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血液型と血栓症のリスクとの関連について [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
血液型と血栓症.jpg
今年のCirculation誌に掲載された、
血液型と血栓症のリスクとの関連を検証した論文です。

所謂ABOの血液型は、
日本人には性格診断としてポピュラーですが、
医学の分野では、
主に輸血や臓器移植などの医療の際の、
適合の問題が重要視されています。

ただ、血液型と病気のリスクの差との関連も、
比較的最近注目されているテーマの1つです。

その中でほぼ事実として認識されているのは、
O型と比較して、
それ以外の血液型(非O型)は、
深部静脈血栓症や心筋梗塞、
脳血管障害、抹消の血管病変などの、
静脈や動脈の血栓症のリスクが高いという知見です。

欧米ではO型とA型が多く、
B型とAB型は少数なので、
4種類を比較するというより、
このようにO型とそれ以外を比較する、
という分類が多いようです。

複数のデータやメタ解析によって、
この事実は確認されています。
その原因は必ずしも明らかにはなっていませんが、
第8凝固因子やフォン・ヴィレヴランド因子と呼ばれる凝固因子が、
非O型において増加していることが、
その主な要因ではないかと考えられています。

ただ、これまでに単独のデータで、
そう大規模なものはなく、
どのような血栓症のリスクが、
どの程度増加するのか、
というような部分については、
まだ正確なデータが得られているとは言えませんでした。

そこで今回の研究では、
国民総背番号制を取っている、
デンマークとスウェーデンにおける、
輸血ドナーの大規模なデータを活用して、
ABO血液型と血栓症のリスクとの関連を検証しています。

111万人の輸血ドナーを対象とする、
という非常に大規模なデータです。

その結果…

矢張りO型と比較して非O型は静脈及び動脈の血栓症のリスクが高い、
というデータが得られました。
最も疾患の中でリスクが高かったのは、
妊娠に伴う深部血栓症で、
非O型はO型の2.22倍(95%CI;1.77-2.79)、
次が深部静脈血栓症で1.92倍(95%CI;1.80-2.05)、
そして肺塞栓血栓症が1.80倍(95%CI;1.71-1.88)という順でした。

血液型毎の比較では、
特にAB型において、
血栓症リスクが高い傾向が認められました。

特に深部静脈血栓症に関しては、
その発症の3割が血液型に影響されている、
という結果になっていて、
従来考えられているより、
静脈血栓症における血液型の影響は、
大きなものであるようです。

O型と比較してそれ以外の血液型では、
血栓症、特に静脈血栓症のリスクが最大で2倍程度増加するので、
勿論それを心配し過ぎても仕方がありませんが、
リスクの計算等においては、
血液型の要素も取り入れる必要があるかも知れません。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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