門店で購入して、
英語を読みながらトリックの練習をしたのです。

その頃に覚えたマジックの方が、
DVDで覚えたマジックよりも、
意外に忘れず出来も良かったりするのが、
人間の不思議です。

今日は僕がかつて感動した、
マジックの解説の話です。

それがこちら。
ターベルコースインマジック.jpg
マジックの本で感動するなどということは、
滅多にないのですが、
この本の巻末にある、
ジム・シャーマンの「帽子からウサギの出現」の解説には、
掛け値なしの感動を覚えました。

ジム・シャーマンは脱出王として名高いハリー・フーディニと、
同時期に活躍したアメリカのマジシャンで、
その当たり芸が、
シルクハットから生きたウサギが出現する、
というマジックです。

皆さんは代表的なマジックを、
何か1つ思い浮かべるとしたら、
何になりますか?

今は空中浮遊のイリュージョンとか、
カードやコインのマジックでしょうか?

戦中戦後くらいの時期には、
それは鳩が空中やスカーフの中から出現するマジックで、
それ以前の20世紀初頭の時代には、
この「帽子からウサギが出現する」
というマジックでした。

そして、
このマジックを流行させたマジシャンこそ、
ジム・シャーマンです。

「帽子からウサギの出現」は、
彼の舞台の一番最後に演じられました。

消えた大きなサイコロが、
シルクハットの中から出現するマジックがあり、
それが終わったタイミングで、
1人の観客を舞台に上げます。
勿論サクラではありません。

シャーマンはサイコロを取り出した後のシルクハットの中に、
何もないことを、
その観客に確認させます。
そしてもう一度観客にシルクハットを渡し、
それを頭の上で掲げて持たせるのです。
この時点でシルクハットの周囲に何もないことは、
客席の観客にも間違いなく見えています。

シャーマンがシルクハットに合図を送ると、
それが急に重くなったことが、
その観客によって確認されます。

そして、
掲げた手を下させて、
シャーマンが「空の」手をシルクハットに入れると、
生きたウサギが見事に姿を現すのです。

本当に無の世界から、
忽然とウサギが出現したように見えます。

このマジックの凄いところは、
一般の観客だけではなく、
同時代のプロのマジシャンにとっても、
このマジックが奇跡のように見えたことにあります。

脱出王のフーディニは、
「絶対にある筈がないのに、
それでもウサギが現れる」
とその妙技を絶賛しました。

上にご紹介した「ターベル・コース・イン・マジック」は、
世界で初めてのマジックの百科事典という触れ込みの大著で、
日本版は第8巻まで刊行されています。

元の作者のハーラン・ターベルは、
自身もプロマジシャンで、
後進を育てるために、
マジックの一種の通信教育を始めました。
1926年のことです。
そのテキストがこの本の始まりで、
後半はターベル以外の作者による解説も、
同時に納められています。

その内容は今読むと他愛のないものもありますが、
シャーマンの「帽子からウサギの出現」や、
チン・リン・フーの「マスター・ロープ・ミステリー」、
アンネマンの「不可能な予言」など、
かつての名マジシャンの、
伝説的な至芸の真実を、
マジックの愛に満ちた抜群の筆致で、
後世に記録として残した意義は大きいと思います。

シャーマンの件はこのように始まります。

【何年もの間、ジム・シャーマンはこの帽子からウサギをとり出す手品によって、一般の観客や手品師をあざむいてきました。(中略)たしかにたくさんのウサギの出現現象がありますが、この方法は巧妙に構成されており、センセーショナルな効果をあげるものです。本当に自然であり、単純明快な現象です。シャーマンの演じた方法そのものが公開されるのは今回が初めてです。当書のために貴重な秘密を提供し、手品界に残してくれたことに対し、シャーマンに心から感謝いたします。】

その後、素晴らしいその秘密の開示があり、
そしてラストには次のような感動的な締め括りがあります。

【シャーマンがこの手品を演じ、観客に対して強烈な効果を与えているのを、私は何回もこの目で見ていますが、読者諸氏へのお願いがあります。以上のさし絵を見ただけで、この手品をすぐ演じようなどとは考えないでください。そんなにすぐにこの手品をうまくできる人は1人もいません。タイミングと視線の角度がしっかりと心に溶けこむまで、さらに、いろいろな動作とセリフにまごつかなくなるまで、何回も何回も練習してください。手品師仲間か家族の人に手伝ってもらい、客の役をやってもらい、練習に練習を重ねてください。そのあといつかあなたがみごとに演じているところを拝見したいものです。】

ね、
何か感動的でしょ。

このマジックはあまりタネらしいものはなく、
要するにタイミングだけの至芸なのです。
従って、
絶対にテレビで演じるようなことは出来ません。
真のマジックとはこうしたもので、
一部の人に真の感動と感銘を与えながら、
一般には記録に残ることもなく、
歴史の闇に消えて行く、
儚く美しい藝術の煌きのことなのです。

今日は僕が感動したマジック解説の話でした。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

クラシックマジック画像集 [マジック]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は祝日で診療所は休診です。
いつものように朝は駒沢公園まで行って、
帰りにちょっと雨に降られ、
妻はまた入院かなあ、
などと考えると憂鬱な気分は晴れません。

それでは今日の話題です。

今日はマジック界のかつての名人の画像を、
ちょっと皆さんに観て頂きます。

概ね戦前から1960年代くらいが、
全盛期で活躍をされた方々です。
勿論皆さん鬼籍に入っています。

まず最初の画像は、
マジック界きっての鬼才、
ジェリー・アンドラスがテレビに出演した時の画像です。
マジックそのものではなく、
彼のオリジナルになる、
錯視のギミックを紹介しています。
皆さんは他で見られたものもあるかも知れませんが、
実は全てオリジナルはこのオジサンです。

後半のグルグル廻るラセンをしばらく見ていると、
周りの風景が歪んで見えます。
その不思議な効果は画像でも確認出来ます。
面白いでしょ。
これは以前はレコード盤で廻すタイプのものが市販されていて、
僕は彼自身から買いました。
1994年に横浜で開かれたマジックの世界大会、
FISM に来日した時のことです。

彼は会場のロビーでこうした自分の発明品を、
皆に説明しながら展示していました。
勿論全ておじさんの手作りです。
中にはもう壊れかけたものもありました。

本業のマジックも独創的で不思議なのですが、
高齢になってからの画像しかなく、
種が丸見えの感じなので、
ご紹介できるものがありません。

FISM での来日時にはレクチャーもしたのですが、
この時も種が丸見えで、
ちょっと切ない気分になりながら、
観ていた覚えがあります。

ただ、彼の発明品は、
今でも現役の多くのマジシャンに使われています。

では次の画像です。
ミスディレクションの名人と言われた、
トニー・スライディニーが、
たった1枚のコインだけを使う名人芸、
「ワン・コイン・ルーティーン」を演じています。
かなり昔のテレビのビデオで、
画像は悪いのですが、
彼の生前の画像は、
こんなものしかないのです。

何となく雰囲気はお感じになれたでしょうか。
独特のスタイルですよね。
これは実際に観れば極めて不思議なのです。

では次に極めつけを。
同じ名人スライディニーの、
「紙玉のコメディ」です。
これもテレビなどで、
他のマジシャンが演じるのを、
ご覧になった方が多いのではないかと思います。
舞台上に1人の観客を挙げ、
その客のみに奇跡が見え、
他の観客にはその種が見えます。
この素晴らしいアイデアが、
彼の独創なのです。
その見事な手さばきをご覧下さい。


最後は最高のクローズアップマジシャンとして、
今ある多くのマジックの原型を作った、
ダイ・ヴァーノンの画像です。
81歳の彼が代表作のカップ&ボールを演じています。
最後は失敗していて、
それ以外にも怪しげなところが散見されますが、
80代でこの演技は見事なもので、
過去の名演が偲ばれます。



今日はマジック黄金時代の名人芸の幾つかを、
観て頂きました。
ここに登場したような名人は、
基本的に自分で考案した純粋なオリジナルしか、
演じてはいません。
マリックとかセロとかという人達は、
基本的に他人が考案したマジックを、
演じているだけなので、
その意味合いはまるで違うのです。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

コインボックスのことなど [マジック]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は休みで1日家にいるつもりです。

肩凝りが酷くて、
去年の夏前には右手の痛みに悩まされたのですが、
今年は6月頃から今度は左肩から、
左肘、左手が動かす度に酷く痛み、
動かさなくても重だるい感じで、
正直気分は最悪です。

以前診療所に来てもらっていた鍼灸師のところに行こうかな、
と思うのですが、場所が横浜なので、
なかなかその時間が取れません。
自分が医者でこんなことを言うのはあれですが、
医者に行くのは基本的に嫌で、
(医者って概ね胸のむかつくような嫌な奴でしょ)
特に整形外科は大嫌いなので、
行くくらいなら死んだ方がましかな、
と思いますし、
非常に困ります。

大学時代に手かざしの宗教の方が見えて、
僕の肩に手をかざし、
悪い悪霊が憑いているので、
除霊をした方がいい、
といきなり言われたのですが、
「別にいいから、そのまま付けといて下さい」と言って、
追い返してしまったのです。
それがやっぱり悪かったのかしら、
とちょっと後悔したりもしています。
ただ、ちょっと卑怯なやり方で、
最初に友達と一緒に、
ちょっと魅力的な20代くらいの女性の方が見えて、
「もう一度来てもいいかしら」
と言うので、
「いいですよ」とうっかり言うと、
次に来たのは最初とは別人の、
ぞっとしない50代くらいのおばさんでした。
そのおばさんにいきなり「肩に悪霊」と言われたので、
こっちも腹が立ったのです。

おばさんすいません。
もし怒っているのなら、許して痛みを取って下さい。

以前マジックに凝っていて、
今も嫌いではないのですが、
本当に久しぶりにちょっと練習する気になって、
たまたま以前買った「トリックコイン」を開いてみたら、
古いゴムが切れて使えなくなっていました。

「トリックコイン」というのは大きな声では言えませんが、
仕掛けのあるコインのことです。
この仕掛けにゴムが使われていることがあり、
それが長持ちせず、すぐに切れてしまうのです。
おまけにそのゴムが長く放っておいたので、
溶けてこびりついています。

カッターの刃で、こびりついたゴムを取り、
両面テープをはがして、
新しいゴムを替えました。
1時間以上かけて、そんなことをやっているのですから、
本当に馬鹿ですね。

今日はちょっと僕のコレクションを見て下さい。
まずこれです。

これは20年くらい前に、
テンヨーという日本の会社から発売された、
コインボックスのセットです。
コインボックスと言うのは、
500円玉みたいなコインの入る小さな金属の容器で、
その中に入ったコインが消えたり、
変化したり、増えたりするマジックです。

仕掛けのないコインボックスの手順もありますが、
仕掛けのある方が、奇麗に見えます。
これは9種類のそれぞれ仕掛けの異なるボックスのセットで、
多分今は売っていないと思います。
当時も限定品でした。
ただ、残念ながら安物のメッキで、
画像でも分かるかも知れませんが、
メッキが所々剥がれています。

では次を。

これも他に僕の持っている、
コインボックスを並べたものです。
右上のものは、「サワボックス」と言って、
沢浩さんという日本人の天才的マジシャンの発明品です。
これも20年くらい前に手に入れました。
結構珍しいものだったのですが、
最近再発売されて値段も当時より安いので、
ちょっとがっかりしています。
質はでも、以前のものの方が上ではないかと思います。
これは本当に天才的な発明品だと思います。
ボックスの中のコインが、
極めてビジュアルに、
1枚ずつ増えたり減ったりします。
ただ、演じるにはかなりのテクニックが必要です。
続いて、左上は海外の作品で、
詳しくは言えませんが、
「サワボックス」に似た発想の作品です。
しかし、その精密さは、「サワボックス」の方が上ですね。
下にあるのは、平田さんという日本のマジシャンの、
オリジナルのコインボックスです。
まあ、色々な従来の仕掛けを組み合わせたようなものですね。
ボックスの中のコインが消え、
最後は水になってしまいます。

では最後です。

右側の怪しい袋は、
以前もご紹介した「スーパーインテリジェント」という作品。
一種のテープレコーダーで、トランプの赤と黒の配列を、
予言して声で知らせる、というアイデア作品です。
天才ルーパー・フィードラーの発明品。
そして、左側のマッチは、
中のマッチ棒がひとりでに動いて、
ダンスを踊る、という珍品です。
ただ、実演は非常に困難で、
僕も実際にやったことはありません。

今日は僕のマジック用具の棚卸でした。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんは良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

続・ルーパー・フィドラーの世界 [マジック]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

明日から、診療所は通常の診療に戻ります。
休みモードから、何とか今日1日で、
仕事モードに戻して行かないといけないのですが、
いつもなかなかうまく行きません。

それでは、今日の話題です。

昨日に続いて、
マジック界の異才、
ルーパー・フィドラーのマジックの話を、
ちょっとします。

フィドラーが考案したマジックの傑作に、
「スーパー・インテリジェント」」というものがあります。

小さいテープレコーダーのような機械が、
安っぽい布の袋の中に入っています。

フィドラーはそれを取り出し、
「これは私が開発した小型の電子頭脳だ」、
と言います。
非常に古めかしく、怪しげな感じがします。

それから一組のカードを取り出すと、
お客さんに渡して、
自由に切ってもらいます。
これは本当に何の仕掛けもない、
普通のトランプなんです。
お客さんに切ってもらうので、
その順番はばらばらになります。

その一組を、
そのままテーブルの上に置きます。

そこでフィドラーは言います。
「トランプには赤と黒のカードが、
丁度同数ずつあります。
その赤いカードと黒いカードが、
今どういう順番になっているかは、
誰にも分かりません。
その順番を、この小型電子頭脳で計算してみましょう」。

フィドラーは機械のスイッチを入れ、
それから、裏向きのカードの山を、
上から順にめくっていきます。
何の技法も使わず、
ただめくっていくだけです。

すると、驚いたことに…

カードをめくるタイミングに合わせるように、
機械から録音された声が聞こえて来ます。
それが、「赤、黒、赤…」のように、
見事にカードの赤と黒の順番を当てているのです。
このようにして、
機械の声は一組52枚全ての赤と黒の順番を、
完全に当ててしまいます。

凄いでしょ。

このマジックはこの機械以外の、
何の道具も助手もサクラも、
その一切を使わずに実演出来るのです。

皆さんは一体どういうタネがあると思いますか?

大抵のマジックはタネ自体は「なあんだ」、
と思うようなものが多いのですが、
これはタネを聞いても、
さすが、と感心します。

フィドラーの天才を感じさせる発明品です。

ただ、この機械を手にしても、
実演はちょっときついのですね。
およそありとあらゆる他人の発明品を、
テレビで演じているミスター・マリックやセロも、
(彼らの演じているマジックに、
自分の発明品などただの1つもないんですよ)
このマジックはやったことはないと思います。
まあ、カードをめくる時間が、
かなり単調でテレビ的でないのもその理由なのでしょうが、
それ以上に実演の困難さがあるのですね。

フィドラーのマジックのタネは、
天才的な発想なのですが、
それを使いやすくする才能には、
どうも恵まれていないのですね。

今日はフィドラーのマジックの話でした。
マニアックな話ですいません。

明日は診療所も診察が始まります。
また、医療の話題をお届けしますね。

石原がお送りしました。

ルーパー・フィドラーの世界 [マジック]


こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日はまだ休みなので、
マジックの話題です。

上の写真はオーストリアのマジシャン、
ルーパー・フィドラーが、
日本のテレビに以前出演した時のものです。

銀色の怪しげな物体が、
彼の前に浮いています。
そこにオレンジ色の輪を通そうとしている所です。

これは一応灰皿だという説明で、
「空飛ぶ灰皿」というマジックです。
UFO という説明で、
演じられたこともありました。

彼は科学者として働いていた、
という触れ込みで、
独創的な発明品の多い、
異色のマジシャンです。
勿論彼も自分のオリジナルしか演じません。

このトリックも、確かに新しい発想です。

皆さんはどうして灰皿が宙に浮いている、
と思いますか?

普通考えるのは、「見えない糸」で吊っているのだ、
というものですね。
このマジックも「糸」を完全に使っていない訳ではないのですが、
基本的な原理はまるで違います。

ただ、あまり実用的なトリックではないですね。

彼のようなマジシャンは自作を通販で売っていて、
僕も昔この作品を買ったことがあります。

これはもう大失敗。
とても実演出来るような代物ではありません。
まあ、マジックとはそうしたものですね。

それでは今日はこのくらいで。

良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

ファン・タマリッツの世界 [マジック]


こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日はちょっと溜まった郵便の整理をしてから、
診療所に行って、
書類の整理を少しやろうかと思っています。
貧乏症ですね。

昨日は在宅で診ている方のご家族から、
相談のお電話があって、
それから老人ホームには出動しました。

それでは今日もマジックの話などします。

上の写真はスペインのマジシャン、
ファン・タマリッツです。
怪しげなおじさんキャラですが、
カードマジックの名手で、
学究肌のマジシャンです。
その演技は一見奔放で大雑把に見えますが、
実は鋭利な頭脳と緻密な計算に支えられています。

昨日お話した1994年のマジックの国際大会に来日。
その時に生の演技を見ました。
これは最高でしたし、
感銘を受けました。

1つだけお話しますとね、
観客が選んだカードが、
他の観客のポケットから出て来るんですが、
それには予め客のポケットに、
カードを仕込んでおく必要があるのです。

タマリッツは自分の出番の前にさりげなく入って来て、
立っている客とちょこっと話をするのです。
そこでその客のポケットに、
するりとカードを滑り込ませます。
こういうことをさりげなく出来るのが、
まあ本当のプロですね。

日本のテレビで、
よくそうしたマジックが演じられますが、
通常は「サクラ」を使っているのです。
それをしないのが、
タマリッツの腕です。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

ジェリー・アンドラスの世界 [マジック]


こんにちは。
六号通り診療所の石原です。
今日は休みで、
さっき旅行から戻って来たところです。

皆さんは年末如何お過ごしでしょうか?

今日はまた、マジックの話題です。

上の写真の白髪のおじいさんは、
ジェリー・アンドラス(Jerry Andruss)。
独創的なマジックを多く考案した、
伝説的なマジシャンの1人です。
勿論もう鬼籍に入っています。

写真で演じているのは、
彼の代表作の1つ「ゾーン・ゼロ」というマジックです。

ええと、写真で右手に黄色いボールを持ち、
左手に厚紙の板を持っています。
厚紙は長方形をしていて、
真ん中に丁度ボールが入る大きさの、
丸い穴が開いています。
その両方とも、
タネは全くありません。
ただのボールとただの紙の板です。

アンドラスおじさんは、
この紙に開いたただの穴が、
「ゾーン・ゼロ」という別の空間に繋がっているのだ、
と言います。
「その証拠を見せよう」と言って、
穴の中にひょいとボールを投げ入れます。

すると…

ボールが鮮やかに消え失せます。

その手つきに不自然なところは何もなく、
板の裏と表を見せますが、
ボールは何処にも見当たりません。

それからおじさんは、
今度はただの穴に空の手を差し入れて、
そのボールを虚空から取り出して見せます。

皆さんはどうしたらこんなことが出来ると思いますか?

まあ、ボールを観客の視覚から、
巧みに外した場所に隠しているのですが、
その隠し方が一連の動きの流れになっていて、
それが独創的で芸術的なのです。
今でもこのマジックをアレンジして、
テレビなどで演じているマジシャンは、
時々いますね。
それだけ息の長いテクニックだと、
言うことが出来ます。

面白いですよ。

実はアンドラスおじさんは、
僕は実際に演技を見たことがあります。
1994年に日本で、
マジックの国際大会があって、
その時に来日したのです。
この「ゾーン・ゼロ」も、
目の前で演じてくれました。
ただ、もうかなりのお年で、
演技も往年の冴えはなく、
見えたらまずい筈の、
隠れているボールも、
ちらちら見えてしまいました。

ちょっと切ない気分になりましたね。

まあ、マジックとは、
良くも悪くもそうしたものなのです。

アンドラスおじさんは、
本当に真摯な人柄で、
マジックの鬼そのものです。
僕はファンになりましたし、
全盛期に見たかったな、と心底思いましたね。

それでは今日はこのくらいで。

良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

リチャード・ロスの世界 [マジック]


こんにちは。
六号通り診療所の石原です。
今日はもう、こんばんは、の時間ですね。

機械に強い弟に家に来てもらって、
コンピューターがようやく直りました。
ホームサーバー機能という変な機能が、
ネットへの接続を妨害していたらしく、
それを修復したら繋がりました。
8月に壊れてから、
画像を取り込んだPCと、
別のPCで更新をしていたので、
時間も無用に掛かるし、
無駄な労力を費やしていたのが、
解消されました。

今日は休みなので、
またマジックの話題です。

上の写真は、
オランダのマジシャン、
リチャード・ロスのライブです。
演じているのは、彼の十八番の「リンキング・リング」、
皆さんも多分良くご存知の、
金属の輪が繋がったり外れたりする、
あの奇術です。

このマジックは別名「チャイナ・リング」とも言います。
チン・リン・フーという伝説的な中国のマジシャンがいて、
19世紀の後半から20世紀の初めにかけて、
アメリカで活躍。
彼が演じたのが有名になったので、
その名がある訳です。

その後、多くのマジシャンの手によって、
様々な手順や演出が考案され、
現代でも演じられています。

リチャード・ロスの手順は、
極めてエレガントなもので、
ゆっくりとしたテンポで繊細に演じられます。
本当に金属同士が溶けるようにくっついたり、
逆に離れたりします。
そんなことがある訳はないのに、
極めてビジュアルな錯覚が生まれます。
一時はこの演出が大流行し、
猫も杓子もロスのように演じました。
でも、勿論本物にはとても敵いませんね。

これは僕も好きで結構練習しました。
結婚式とかで、何度かやりましたね。
本当に奥が深くて、
ありとあらゆる手順が研究されています。
使うリングの数も色々で、
6本がポピュラーですが、
ロスは3本の手順も得意ですし、
他に5本の手順、4本の手順、8本の手順に、
9本の手順まであります。
(僕がやっていたのは、大抵5本の手順です)

タネは多分皆さんもご存知と思います。
小さいリングはおもちゃとして売られていて、
基本的にはそれと同じです。

でもね、タネなんてシンプルな方が、
マジックとしては高級なんですよ。
名人が演じれば、
とてもそれだけのタネだなんて、
信じられません。
まさにテクニックの宝庫です。

全部道具を手渡ししても、
タネの分からないように改良された商品もあるんですが、
却って詰まらないんですね。
そこが、マジックの醍醐味なんだと思います。

それでは今日はこのくらいで。
明日はまた医療の話題をお届けします。

石原がお送りしました。

トミー・ワンダーの世界 [マジック]


こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は休みでさっき起きたところです。
実はビデオから取り込んだ画像を、
ブログにアップしようと思って、
久しぶりにビデオデッキにビデオを突っ込んだ所、
電源が入らず、
テープも取り出せなくなってしまいました。
電源コードは繋がっているのですが、
電源ランプも点きません。
朝から非常にブルーです。

上の写真は、
「トミー・ワンダー」という、
オランダのマジシャンです。

彼もこの間のスライディーニのように、
完全なオリジナルだけを演じる、
天才肌のマジシャンで、
何度か来日したこともあります。
世界中にファンがいたのですが、
残念ながら若くして亡くなりました。

画像で演じているのは、
彼の代表作の1つ、
「カップアンドボール」です。

皆さんも何処かでご覧になった方が多いかと思います。
金色のカップと、
赤いボールを使って、
手の中で消えたボールが、
カップの中から出てきたり、
逆にカップに入れた筈のボールが、
今度は別のカップに移動したりする、
お馴染みのマジックです。

これは所謂マジックの古典で、
ありとあらゆる手順が、
今までに考案されています。
カップの数も、1個しか使わないものから、
3個以上使うものまで様々です。

トミー・ワンダーの手順は、
2個の金色のカップと、
2つの赤いボールを使います。
その道具を、ワンダーは青いビロードの袋に入れて、
登場します。
彼はビロードの袋から道具を取り出し、
その袋をお客さんの目の前の、
テーブルの上に置くのですが、
そのクライマックスでは、
何とその袋が消えて、
カップの中から現れるのです。

これがワンダーのオリジナルの手順です。
面白いでしょ。

これはね、単純に言えば、
目の前の袋を、
他にお客さんの注意を惹きつけている、
絶妙のタイミングで、
カップの中に入れてしまうんです。
ただ、それだけです。
何の種もありません。

実演を見るとね、
本当にあっと驚く感じなんです。
だって、目の前にあったものが、
いつの間にか消えているんですから。

本当のマジックの醍醐味は、
こうしたところにあるんですが、
テレビには馴染まないんですよね。
カメラにはその瞬間はしっかり映ってしまうからです。

昔名人劇場という番組に来日して、
その時の映像が残っています。
見事な演技なんですが、
種はもろ見えなんですよね。
この辺がマジックというものの、
ちょっと切ないところでもあります。

今日はちょっとまたマニアックな話題でした。

それでは今日はこのくらいで。

明日はまた医療の話題をお届けします。

石原がお送りしました。

スライディーニの世界 [マジック]


こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

昨日はちょっと大変でした。
寝不足もあって、
朝から腹痛と下痢があったんですが、
そんな時に限って、
慌しくなるんですね。
肺炎の方がいて、入院の手配をして、
それから救急病院ではないんですが、
救急車が来たりもして、
午前中の診療が食い込んで、
昼休みはなしで午後に入りました。
長くお待ち頂いた方には、
本当に申し訳ありませんでした。
今はちょっと落ち着きました。

ええと、今日はマジックの話題なんですけど、
あまりご興味はないでしょうかね。

一時は結構入れ込んで練習をしていたんです。

上の写真は、
僕が最も偉大だと思うマジシャンの1人、
スライディーニ(Slydini)の実演姿です。

戦後すぐくらいの時期が、
最盛期のマジシャンで、
勿論もう鬼籍に入っています。

心霊写真のような写真ですけれど、
これはプライヴェートの8ミリフィルムで、
こんな画像しか残っていないんですね。

僕も勿論実演に接したことはありません。
ただ、テレビのショーにアメリカで何度が出演していて、
その時の画像のビデオが残っています。

それがね、本当に凄いんですよ。

彼の演じるマジックはその全てが彼のオリジナルです。
トリックも演出も、
全てが彼の創造物です。
オリジナルだけを演じるマジシャンというのは、
実はあまりいないんですよ。

ミスターマリックも、セロも、
皆さんもご存知と思いますけれど、
オリジナルは1つもありません。
他人の考えたトリックを、
そのまま演じているだけですね。

スライディーニのマジックは、
これといった種はなく、
テクニックとタイミングだけで演じられる、
純粋な指先の芸術です。

代表作は「ワンコイン・ルーティーン」。
これはね、1枚だけのコインを手に、
それがふっと消えたり、
現われたりする、
ただそれだけの手順です。
「ラッピング」と言って、
単純に言えば、
コインをさりげなく膝に落としてしまうだけのことなんです。
それがね、彼の手に掛かると、
真の芸術になります。
あっと思うと、
今あったコインが鮮やかに消えて、
それがまた鮮やかに出現します。

こういう名人は、
多分今はいないんですね。

今日はマニアックなマジックの話題でした。

今日は午後は久しぶりにオペラに行きます。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

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