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手洗いのインフルエンザ予防効果 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日で診療は午前中で終わり、
午後は産業医の面談に廻る予定です。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
手洗いのインフルエンザ予防効果.jpg
2012年のPreventive Medicine誌に掲載された、
手洗いの習慣のインフルエンザ感染予防効果を検証した、
スペインの論文です。

インフルエンザなどの感染症の予防には、
日頃のうがいや手洗いが重要と言われていますが、
コストが掛からないということが一番のメリットで、
実際にはそれほどの高い効果が、
うがいや手洗いで実証されている、
という訳ではありません。

ただ、一方でそうしたことは無駄だということを言われる方もいますが、
それは必ずしも正しい意見ではなく、
それなりの科学的なデータの蓄積があることもまた事実です。

うがい、手洗い、マスクの中で、
一般の健康な人での予防効果が、
最も検証されることが多いのは手洗いです。
マスクやうがいについては、
日本では盛んに行なわれていますが、
生活習慣としての感覚の違いもあり、
海外ではあまり一般的ではありません。

それでは、手洗いのインフルエンザ感染の予防効果は、
どのくらいのものなのでしょうか?

今回の研究はスペインの36か所の病院において、
インフルエンザの入院患者813名を、
年齢性別などをマッチさせた、
2274名のコントロールと比較して、
症状出現前1週間の通常の手洗いの回数や、
アルコールなどの手指消毒剤の使用、
外で不潔と思われる場所に接触した後で、
手を洗う習慣の有無などの行為と、
インフルエンザ感染リスクとの関連を検証しています。
インフルエンザウイルスは2010年の検証なので、
そのほとんどが2009年に新型と言われたH1N1タイプのもので、
これは遺伝子検査により確定した事例のみを対象としています。

その結果…

1週間の手洗い回数が1から4回と比較して、
5から10回の手洗いをしている人は、
インフルエンザによる入院のリスクが、
35%(95%CI;0.52から0.84)、
10回を超えて手洗いをしている人は、
41%(95%Ci:0.44から0.79)、
それぞれ有意に低下していました。
また、不潔な場所に接触した可能性のある時に、
すぐに家に帰って手洗いをする習慣のある人は、
ない人と比較して、
インフルエンザによる入院リスクが、
35%(95%CI;0.50から0.84)
これも有意に低下していました。
アルコールなどの消毒剤の使用では、
リスクの低下傾向はあるものの、
有意ではありませんでした。

このように、
感染症が流行している時期の手洗いには、
一定の効果があり、
それは消毒剤の使用などとは、
あまり関係のないもので、
あくまで水でしっかり洗い流し、
その後にしっかり拭き取ったり乾かしたりする、
という行為が重要であると考えられました。

感染症の流行時期ですので、
皆さんもご注意下さい。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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