So-net無料ブログ作成

根本宗子「ねもしゅーのおとぎ話 ファンファーレ・サーカス」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。

今日はこちら。
ねもしゅうのファンファーレ・サーカス.jpg
月刊「根本宗子」で大活躍の根本宗子さんが、
番外公演的な試みとして、
ねもしゅーのおとぎ話、
という新作公演を行なっています。

場所は新宿歌舞伎町の「FACE」で、
小規模なプロレスの興業などが良く行われるホールですが、
最近は演劇の公演への利用も多くなっています。
ただ、割と高額なドリンクチャージがあるので、
どうなのかな、と思わなくもありません。
演劇向きのホールではないので、
ガッチリとしたセットは組めませんし、
根本さんの芝居作りは、
今のところ小劇場がしっくり来る感じです。

作品は月刊「根本宗子」の、
梨木智香さんとあやかさんに、
ゲストとして趣里さんと蒼波純さんが加わり、
そこに「おとぎ話」という4人組のバンドが、
生演奏としてコラボする、というものです。

夢見がちの女子中学生が、
絵本の中に入ってしまう、という、
純然たるファンタジーの世界で、
後半には如何にも根本さんというひねりもあるのですが、
トータルにはやりたいことと、
舞台の技術レベルとの間に、
大分ギャップはあったように感じました。

こうした作品はもっとふんだんにお金を掛けて、
ミュージカル的に処理するか、
それとも昔の劇団300のように、
狭い空間に無理矢理大仕掛けで力技を見せるか、
どちらかでないと、
成立はしないという気がするからです。

以下ネタバレを含む感想です。

舞台の前方に巨大な本が開かれていて、
何か胡散臭い梨木智香さん演じる、
失敗で飛べなくなった妖精が待ち構えているところへ、
蒼波純さんが演じる夢見がちの少女と、
神岡実希さん演じる現実的な少女がやってきて、
2人はひょんなことから、
インチキ妖精の企みで、
「ファンファーレ・サーカス」という、
哀しい結末の童話の本の中に入ってしまいます。

それは、
あやかさん演じる団長の母親のストリップと、
趣里さん演じる美少女の娘の踊りが売り物の、
ファンファーレ・サーカスという奇妙なサーカスの話で、
サーカスの演奏を務める4人組のバンドは、
失踪したボーカルを探しています。

ボーカルの「アリマ」(実際のバンドのボーカルと同じ名前です)として、
絵本に入った蒼波純さんが趣里さんにスカウトされるのですが、
悪い魔法使いと団長が取引をしていたために、
趣里さんが20歳の時に舞台の上で、
歩けなくなってしまいます。

ここまで絵本のストーリー通りに話は進むのですが、
そこで「こんな悪が栄えるような悲しい終わりはおかしい」と、
キャストが皆で逆キレし、
持ち込まれた本の最後のページを破ってしまうので、
ストーリーという縛りを失った登場人物は暴走し、
そこで蒼波さん演じる夢見がちの少女が、
ペンを握ってラストをハッピーエンドに書き換えます。

ラストはその後童話作家となった、
かつての夢見がちの少女の元に、
10年ぶりにかつての妖精が姿を現して終わります。

物凄く定番の、
「ネバー・エンディング・ストーリー」的な話ですが、
ラストには根本さんの作品でお馴染みの、
メタプレイ的な要素が織り込まれています。

バンドの「おとぎ話」のメンバーは、
常時舞台の奥にいるのですが、
皆団長によって檻の中に閉じ込められている、
という設定になっていて、
芝居にも参加しつつ、
しっかり演奏もする、
というスタイルがユニークで、
この趣向は成功していたと思います。

ミュージカル仕立てで歌と踊りもふんだんにありますが、
貧相なディズニーランドという感じは否めません。
メイクや衣装は何処かティム・バートンの「アリス」のようですし、
もう少し独創的で統一感のあるビジュアルが、
あった方が良かったのではないか、
というように思いました。

キャストでは、
妖精役の梨木さんが意外にフィットしていて面白く、
あやかさんの大暴れも新鮮です。
趣里さんのテンションの高い独特の個性も、
面白く感じました。
蒼波さんは微笑ましい感じの初舞台です。

総じて、
前回のプロデュース公演の時も感じましたが、
統一感が今一つで、
やり切れていない感じが否めません。

この会場でこの舞台というのは、
難しい面があるのだと思いますが、
もう少しレベルの高いものを観たかったな、
というのが正直な感想です。

次回に期待をしたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
メッセージを送る