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腹鳴とそのメカニズム [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療には廻る予定です。

それでは今日の話題です。

今日は腹鳴についての話です。

お腹がグーグーと鳴って気になる、
ゴロゴロという音が鳴り響いて、
周りの人が変な目で見る、
というような訴えは、
外来でしばしば耳にするものです。

ひどい下痢になる訳でもなく、
痛みが出ることもないのですから、
それほど気にしなくても…
と思うところなのですが、
当の本人にとっては、
それがかなりつらいもののようです。

特に女性の場合には、
人前に出ることが出来ない、とか、
一緒に友達と食事をすることが出来ない、
とうような深刻な事態にもなりかねません。

それでは、そもそも何故お腹は鳴るのでしょうか?

これはシンプルには、
胃腸にガスが溜まり、
それが胃腸の動きによって、
急激に移動することによる現象です。

正常でお腹が鳴るのは、空腹の時です。

お腹がグーと鳴ることが、
お腹が空いた合図のように言われるのは、
決して迷信などではないのです。

この空腹時にお腹が鳴る原因は、
食後10から12時間後に、
胃から十二指腸に掛けての平滑筋に、
伝播性の強い収縮運動が起こるためです。

この生理現象を、
migrating motor complex(MMC)と呼んでいます。

このMMCという生理現象は、
ラットや犬などの動物でも確認されていて、
胃や小腸の食べ物の残りかすや細菌などを、
洗い流す一種のお掃除のような作用があると言われています。

このMMCは生理現象ですが、
この時の音が通常より大きいとすれば、
胃腸に多くのガスが貯留しているか、
胃腸の収縮の仕方が、
通常より過大であるという可能性が想定されます。

食物残渣が食後10時間経っても、
まだ残っていたり、
消化が不充分でガスが発生していたりすると、
大きく腫れている胃腸が、
急激に大きくMMCで収縮することになるので、
それだけ大きな音がする、
ということになります。

つまり、
胃腸の働きが低下していたり、
消化や吸収が悪い状態であれば、
それがMMCの音を大きくする要因になりうる、
ということになります。

具体的には慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、
セリアック病などの吸収不良症候群は、
いずれも腹鳴の原因となるのです。

以上は空腹時の腹鳴の話です。

実際にはお腹の鳴る音が大きくて悩んでいる方は、
食事からの時間に関わらず、
お腹が鳴るという症状に苦しんでいることが多いようです。

こうした腹鳴は何故起こるのでしょうか?

これは基本的には空腹時のMMCと、
同じ現象が起こると考えて良いのですが、
それが何故か空腹時以外にも起こるのです。

その原因は明らかではありませんが、
不摂生な生活を繰り返していたり、
生活リズムが不規則であると、
正常なMMCのリズムが崩れ、
こうした現象が起こりやすくなるのでは、
と推測されています。

また、過敏性腸症候群においては、
おそらくは自律神経系の異常により、
矢張りMMCが空腹時以外にも起こっている、
という知見が報告されています。

従って、腹鳴が明らかに強く、
それが空腹時以外にも起こる場合には、
まず吸収不良の病気や、
胃、十二指腸の器質的な病気がないかを検査で確認し、
不規則な生活や暴飲暴食があれば、
そうした生活習慣を改めることが必要です。

今日は腹鳴のメカニズムとその対応についての話でした。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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