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CABARET「阿部定の犬」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で、
午前中は石田医師が診療を担当し、
午後は石原が担当する予定です。

今日は土曜日なので趣味の話題です。

今日はこちら。
阿部定の犬.jpg
もう先月の下旬の話なのですが、
吉祥寺の地下の小さなカフェで、
実際に黒テントの「阿部定の犬」のキャストだった3人の役者さんが、
ピアノの演奏の元に、
黒テントの名作「阿部定の犬」を、
3人だけで再構成して歌い踊り演じるという楽しい企画に、
足を運びました。

佐藤信作の「阿部定の犬」は、
僕がアングラ演劇に開眼した、
忘れようとも忘れられない1本で、
黒テントではテント公演も何度か行われましたが、
僕が観たのは、
「8月の劇場」という、
六本木の俳優座劇場での舞台でした。
忘れもしない1982年の夏のことです。

以前にも書きましたが、
この公演は本当に本当に本当に素晴らしくて、
今でも全ての場面が脳裏に浮かび、
斎藤晴彦さんのダミ声の歌が耳を駆け抜けます。
http://blog.so-net.ne.jp/rokushin/2010-12-19

この時、主役の「あたし」を演じたのが、
当時の黒テントの絶対ヒロインの新井純さんで、
幽霊役が石井くに子さん、
そしてご町内の3人組の厳島さんを演じたのが、
服部吉次(当時服部良次)さんです。

今回の上演では、
「阿部定の犬」で歌われた、
クルト・ワイルの「三文オペラ」をアレンジした劇中歌を、
全てこの3人で歌い、
物語も解説の語りを入れながら、
ほぼ全編を演じます。
と言っても、実際には台詞のあるキャストは16人なので、
1人で何役も演じ、
ご町内の3人組のような割台詞は、
落語風の語りで処理しています。
歌は全て入っていますが、
台詞は半分くらいになっているかな、
という感じです。
概ね納得のゆくリライトなのですが、
クライマックスの儀式の場面の、
当時の手紙の朗読の件が、
なくなっていたのはちょっと残念でした。

基本的にオリジナルで演じた役柄は、
3人とも自分で演じ、
それ以外の役柄は振り分ける、
という構成になっています。

僕はもう、とても懐かしくて、
後ろ向きな感じはしながらも、
素敵な時間を過ごすことが出来ました。

ただ、構成はもっと自由でも良いのかな、
というようには感じました。
ストーリーをある程度説明するという感じになっているのですが、
元々が難解なストーリーを、
更にダイジェストしているのですから、
殆ど分かりようがないと思います。

今回素晴らしかったのは、
何と言っても新井純さんの艶やかな歌声で、
昔より良いのじゃないかと思うほどの美声と、
情感たっぷりの歌い廻しには、
本当に感動しましたし、
胸が躍りました。

特に「来た!」という街頭写真師の台詞と共に、
人間犬を引き連れて現れる倒錯的な場面など、
昔も素晴らしかったのですが、
心の奥に突き刺さるような歌唱であり情感だったと思います。

勿論、石井くに子さんと服部吉次さんも、
八面六臂の大活躍でしたし、素敵でした。

個人的にはもっと他の舞台の劇中歌も入れて
(作曲家の許可の問題もあるのでしょうか…)、
物語も自由に脚色して、
黒テント名場面集のような感じが実現可能であれば、
もっと素敵なのではないか、と感じましたし、
もう1人公演毎にゲストが加わる、
というような趣向もまたありかな、
と感じました。

これからも頑張って下さい。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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