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「リリーのすべて」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。

今日はこちら。
リリーの全て2.jpg
世界で初めて性転換手術を受けた、
性同一性障害の女性(元は男性)の、
実話をもとにした映画です。

監督は「英国王のスピーチ」や「レ・ミゼラブル」のトム・フーパーですから、
こうした素材の扱いは極めて巧みで、
非常に安定感のある、
映像であり語り口です。

ただ、一般に想像するような、
「性同一性障害」の映画かと言うと、
ちょっとニュアンスは違っていて、
主人公の心の中に、
女と男の2つの人格が住んでいて、
主人公の女の人格は、
男の人格を抹殺しようとするのですが、
男の人格を愛している妻は、
それを救おうとする、
という話になっています。

一般的に性同一性障害は、
自分の本来の性別を取り戻す、
という文脈で語られることが多く、
捨てられた性別の持つ人格という部分には、
スポットが当てられないことが多いと思うのですが、
現実にそうしたことがあるかどうかは別として、
今回の物語の視点は、
非常に興味深く感じました。

性転換する主人公をエディ・レッドメインが演じ、
その妻を売り出し中のアリシア・ヴィキャンデルが演じます。

エディ・レッドメインは矢張り非常に上手くて、
男であった時には、
繊細さは感じられても、
確かで自分が男であることを疑っているようには見えないのですが、
リリーが目覚めてその肉体を支配して以降は、
男の衣装に身を包んでも、
紛れなく女性に見えます。
一方のアリシア・ヴィキャンデルは熱演という感じで、
アカデミ-賞も納得ですが、
彼女の一途さが光ったのは、
エディ・レッドメインの見事な演技があったからで、
その割には主役の評価は今回は低かったように思います。

台本も演出も心理劇として繊細に出来ていて、
イギリス資本が入っているのが、
納得のゆく感じです。
多分、もっと社会派の映画のように描いて、
性が抑圧された時代からの解放、
というような大上段に振りかぶった方が、
映画としては評価されたのではないかと思うのですが、
愛の不思議を描いた繊細な世界に留まっているのが、
僕には心地良く感じられました。
ラストシーンなどは、
デヴィット・リーンの「ライアンの娘」を彷彿とさせました。

個人的にはとてもお薦めです。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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