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お茶のうがいはインフルエンザに有効なのか? [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
お茶のうがいのメタ解析.jpg
今年のBMC Public Health誌に掲載された、
お茶のうがいのインフルエンザ予防効果を検証した、
メタ解析の論文です。

筆頭著者は静岡県立大学の井出和希先生で、
静岡はお茶の産地で、
こうした研究に熱心な土地柄のようです。

うがいで風邪を予防するという考え方は、
あまり日本以外では見られないもののようです。
勿論口腔内の病気があったり、
口の中の感染を非常に起こしやすい状態の場合には、
治療としての抗菌剤などによるうがいは、
行なわれることがありますし、
その効果も検証をされていますが、
何も病気のない人が、
風邪などの予防のために定期的にうがいをする、
という習慣はあまり海外ではないもののようです。

お茶に含まれるカテキンには抗ウイルス作用があり、
培養細胞においてはインフルエンザウイルスの感染力を弱めた、
とする報告もあります。

このためお茶を良く飲む人はインフルエンザに罹りにくい、
というような報告もあり、
またお茶でうがいをすることにより、
インフルエンザが一定レベル予防された、
という報告も散見されます。

ただ、比較的少数例の報告が殆どで、
その効果を証明する、
というような結果には至っていません。

そこで今回の研究では、
お茶やその抽出物によるうがいが、
インフルエンザの感染予防に有効であるかどうかを調べた、
過去の論文をまとめて解析して、
その有効性を検証しています。

ここでは5つの臨床研究のデータがまとめて解析されています。
トータルな対象者数は1890名です。

ただ、その5つのすべては日本の論文で、
そのうちの1つは同じ井出先生が筆頭著者のものです。

海外では緑茶のうがいなどという研究は、
ほぼ存在しない、と言うことが分かります。

この5つの研究をまとめて解析した結果として、
お茶やその成分抽出物によるうがいは、
水のうがいもしくはうがいをしない場合と比較して、
インフルエンザの感染リスクを30%、
有意に低下させていました。
(fixed effects model; 95%Ci:0.56から0.91)

これは根拠としてはやや弱いですし、
すべて日本の論文というところも問題ですが、
消毒剤などを含むうがいで同様の結果の報告はなく、
比較の問題として有害性のほとんどない緑茶のうがいは、
悪くない感染予防の習慣である、
ということは言っても良いように思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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