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2016年の演劇を振り返る [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

大晦日、皆さん如何お過ごしでしょうか?

今日は今年の演劇を振り返ります。

今年は以下の公演に足を運びました。

1.秋元松代「元禄港歌ー千年の恋の森」(2015年再演版)
2.劇団鹿殺し「キルミーアゲイン」
3.東葛スポーツ「食道楽」
4.野田地図「逆鱗」
5.根本宗子「ねもしゅーのおとぎ話 ファンファーレ・サーカス」
6.星屑の会「星屑の町 完結編」
7.佐藤信「キネマと怪人」(2016年西沢栄治演出版)
8.TRASHMASTERS「「猥リ現(みだりうつつ」
9.オイスターズ「この声」
10.刈馬演劇設計社「クラッシュ・ワルツ」
11.パルビジョン「本のない書店」
12.少年王者館「思い出し未来」
13.劇団☆新感線「乱鶯(みだれうぐいす)」
14.MONO「裸に勾玉」
15.シアターシュリンプ第2回公演「ガールズビジネスサテライト」
16.マクドナー「イニシュマン島のビリー」(2016年森新太郎演出版)
17.つじたく(2016サンシャイン劇場)
18.コンボイショー「1960」
19.ハイバイ「おとこたち」
20.鴻上尚史「イントレランスの祭」
21.細川徹「あぶない刑事にヨロシク」
22.サディスティックサーカス 2016 「ギンザ大宴会」
23.月刊「根本宗子」第12号「忍者、女子高生(仮)」
24.堀内夜明けの会「なりたい自分になーれ!」
25.20歳の国「保健体育B」
26.Wけんじ企画「ザ・レジスタンス、抵抗」
27.アガリスクエンターテイメント「わが家の最終的解決」
28.唐十郎「秘密の花園」(唐組・第57回公演)
29.イキウメ「太陽」(2016年再演版)
30.鈴木おさむ「美幸ーアンコンディショナルラブ」
31.CABARET「阿部定の犬」
32.瀬戸山美咲「埓もなく汚れなく」(オフィスコットーネプロデュース)
33.地下空港「ポセイドンの牙」
34.道学先生「丸茂芸能社の落日」
35.シベリア少女鉄道「君がくれたラブストーリー」
36.別冊「根本宗子」第5号「バー公演じゃないです。」
37.北村想「ただの自転車屋」(劇団乾電池40周年記念公演)
38.ロベール・ルパージュ「887」
39.青年団「ニッポン・サポート・センター」
40.ロ字ック「荒川、神キラーチューン」
41.ナカゴー「いわば堀船」
42.松尾スズキ「ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン」
43.ミナモザ「彼らの敵」(2016年KAAT版)
44.ヒトラー、最後の20000年~ほとんど、何もない~
45.「レディエント・バーミン Radiant Vermin」
46.「飴屋法水 本谷有希子 Sebastian Breu くるみ」
47.青年団リンク ホエイ「麦とクシャミ」
48.唐十郎「ビニールの城」(2016年金守珍演出版)
49.劇団☆新感線「ヴァン!・バン!・バーン!」
50.「娼年」(作 石田衣良 脚本・演出 三浦大輔)
51.アガリスクエンターテインメント「笑の太字」
52.三好十郎「浮標(ぶい)」(2016年長塚圭史演出版)
53.倉持裕「家族の基礎~大道寺家の人々~」
54.SPAC「マハーバーラタ~ナラ王の冒険~」(2016年奈良平城宮跡上演版)
55.「ディスグレイスト-恥辱」(2016年栗山民也上演版)
56.北村想「遊侠沓掛時次郎」(シスカンパニー 日本文学シアターvol.3)
57.マームとジプシー「クラゲノココロ」「モモノパノラマ」「ヒダリメノヒダ」(2016年3作品再構築上演)
58.川村毅「荒野のリア」(2016年再演版)
59.風煉ダンス「スカラベ」(2016年立川野外劇)
60.サディスティックサーカス2016
61.月刊「根本宗子」第13号「夢と希望の先」
62.竹内銃一郎「あたま山心中~散ル、散ル、満チル~」(2016年寺十吾演出版)
63.タクフェス「歌姫」
64.内藤裕敬「愛の終着駅」(友近客演)
65.唐十郎「夜壺」(唐組・第58回公演)
66.維新派「アマハラ」(奈良平城宮跡上演 最終公演)
67.劇団チョコレートケーキ「治天の君」(2016年再演版)
68.カンニング竹山「放送禁止2016」
69.長塚圭史「はたらくおとこ」(2016年再演版)
70.「メトロポリス」(串田和美演出版)
71.「遠野物語・奇ッ怪其ノ参」(脚本・演出前川知大)
72.鴻上尚史「サバイバーズ・ギルト&シェイム」
73.KARA・MAP「キネマと恋人」
74.城山羊の会「自己紹介読本」
75.月影番外地その5「どどめ雪」(福原充則)
76.三谷幸喜「エノケソ一代記」
77.ハイバイ「ワレワレのモロモロ 東京編」
78.倉持裕「磁場」(直人と倉持の会VoL.2)
79.藤田貴大「ロミオとジュリエット」(シェイクスピア原作)
以上の79本です。

それ以外に歌舞伎を今年は数本観ています。
1.歌舞伎座七月大歌舞伎(昼の部)
2.歌舞伎座八月納涼歌舞伎(2016年第二部)
3.歌舞伎座秀山祭九月大歌舞伎(2016年夜の部)

昨年より少し本数が減っているのは、
今年は映画を観る機会が増えたことと、
後半に体調不良や仕事の呼び出しなどで、
急遽キャンセルした公演が複数あったためです。

今年の私的なベスト5はこちらです。
今年は新作は昨年より充実していたと思います。
①城山羊の会「自己紹介読本」
http://blog.so-net.ne.jp/rokushin/2016-12-10-1
これぞ小劇場の醍醐味、という小さな傑作で、
台本、舞台装置、演出、役者と、
すべてにおいてクオリティが高く、
それでいて遊び心にも溢れています。
別役実や岩松了に近い味わいですが、
別役にはないエロスが楽しく、
岩松了ほど難解ではありません。
クライマックスにはある種のカタルシスがあって、
あの瞬間、小劇場を観続けている至福を感じました。

②KARA・MAP「キネマと恋人」
http://blog.so-net.ne.jp/rokushin/2016-12-04-1
これも年末に観てとても感銘を受けました。
ケラさんは、時々こうした、
誰でも楽しめる娯楽作を作るので目が離せません。
「カイロの紫のバラ」の翻案ですが、
映像などのクオリティが素晴らしく、
主役の緒川たまきさんの熱演が忘れられません。
ケラさんの夫婦愛のたまものかも知れません。

③「飴屋法水 本谷有希子 Sebastian Breu くるみ」
http://blog.so-net.ne.jp/rokushin/2016-08-12
ここからはちょっと迷うところですが、
本谷有希子さんの久しぶりの舞台復帰作を。
飴屋さんの嗜好が出た感じの、
いつもの「家族奉仕芝居」なのですが、
本谷さんの存在感が圧倒的で、
1人の本物の藝術家を前にした時の、
心が揺さぶられるような興奮を感じました。
ただ、演劇ととして優れている、
というのとは少し違います。

④維新派「アマハラ」(奈良平城宮跡上演 最終公演)
http://blog.so-net.ne.jp/rokushin/2016-10-29
これは矢張り入れない訳にはいきません。
野外劇の雄維新派の最終公演です。
亡くなった松本雄吉さんに捧げる最終公演としては、
素晴らしい作品だったと思います。
特にオープニングの信じられないほど美しい、
実際の平城宮跡の夕景には心を奪われました。
ただ、維新派の作品として優れていたかと言うと、
そこはちょっと疑問です。

⑤「娼年」(作 石田衣良 脚本・演出 三浦大輔)
http://blog.so-net.ne.jp/rokushin/2016-08-28-1
これは今年1番の問題作で、
松坂桃李さんを主役にしておきながら、
全編セックスシーンの連続、
しかも偽物とは言えザーメンが飛び、
フェラチオの効果音まで流れ、
男女ともほぼ全裸で絡み合うという、
前代未聞の怪作です。
それでいて、ストーリーは少年の成長物語という、
極めて保守的な世界です。
如何にも三浦大輔さん的世界であることは、
間違いがないのですが、
正直このキャストでこの劇場でなくても良かったのではないか、
という思いが拭い切れませんでした。
ただ、今年を代表する異常な芝居として、
5本には入れない訳にいきません。

これ以外にも、
アガリスクエンターテインメント「笑の太字」は、
「笑いの大学」を笑いのめした、
メジャーでは上演不能の快作でしたし、
月刊「根本宗子」第13号「夢と希望の先」は、
改訂版とは言え基本的には再演なので入れなかったのですが、
根本宗子ここにあり、
という彼女の特質が良く出た作品でした。
倉持裕さんの活躍も面白かったですし、
竹内銃一郎「あたま山心中~散ル、散ル、満チル~」(2016年寺十吾演出版)は、
寺十吾さんのアングラ演出と、
平岩紙さんのアングラ演技が最高でした。
そんな訳で今年は結構演劇は充実していたと思います。

最後にこれだけは言いたい、
再演での絶品です。

①長塚圭史「はたらくおとこ」(2016年再演版)
http://blog.so-net.ne.jp/rokushin/2016-11-12
何度も書いていますが、
この作品は長塚圭史さんの最高傑作であると共に、
2000年代の前半を代表する小劇場演劇の至宝です。
それがほぼ同一キャストで、
ほぼそのままの演出で再演されました。
役者の演技はより円熟味を増し、
現代社会に突きつけられた刃の鋭さも、
より研ぎ澄まされていたと思います。
これはもう最高の再演でした。
大傑作!

②イキウメ「太陽」(2016年再演版)
http://blog.so-net.ne.jp/rokushin/2016-05-28
これはイキウメの現時点での最高傑作と言って良い叙事詩で、
初演より磨きがかけられ、
非の打ちどころのない舞台となっていました。
かなり再演でも出来不出来の差が激しいイキウメですが、
この作品は演出の改変もピタリと嵌っていました。
伊勢佳世さんと岩本幸子さんのイキウメ最後の舞台となったことも、
忘れがたい要因です。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い年の瀬をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

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(付記)
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公演名の誤りを修正しました。
(2017年1月5日午後10時修正)
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