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お子さんのフルーツジュースについての考え方(アメリカ小児科学会の指針) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
フルーツ.jpg
今年のPediatrics誌に掲載された、
お子さんの果物ジュースの使用についての提言です。

果物ジュース、特に果汁100%以外の、
砂糖などの添加されたジュースは、
基本的には子供に適した飲み物であるとか考えられていません。

その一方で、
上記文献の記載によると、
2から18歳のアメリカの子供は、
その果物の摂取の半分をジュースから得ている、
という調査もあるようです。

生後6か月の時点から、
果物のすりおろしや加熱したものを、
少量ずつ摂ることは推奨されています。
ただ、これはジュースで代用出来るものではない、
というのが基本的な考え方です。

それでは、果物ジュースの何が問題なのでしょうか?

果物ジュースの多くは、
果物そのものをすりおろすよりも多くの糖分を含み、
その一方で食物繊維や蛋白質はあまり含まれていません。

そのために、
生の果物のすりおろしなどの代わりに、
果物ジュースを使用すると、
お子さんはその甘さに慣れて、
果物自体よりもジュースを好むようになり、
糖質の過剰摂取に繋がりやすいと共に、
虫歯などのリスクも増加する、
というように考えられています。

反面果物ジュースには、
ミネラルやビタミンなどを、
手軽に摂取しやすいという利点もあります。
薄めての使用が原則ですが、
感染性腸炎などの時の経口補液としての有用性も、
指摘をされています。

それでは現状は小児への果物ジュースの使用を、
どの程度に考えるのが妥当でしょうか?

以下は上記文献にあるアメリカの指針です。

まず1歳未満の乳児においては、
基本的に果物ジュースの使用は推奨はされません。
以前半分に薄めたリンゴジュースが、
脱水時に有用との論文がありましたが、
今回の指針においては、
その効能も否定されています。
乳児期におけるジュースの使用は、
糖質過多から栄養バランスを乱し、
栄養失調や下痢などの原因となります。
この欠点は、基本的には1歳以上の年齢でも同一です。
その点から、
1歳から3歳までは果物ジュースは1日1オンス(28.35グラム)まで、
4歳から6歳では1日6オンスまで、
7歳から18歳では1日8オンス(226.8グラム)まで、
というように制限することが妥当で、
その代わりに生の果物を摂取するべきだ、
という内容になっています。
ジュースを使用する場合には、
100%ジュースを活用することが望ましいとされています。

この見解が(特に分量など)そのまま日本で適応可能とは、
勿論言い切れないのですが、
お子さんに対する果物ジュースの使用は、
その後の食生活への影響を考えると、
大人が一考する必要はあるように思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

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