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スタチンと腰痛との関係について [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
スタチンと腰痛.jpg
今月のJAMA Internal Medicine誌にウェブ掲載されたレターですが、
コレステロールの降下剤の使用と、
腰痛との関連性を検証したものです。

スタチンは広く使用されているコレステロール降下剤で、
心血管疾患の予防薬として、
その有用性は確立しています。

ただ、筋肉や神経系の有害事象や、
糖尿病の新規発症リスクの増加など、
副作用や有害事象の多い薬でもあります。

スタチンは筋肉の炎症を誘発することがあるところから、
腰痛の原因であるぎっくり腰などの原因となることや、
腰椎椎間板ヘルニアや変形性脊椎症による腰痛を、
悪化させるような可能性も想定されます。

しかし、実際には多数例でそうした検証が行われたことは、
これまでにはあまりありませんでした。

そこで今回の研究においては、
アメリカの健康保険のデータを活用することにより、
スタチンの使用と腰痛との関連を検証しています。

その結果、
年齢などをマッチングさせた、
スタチン使用者6728名と、
スタチン非使用者6728名を比較したところ、
腰痛の診断は、
スタチン使用者では、
全体の49.3%に当たる3318名で見られたのに対して、
スタチン非使用者では、
全体の43.3%に当たる2913名で見られていて、
スタチンの使用により、
腰痛のリスクは1.27倍(95%CI;1.19から1.36)
推計では17.6人の新規のスタチンの使用により、
1人のスタチンを原因とする腰痛が発生する、
と計算されました。

このスタチンの使用による腰痛の増加は、
スタチンの使用期間が長く、高力価であるほど、
多い傾向のあることも確認されました。

スタチンによる腰痛の機序はまだ不明で、
その因果関係も推測の域を出ませんが、
背骨に病気を抱えているような患者さんにおいては、
スタチンの使用をより慎重に考える必要はあるように思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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