So-net無料ブログ作成
検索選択

ナカゴー「いわば堀船」 [演劇]

今日2本目の記事は演劇です。
それがこちら。
ナカゴー.jpg
他に類例のないアバンギャルドな芝居で、
活動を続けているナカゴーが、
劇団員が総出演の本公演を、
本日までムーブ町屋で上演しています。

今回はカラーのチラシも刷られていて、
これは珍しいと思いました。

今回は1時間10分ほどの1幕劇で、
「東京都北区堀船の細い一本道を舞台に、
ピザ屋の店員と周囲の人々が、
見えない壁と戦うお話です。」

実際にこの通りのお芝居になっていますが、
最初のピザ屋を巡る人間関係がまず面白く、
主催の鎌田順也さんが黒子で演じる謎の見えない壁
(実際には見えている)
が登場すると、
そこからはお馴染みの不条理な状況における、
特異なキャラ達によるサバイバル劇が、
コミカルかつ壮絶に展開されます。

これはもう本当に鎌田さんの独特の世界で、
笑いを忘れるようなバカバカしさです。

今回は特に憑依キャラの田畑菜々子さんが、
大暴れするパートが素晴らしく、
この場面は絶対の推奨品です。

徹底して低予算の舞台作りで、
まともな劇場での公演も殆どないナカゴーですが、
それはそれで良いとは思いつつも、
もう少しじっくり取り組んだ感じの、
設備のある小劇場での公演も、
たまにはやって欲しいと思いました。

後、鎌田さんは唯一無二のキャラなので、
毎回カメオ出演はして欲しいな、
というのは最近いつも思うところです。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

「帰ってきたヒトラー」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。

今日はこちら。
帰ってきたヒットラー.jpg
公開されることがそう多くはないドイツ映画ですが、
ヒトラーが2014年のドイツにタイムスリップして、
お笑い芸人としてブレイクするという、
非常に扇情的で興味深い内容もあり、
異例のヒットになっています。

キワモノという感じが少ししたのですが、
批評なども悪くないので、
どんなものかと思い鑑賞して来ました。

これは抜群に面白いです。

原作もドイツのベストセラー小説で、
ヒトラー個人の手記という体裁なのですが、
映画の方はヒトラーのタレント性に目をつけた、
テレビ局のフリー・ディレクターを狂言回しにして、
マイケル・ムーアの映画にも似た、
セミ・ドキュメンタリー的な趣向も取り入れて、
ポップな感じもある現代的な感覚の映画に仕上げています。

それでいて、ムーアの作品のように、
素人的な見づらいところがなく、
きちんと締めるべきところは締めて、
しっかりとプロの映画になっています。

たとえば、ヒトラーが、
まとわりついた犬をその場で撃ち殺す場面があって、
ヒトラーの異常性を端的に示しているのですが、
そこなどは画面の奥で、
ワンカットで撮っています。
こういうポイントでは結構技術的に高度なことをやっているのです。

また、多くの映画のパロディが挿入されているのですが、
全ての元ネタは補足出来ませんが、
それも結構マニアックで面白いのです。
たとえば、
「ヒトラー最後の12日間」の有名な場面が再現されているのですが、
ヒトラー役はヒトラーではなく、
テレビ局の腹黒い幹部なのです。
この場面は一番客席に反応がありました。
また、スタジオの中に現実のセットが組まれているのは、
「スクリーム3」だと思います。

内容はヒトラーが自分のアイデンティティを捨てないままに、
現代のドイツの問題点を理解し、
一般の人々との対話を繰り返しながら、
次第にメディアの人気者になり、
かつてのように人心を支配するに至る、
という物語で、
ヒトラーの異常性や暴力性もしっかり見せながら、
単純に彼をただの悪党にはしていません。

最初に彼が現代で注目を集めるテレビの生放送の演説など、
鳥肌の立つような迫力で、
なるほどと応援したくなるような、
心が揺さぶられるような感じがあり、
それからフト我に返り、
改めてファシズムの怖さと人間の心の弱さに、
思いを深めるような感じがあるのです。

この懐の深さは、
凡手ではありません。

役者さんも全然知らない人ばかりですが、
皆非常に巧みな演技でキャラが立っていて素晴らしく、
ヒトラー役のオリヴァー・マスッチは、
そう似ている訳でもないのですが、
ヒトラーそのものと感じる圧倒的な迫力で、
他のキャラも魅力的な面々が揃っています。

今観るに相応しい、
楽しくて怖い快作で、
迷われている方には是非お薦めしたいと思います。

面白いですよ。

それでは2本目の記事に続きます。
メッセージを送る