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甲状腺ホルモン(T4)製剤の投与タイミングと効果の違いについて [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
レボフロキサシン.jpg

2010年のArch Intern Med誌に掲載された、
甲状腺ホルモン製剤(T4製剤)の内服するタイミングと、
その効果を比較した論文です。

レボチロキシンは化学合成された甲状腺ホルモン(T4)製剤の代表で、
商品名はチラーヂンSなどです。
飲み薬として使用したレボチロキシンの吸収率は、
70から80%で小腸から吸収されます。

レボチロキシンは、
他の食事や薬と一緒に摂取されると、
その吸収率が低下することがあるため、
欧米では朝食前空腹時の内服がスタンダードとされています。

ただ、日本の添付文書では、
1日1回の内服ということのみが記載されていて、
内服の時間や食事との関係は特に書かれていません。
ただ、元になった臨床試験は朝食前で行われています。
そのため、通常の処方では、
朝食後の内服となっていることが多いと思います。

今回の文献の著者らは、
この文献の以前の時点で、
就寝前にレボチロキシンの内服をスライドしたところ、
明らかにその効果が高まった、
という事例を複数報告しています。

この文献はオランダの単独施設において、
レボチロキシンによる治療を行っている、
105名の原発性甲状腺機能低下症の患者さんを、
本人にも主治医にも分からないようにくじ引きで2群に分け、
一方は朝食前にレボチロキシンを内服し、
もう一方は就寝前に内服して、
3ヶ月の治療を継続し、
それから両群を入れ替えてもう3ヶ月の治療を行います。
朝がホルモン剤であれば、
就寝前には同じに見える偽薬を使用して、
どちらが選ばれたのかが、
患者さんにも分からないように工夫されています。

その結果、
同じ量のレボチロキシンを使用したにも関わらず、
就寝前に使用した方が、
甲状腺刺激ホルモン(TSH)の数値は有意に低下していました。
これは、甲状腺ホルモン剤の効果が、
朝食前より就寝前でより高かったことを示しています。

この現象のメカニズムは明らかではありませんが、
甲状腺ホルモン剤を内服していてその効果が不安定であったり、
数値の変動が大きな場合には、
その飲み方をもう一度検証する必要がありそうです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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