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「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で、
午前午後とも石原が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。

今日はこちら。
TOO YOUNG TO DIE2.jpg
宮藤官九郎さんの脚本、監督による、
「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」を観て来ました。

これは最初から最後までハイテンションの楽しい作品で、
オープニングのバス事故のアクションなど、
この前観た「デッドプール」にそっくりで、
目まぐるしい編集なども、
最近のポップな洋画と遜色はありません。
中段で「ジャンゴ」になるところなど、
タランティーノにも引けを取らないオタク監督ぶりですし、
それでいて、
きちんと日本の青春映画としての、
ウェットで切ない情景も残しています。
現世の場面は大林宣彦さんの尾道映画を彷彿とさせました。

総じて今回の作品は、
大林映画に近いテイストで、
おそらくクドカンは意識しているのではないかと感じました。

大林映画は勿論僕は大好きですが、
傑作がある反面、
なんでこんなものを…
というような駄作も沢山撮っています。

その中では今回の作品のように、
チープな幻想世界と現実とを、
盛んに往還するような作品も沢山撮っているのですが、
残念ながらあまり成功しませんでした。

それは主に、
チープな幻想場面が本当にチープで、
綺麗に現実場面と同調しなかった、
という点が大きかったように思います。

その点今回の作品では、
チープな地獄の風景が、
それ自体は安手のセットに過ぎないものでありながら、
かなり計算された視覚的な効果と、
緻密でダイナミックな編集などによって、
現実の世界の描写と、
非常に綺麗にマッチングしていたと思います。

その意味では、
過去に大林監督が試みて成功しなかった世界が、
最新の技術とクドカンのセンスによって、
鮮やかに甦った、
という言い方をして間違いではないように思います。

主人公の神木隆之介さんの無鉄砲なキャラも面白く、
鬼となった長瀬智也さんの、
自分の音楽が世間の評価を受けることに対する不安のために、
恋人の持って来たミュージシャンへの最後のチャンスを拒絶し、
恋人にも捨てられた瞬間に、
音楽の神が舞い降り、
その興奮で走り出した瞬間に、
踏切に残された子供を助けようとして、
電車に轢かれて自殺と見做されて地獄に落ち、
その子供を助けようとした行為も、
自力で子供が脱出したために、
無駄になってしまう、
という切ない人間界の最後の段取りなどは、
さすがにクドカンという屈折でした。

クドカンの映画は、
適当なようで意外に世界の映画の最先端に近い位置にあり、
今回の作品も日本的な情緒を、
アメコミ的な狂騒的世界観の中に巧みに織り込んで、
熟成感のある仕上がりになっていたと思います。

僕はかなり好きです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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