So-net無料ブログ作成
検索選択

「無限の住人」(2017年実写映画版) [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前午後とも石原が外来を担当する予定です。

今日は土曜日なので趣味の話題です。

今日はこちら。
無限の住人.jpg
人気コミックを実写映画化し、
木村拓哉さんの主演で話題のチャンバラ映画を観て来ました。

監督の三池崇史さんはともかく多作で、
完成度などには頓着しない、
娯楽大作であっても趣味的な映画を作る人です。
多くの皆さんと同じように、
僕も何度も「騙された!見なければ良かった!」、
と叫んだ覚えがあります。
ただ、たとえば「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」のように、
ちょっと他の監督であれば、
とてもこの規模で作ることは無理だろう、
というように思う怪作もあり、
あれはとても楽しめました。
日本なのにウエスタンで、
登場するのは魑魅魍魎ばかりで、
しかも全員英語でセリフをしゃべり、
大真面目に血みどろ荒唐無稽アクションに興じるのです。

今回の作品に関しては、
ビジュアルを見ても、
奇怪な風貌の剣客達がゾロゾロ出て来て、
不死身のキムタクと死闘を演じるというのですから、
これは「ジャンゴ」の再来で、
三池監督の一番良いところが出るのではないかしら、
と不安もありながら、
仄かな期待をもって劇場に足を運びました。

行ったのは品川プリンスシネマのシアター1でしたが、
観客は数えるほどで、
スクリーンは上下が切れてシネスコになるという、
僕の嫌いなタイプでした。

最初から元気は出ません。

映画としては「ジャンゴ」の路線に近いもので、
理屈はなくひたすら荒唐無稽なチャンバラの連続する世界で、
その意味では予想通りでした。

ただ、正直あまり血沸き肉躍る感じにはなっていません。

まず、主人公が不死身だというだけで強くはなく、
強い相手にはすぐに負けてしまうのですが、
それから復活してすぐ勝負がつくという感じで、
決闘の醍醐味がありません。
北村一輝さん演じる怪人は見かけは物凄いのに、
隙をついて殺してしまうだけで終わりますし、
滅茶苦茶強い戸田恵梨香さんに対しては、
最初からあまり戦意がなく、
「俺は死にたい」みたいな感じですし、
結局戸田さんの方が、
「戦うことに疑問を感じた」みたいなことを言って、
勝手に去っておしまいです。
海老蔵丈は同じ不死身という設定ですが、
もう死にたかったようで、
勝手にバラバラになっておしまいです。

なんじゃこりゃ!

とても元気が出ません。

トータルには角川映画の「魔界転生」みたいなタッチの映画で、
あれも実際に観るとかなりガッカリだったのですが、
もう少し対決の躍動感はありましたし、
徹底した「悪」がもっと登場して盛り上げてはくれました。
主人公は千葉真一さんの柳生十兵衛ですから、
こちらは強いのは当たり前ということで、
安心して観ていることが出来るのです。

それが今回のキムタクは、
不死身の身体を呪っていて、
死にたいというくらいに思っていて、
その上簡単に何度もやられてしまうので、
とても感情移入の仕様がないのです。
敵に対してもただ破れかぶれで立ち向かうだけで、
作戦というものは何もありません。
敵側も最初の方で「不死身」という設定が分かるのに、
それに対して効果的な対策をとるような姿勢がありません。
この頭脳戦の要素が全くないというところが、
この作品が盛り上がらない大きな理由です。

キャストは概ね頑張っていましたし
(特に徹底した悪党を演じた市原隼人さんが良かったです)、
過去の時代劇へのオマージュと言う感じの画面構成も、
悪くないと思いました。
次々と見せ場が繰り出されるので、
そう退屈はせず2時間20分を過ごすことが出来ます。
ハラキリ、ゲイシャ、コスプレと、
海外へ売るために日本の売り込みエッセンスを取り入れるのも、
さすが職人芸という感じはあります。
ただ、PG12が限界のレートだったと思うので、
三池監督としてはもっとバイオレンス描写は過激にしたかったと思うのですが、
比較的穏当なものにとどまっています。
三池監督のいつものスタイルで、
エロスの要素は極めて希薄です。

そんな訳でとても三池監督趣味の作品ではありながら、
そこここに中途半端な感じがあり、
それほど弾むような娯楽作にはならなかったことは、
とても残念に思いました。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
メッセージを送る