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倉持裕「家族の基礎~大道寺家の人々~」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。

今日はこちら。
家族の基礎.jpg
M&Oplaysプロデュースとして、
倉持裕さんの作・演出による新作「家族の基礎」が、
今シアターコクーンで上演されています。

倉持さんは、
元々はかなりシュールで前衛的で、
観客にやや苦痛を強いるようなお芝居を、
小劇場で上演されていたのですが、
最近ではドラマの台本を書いたり、
舞台でもかなり商業的で大きな規模の舞台を任されて、
誰にでも楽しめる舞台にシフトされているようです。

ただ、商業演劇としてはちょっと地味で、
ひねくれたところがあるので、
大衆化されているとも言い切れないことがあります。

今回の作品は、
ケラと三谷幸喜の作品を足して2で割ったような感触で、
こんな表現をすると、
あまり褒めていないように思われるかも知れませんが、
ケラさんと三谷幸喜さんの、
それほど良くない時の作品と同じくらいには、
楽しめる作品になっていたと思います。

内容的には一種のクロニクルで、
大道寺家という一家の年代記が、
アーヴィングの小説のような、
マジックリアリズム的な手法で綴られてゆきます。

ただ、アメリカの小説などの場合には、
ベトナム戦争やフラワームーブメントなど、
その時折々の歴史的な背景が、
作品に反映するような感じになるのですが、
日本では過去の歴史に「色」が付いてしまっていて、
あまりそうしたことが出来ないのが辛いところです。
今回の作品も、
一応現実の日本とリンクはしているようで、
何か仮想現実的な軽さがあります。

作品自体はそんな訳で、
それほど傑出したものではないのですが、
破綻なく3時間をまとめ上げている部分は、
職人芸的な技量を感じます。

優れているのは演出で、
テレビでも見慣れたキャストが、
次々に印象的に登場し、
歌える人はちゃんと歌も歌いますし、
見せるものはしっかり見せて、
テンポよく舞台を進行させる手際には感心しました。

役者さんは皆好演で、
特に主役の松重豊さんは、
かつての舞台でのギスギスした感じからは脱却し、
ドラマでの経験も活きて、
非常に安定感と説得力のある芝居で、
とても良かったと思います。
夏帆さんも黒川芽衣さんも可愛かったですし、
若い男優さん達の素直な芝居も良かったと思います。
六角精児さんもさすがの安定感です。

そんな訳で結構拾い物の感じがあって、
とても楽しく観劇しました。

残念ながら集客は芳しくないようで、
チケットサイトでも安売りをしていましたし、
それでも3分の2くらいしか埋まっていませんでした。

もしご興味があれば、
意外に悪くないのでお勧めします。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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