So-net無料ブログ作成

健康肥満の慢性腎臓病リスク [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
健康肥満と腎臓病.jpg
今月のAnnals of Internal Medicine誌に掲載された、
高血圧や糖尿病のない肥満でも、
慢性腎臓病のリスクになるかどうかを検証した論文です。

慢性腎臓病というのは、
腎臓の機能が病的に低下した状態のことですが、
心筋梗塞などの心血管疾患とも大きな関連を持っていて、
その患者さんの予後に大きな影響を与える病態の1つです。

進行すれば腎不全となり、
生命の維持のためには透析が必要になります。

慢性腎臓病の発症リスクとして、
高血圧や高コレステロール血症、
糖尿病、喫煙などと共に、
指摘されているのが肥満です。

ただ、肥満は所謂メタボというような、
内臓脂肪の増加による様々な病態と結び付いています。
高インスリン血症やインスリン抵抗性があり、
糖尿病などの耐糖能異常や、
高血圧、脂質異常症を伴います。
従って、肥満が慢性腎臓病のリスクであることは事実としても、
それがメタボのような代謝異常によるものなのか、
それとも、そうしたこととは別個に、
肥満自体が慢性腎臓病のリスクであるのか、
という点はこれまで明確ではありませんでした。

そこで今回の研究では、
韓国において、
メタボリックシンドロームの要素がなく、
登録の時点で慢性腎臓病や蛋白尿のない、
健康成人62249名に平均6年間の経過観察を行ない、
肥満の有無と慢性腎臓病との関連を検証しています。

対象者は18歳以上で、
空腹時血糖は100mg/dL未満、
血圧は130/85未満、
中性脂肪は150mg/dL未満、
インスリン抵抗性の指標も正常であること、
などが条件となっています。

体格はBMIという指標が、
18.5未満がるい痩、
18.5以上22.9までが正常体重、
23.0から24.9までが過体重、
25以上が肥満と定義しています。

その結果…

正常体重と比較して、
5年間累積の慢性腎臓病の新規発症率は、
るい痩では1000人当たり4.0件の減少、
過体重では3.5件の増加、
そして肥満では6.7件の増加という結果になりました。

つまり、
特に高インスリン血症のような代謝異常がなくても、
肥満や過体重自体が、
慢性腎臓病のリスクを増加させるのではないか、
という結果です。

このデータのみで、
この結果が事実であるとは言えませんが、
健康肥満も慢性腎臓病のリスクの1つであると考えて、
特に中年以降に体重が増加したような場合には、
無理のない体重管理をすることは、
健康全般に有意義であると、
考えても良いように思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
メッセージを送る