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体格と生活習慣と健康との関係について [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
BMIと生活習慣と生命予後.jpg
今年のBritish Medical Journal誌に掲載された、
体格と生活習慣と生命予後との関係を検証した論文です。

昨日の記事では、
アルコールの摂取量と死亡リスクとの関連についての、
新知見の話でした。

今日は今度は体格の指標であるBMIと、
生活習慣との組み合わせが、
死亡リスクに与える影響についての論文です。

BMIは体格を示す数値で、
キログラム単位の体重を、
メートル単位の身長で、
2回割ることによって得られる数値です。

このBMIが18.5未満はやせすぎですし、
25.0以上であれば過体重というのは、
世界的にもほぼ確定した事項です。

ただ、この範囲で低めの方が健康的なのか、
それとも高めの方が健康的なのかについては、
データによっても差があります。

今回の研究は有名なアメリカの、
看護師と医療従事者を32年間という長期間観察した、
大規模な疫学データを活用して、
BMIと4つの健康習慣とを組み合わせた、
死亡リスクの比較検証を行っています。

対象者は女性が74582名、
男性が39284名で、
検証されている4つの生活習慣は、
代替健康食指数スコア(AHEI)という食事調査の指標と、
運動の習慣、喫煙の有無、飲酒の習慣の4つです。

代替健康食指数スコアというのは、
どのような食品をどれだけ食べているかの調査を元に、
健康な食生活であるかどうかをチェックするもので、
野菜を多く摂っているか、
動物性脂肪の比率が低いか、
蛋白質が肉、魚、豆類などバランス良く摂れているか、
などがポイントとなっています。

4つの生活習慣においては、
食事はこのスコアにおいて5つに分けた時に上位の2区分に入っている場合、
喫煙は喫煙歴のない場合、
アルコールは男性で1日5から30グラム、
女性で1日5から15グラムの場合、
運動は中強度の運動を1日30分以上している場合が、
良い生活習慣として定義されています。

その結果…

BMIを18.5から22.4、22.5から24.9、25から29.9、30以上、
という検討された4つの区分全てにおいて、
4つの生活習慣のうち1つ以上で健康的であると、
総死亡のリスクも、
心血管疾患による死亡リスクも、
癌による死亡リスクも、
いずれも有意に低下しました。
つまり、こうした生活習慣の方が、
肥満ややせよりも生命予後には深く関連している、
ということになります。

そして、BMIが22.5から24.9という平均レベルで、
4つの健康習慣のうちには1つの当て嵌まらない場合と比較して、
最も生命予後が良かったのは、
BMIが18.5から22.4とやややせ気味で、
少なくとも3つの健康習慣を持っている人で、
総死亡が61%(95%CI:0.35から0.43)、
癌による死亡リスクが60%(95%CI:0.34から0.47)、
心血管疾患による死亡リスクが63%(95%CI:0.29から0.46)、
それぞれ有意に低下していました。

要するに,
BMI自体は18.5から24.9くらいのレベルであれば、
単独でそれほど生命予後に影響を与える要素ではなく、
喫煙や食生活、運動などの習慣の方が、
トータルには生命予後に与える影響が大きい、
という結論になっています。

健康というのは単独の要素で考えるべきではなく、
複数の習慣や行為のバランスとして、
考えるべきものなのかも知れません。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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