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オステオポンチンと心血管疾患との関連について [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日でクリニックは午前中で終わり、
午後は産業医の面談に都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
オステオポンチンと心血管疾患.jpg
これは昨年のPLOS ONE誌に掲載されたものですが、
老化に関わる炎症性サイトカインであるオステオポンチンの血液濃度と、
心血管疾患との関連を、
PEACE研究という過去の大規模臨床研究のデータを活用して、
検証した論文です。

オステオポンチンが何かについては、
11月13日のブログ記事をご覧下さい。

PEACE研究というのは、
心機能が正常かやや低下した安定狭心症の患者さんに対する、
ACE阻害剤の上乗せ効果をみたものです。
そこに登録された3567名の冠動脈疾患の患者さんにおいて、
オステオポンチンの血液濃度を測定し、
心血管疾患の予後との関連を検証しています。

自然対数変換したオステオポンチン濃度の1ポイントの上昇に対して、
心血管疾患による死亡と非致死性心筋梗塞と心不全による入院を併せたリスクは、
1.56倍(95%CI; 1.27から1.92)有意に増加していました。
年齢と性別で補正しても、
そのリスクは1.31倍(95%CI; 1.06から1.61)、
喫煙や腎機能、糖尿病などの因子を全て補正しても、
1.24倍(95%CI; 1.01 から1.52)と、
弱いながら有意に相関が認められました。

個別のリスクに関してみると、
心不全による入院のリスクが、
2.04倍(95%CI; 1.44から2.89)と、
最も大きなリスクの増加を認めていました。

このように解析自体はちょっとトリッキーな感じもしますが、
心機能がそれほど低下していない安定狭心症の患者さんにおいて、
オステオポンチンの血液濃度は、
特に心不全のリスクについて関連のある可能性という結果が得られました。

オステオポンチンは老化や慢性の炎症性疾患などにおいて、
重要な意味合いを持つ物質であることは間違いがありませんが、
そのデータの解析法やその判断については、
まだ確立されたものはないようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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