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味噌や納豆の高血圧予防効果(多目的コホート研究サブ解析) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診です。

今日は1年に一度の人間ドックの日です。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
味噌の血圧上昇予防作用.jpg
今年のthe Journal of Nutrition誌に掲載された、
大豆の発酵食品に高血圧の予防効果があるのでは、
という有名な日本の疫学データのサブ解析結果の論文です。

大豆に含まれているイソフラボンというポリフェノールには、
血管の平滑筋の増殖を抑えるなど、
動脈硬化を予防するような作用のあることが報告されていて、
心血管疾患の予防や、
高血圧の予防に有効であるという可能性が示唆されています。

ただ、動物実験では高血圧予防効果が報告されている一方で、
大豆蛋白の摂取と高血圧との関連を検証したデータを、
まとめて解析したメタ解析の論文では、
あるものでは血圧降下作用が認められたとされている一方で、
別のものでは有意な降下作用が認められていないなど、
その結果は一定していません。

ここで1つ原因として考えられるのは、
大豆食品と大豆発酵食品(味噌や納豆など)との違いです。

大豆に含まれるイソフラボンは、
腸内細菌の働きによって代謝されてから吸収されるので、
その吸収には個人差があってかなり不安定なのですが、
発酵食品に含まれているイソフラボンは、
アグリコン型と呼ばれる小分子となっていて、
腸内細菌によらずにそのまま吸収されるからです。

今回の研究は、
日本の有数の大規模疫学データである、
多目的コホート研究のデータを活用して、
この問題を日本人で検証しています。

多目的コホート研究に参加した一般住民のうち、
収縮期血圧が130mmHg未満で拡張期血圧が85mmHg未満という、
血圧上昇のない人だけを対象として、
食事調査から大豆製品の摂取量を、
発酵食品とそうでないものとに分けて算出し、
その摂取量と5年後の血圧上昇との関連を検証しています。

対象人数は登録時点で40から69歳の4165名です。

その結果…

トータルの大豆蛋白の摂取量と5年後の血圧上昇との間には、
有意な関係は認められませんでしたが、
味噌や納豆のような発酵大豆食品の摂取量についてみると、
摂取量が少ない場合と比較して、
摂取量が多いと血圧が130/85を超えるリスクが、
23%(95%CI; 0.66から0.91)有意に低下していました。
この量は納豆を毎日1パック摂っていれば、
達する程度の分量です。

今回のデータは元々このために調査されたものではありませんし、
食事調査から推測された大豆蛋白の摂取量も、
それほど正確なものとは言えませんから、
1つの参考として考えるレベルのものだと思いますが、
味噌や納豆をどのようにして摂取することが良いのか、
その塩分量との関連も含めて、
再検証が必要であるようには思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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