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「俺節」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日3本目の記事も演劇の話題です。
それがこちら。
俺節.jpg
土田世紀さんの漫画を原作に、
福原充則さんが台本と演出に当たり、
関ジャニ∞の安田章大さんが主役の演歌歌手を目指す高校生を演じた、
企画公演を観て来ました。

これはどんなものかなと思って、
何となく乗り気でなく観に行ったのですが、
福原充則さんの趣味全開という感じの楽しい舞台で、
思わず引き込まれ、
最後まで結構楽しく観てしまいました。

今時時代遅れの泥臭い話なのですが、
つか芝居を思わせる大芝居を、
現在を代表するクセ者役者の皆さんが、
全力で演じている様がとても楽しく、
ワクワクする思いで舞台を見守りました。

主人公の安田章大さん自身が、
独特のねばりつくような泥臭い芝居で面白く、
それを囲む面々も強力な個性派ぞろいです。

演歌の大御所を演じた西岡徳馬さんは、
ちょっと台詞覚えを心配しましたが、
不安を払拭する堂々たる力押しで素晴らしく、
全盛期のつかの芝居から抜け出して来たような存在感ですし、
六角精児さん、中村まことさん、高田聖子さんの3人は、
それぞれ個性的な2役を演じ分け、
当代を代表する個性派舞台役者の全力の惚れ惚れするような、
圧倒的な技量を見せてくれました。
この3人の全力の芝居を、
見られるというだけでも、
充分元は取ったと言える作品だったと思います。

正直ラストの趣向などは、
かなりあざとく厭らしい感じもするのですが、
トータルにはつか芝居を巧みにリニューアルした娯楽作品で、
多くの魅力的な演技に満ちた、
楽しい作品であったと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

劇団道学先生「梶山太郎氏の憂鬱と微笑」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日2本目の記事は演劇の話題です。

それがこちら。
道学先生.jpg
大学の先輩の青山さんが主宰の、
劇団道学先生の20周年記念公演に行って来ました。

道学先生は旗揚げから、
数本見なかった作品があるのですが、
ほぼ9割くらいの公演は観ています。

今回は座付き作家の中島淳彦さんの作・演出で、
実際に夫婦の青山さんとかんのひとみさんが、
劇中でも結婚20年の夫婦を演じるという、
見方によってはあざとい感じもする作品です。

ただ、今回は中島さんの台本が快調で、
創作に行き詰まりモチベーションを失った小説家や、
それを取り巻く人々が軽妙に生き生きと描かれていて、
得意の歌ネタも楽しく出来ていますし、
ラストまでそれほど緩むことなく物語は展開されています。

道学先生の芝居としては、
「ザブザブ波止場」や「兄妹どんぶり」辺りと並んで、
一番優れた台本ではないかと思います。

主人公が変わり者の小説家ということでは、
過去に「無頼の女房」という作品があって、
姉妹編的な感じもあるのですが、
今回の舞台の方がより深い物語になっていたと思います。

そして、主人公の小説家を演じた青山さんも、
僕がこれまで観た中では、
最も説得力のある芝居をしていました。
いつも正体不明のおじさんという感じが強かったのですが、
今回はとっつきにくい外見の裏に、
感情の流れが見えていましたし、
タイミングの良いやりとりでは客席の笑いを誘っていました。

これからも新作を楽しみに待ちたいと思います。

頑張って下さい。

それでは次の記事に続きます。

「22年目の告白‐私が殺人犯です‐」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。

今日はこちら。
22年目の告白.jpg
藤原竜也さん、伊藤英明さん、仲村トオルさんの共演も話題の、
サスペンススリラーが今封切り公開中です。

この映画は韓国映画の「殺人の告白」(2012年)が元ネタで、
時効となった連続殺人事件の殺人犯を名乗る男が、
その事件の真相を綴った本を出版し、
ベストセラーになる、
という趣向やその真相については元ネタそのままで、
連続殺人事件の真相などについては、
かなり変更が加えられています。

そのため作品の印象はオリジナルとはかなり異なっていて、
リライトとしては成功と言って良いのですが、
一番興味を引く部分のプロットについては、
元ネタそのままなので、
独立したオリジナルとは言えません。

しかし、今回の映画については、
原作が韓国映画であることは、
あまり積極的には告知されておらず、
映画本編ではラストクレジットに、
その部分だけ「英語」で表記がされています。
宣伝資料やポスターなどでも、
矢張り非常に小さな文字でしかも英語の表記があるだけです。
ノベライズの単行本も出版されているのですが、
単独の筆者名になっていて、
これもものすごく小さな文字で、
それも英語で同じ表記があるだけです。

原作者からの指示もあったのではないか、
というようにも思いますし、
英語でクレジットを入れる、
という契約があるのかな、
かなり原作を改変しているので、
そのままは出さないで欲しい、
ということなのかな、
などと色々な可能性は推察出来るのですが、
何も知らない一観客としては、
ちょっと騙されたような誤魔化されたような、
嫌な気分にはなってしまいました。

映像でのオリジナルのミステリー脚本で優れたものというのは、
非常に値打ちのある、
滅多に存在しないものであるからです。

それはともかく、
作品としてはミステリー映画として、
かなり頑張った部類だと思います。

現実にもありそうな殺人犯によるベストセラーの出版と、
それに伴うあれこれの趣向が面白いですし、
その後の展開も観客の予測の、
少し先を行くようなスピード感が、
なかなか素晴らしいと思います。
最後の真相はまあ読めてしまうのですが、
それでも段取りはキチンと出来ていて、
クライマックスまで過不足なくまとまっている点は、
日本映画には珍しい水準だと思います。

ハリウッド映画の呼吸をかなり参考にしていて、
最初に過去のニュース映像などを交えて、
それまでの経緯や主な登場人物などを、
バババッと短時間で説明するのも良いですし、
人物造形を医者なら病院、やくざなら事務所、
というように、
絵で説明するのも的確です。
シネスコで現在を表現し、
デジタル化以前の映像はスタンダードサイズ、
それ以降の過去の画像はビスタサイズと分け、
それを転換することで、
いつのことであるのかを明確にする工夫や、
緊迫した場面では画格を細かく変化させて、
緊張感を出す工夫も成功していたと思います。
昔スピルバーグが得意とした、
ダブルクライマックス
(クライマックスの後に、
終わったと見せて次のクライマックスを連ねる)
の趣向も成功していたと思いました。

キャストは藤原竜也さん、伊藤英明さん、仲村トオルさんという、
非常に濃いメンバーの熱演が楽しく、
正直年齢的には藤原竜也さんは、
見た目が若すぎて違和感があるのですが、
ストーリーの意外性の多くの部分は、
このキャスティングにあると言って過言ではないので、
その点では成功していたと思います。

オリジナルの意外性を狙ったサスペンス映画というのは、
良いものは非常に少ないので、
今回の作品は元ネタはあるのですが、
細部まで脚本は練れていて、
キャストも踏ん張り、
演出もまずまずで、
娯楽作品としては推奨出来る仕上がりとなっていたと思います。

こうした作品がお好きな方には、
一見の価値は充分にあると思います。

今日はもう2本演劇の記事があります。
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