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超高齢者の血圧と生命予後(2018年中国の疫学データ) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
超高齢者の血圧.jpg
2018年のBritish Medical Journal誌に掲載された、
80歳以上の高齢者の血圧と生命予後との関連を検証した、
中国の疫学データについての論文です。

高血圧は心血管疾患のリスクになり、
生命予後にも大きな影響を与えることは、
多くの研究により実証された事実ですが、
80歳以上の高齢者において、
適切な血圧がどのくらいであるか、
というような点についてはまだ結論は出ていません。

多くの臨床試験においては、
75歳以上の高齢者はその対象となっていないからです。

今回の研究は中国において、
80歳以上の一般住民(年齢の中央値が92.1歳)という超高齢者において、
その血圧値と3年間の生命予後との関連を検証しています。

対象者は4658名で、
半数程度の方は降圧剤による治療を受けています。

その結果、
最も3年間の死亡リスクが低かったのは、
収縮期血圧が129mmHgの時で、
それが107未満でも154を超えていても、
いずれも死亡リスクは増加していました。
そのリスクの増加は主に心血管疾患による死亡によるものでした。
脈圧や拡張期血圧では、
同様の傾向は有意には確認されませんでした。

このように超高齢者においても、
高血圧は一定のリスクになることは間違いがありませんが、
降圧剤による治療の有無に関わらず、
収縮期血圧が107を下回るようになると、
むしろそのリスクは増加に転じてしまうようです。

これは治療による介入試験のようなものではなく、
治療の有無の影響などの検証も充分ではないので、
データの精度はそれほど高いものではありませんが、
これだけの超高齢者のまとまったデータは、
これまでにはあまり例がなく、
その意味で意義のあるものだと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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